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旅行(4)
しおりを挟む「……や、も、ほんと無理っ」
「……えー、もう一回」
くらり、と眩暈がした。
……馬鹿だろ、こいつ…!
「のぼせ、るから…!」
既に達したにも関わらず、未だ俺のなかにある那波のモノ。
腰を抑えられたこの状態では抜けるに抜けない。
「那波っ」
「もー…」
那波は仕方ねぇなとばかりに、俺の尻の下に手を回した。
「……?何して…、」
「……抱っこ?」
「ひ、ぅっ…!!」
そしてありえないことに、那波はそのまま立ちあがった。
当然、浮力から解放された自分の体重が繋がってる部分にのしかかってくる。
「ちょ、あ、あ!やめっ…!!」
「ほら、しっかり捕まっとけ…っ」
俺は必死で那波の首にしがみつき、足を腰に絡みつけた。
けれど那波が動く度に身体は少しずつ沈んでいき、硬さを取り戻していた那波のモノはさっきよりもずっと奥まで埋め込まれていく。
「ひぁ、あああっ…!!」
「……っ、うわ」
気を失いそうなほどの衝撃。
その状態で小刻みに突き上げられて、俺は呆気なく二度目の絶頂を迎えた。
「……は、ぁ…っ」
そのまま部屋に運ばれた俺は、ぐったりと布団に横たわった。
力が抜けた身体は、まだ余韻に震えている。
「大丈夫?」
「……なわけ、ないだろ…」
息も絶え絶えに答える。
もう、文句を言う体力すら残ってない。
「……ってゆうか…布団、濡れて…」
「いいじゃん、どうせまた濡れるし」
……それは、一体どういう…
「…………もう、しないからな?」
「え?今からだろ」
「……!いやだっ、無理っ」
「えぇー…なんで?せっかく温泉来たのに?」
……おまえ温泉をなんだと思ってんだよ!
「てか浩介、体力なさすぎ」
「な…っ」
さすがに言い返そうとして、まだ元気いっぱいな那波のソレを見た俺は絶句した。
「あ、でもここの温泉、腰痛とか筋肉痛に効くらしいから」
那波はにこにこ笑いながら俺を抱き寄せる。
「明日また入れば大丈夫じゃん?」
「……んっとにバカだろおまえ!てか、はなせ!!」
「やだ」
「はなせって!」
「やだ!」
前言撤回だ。
こいつは大人になんかなってない。前と全然変わってない。
「浩介ーっ」
「少しは俺をいたわれ!」
「……う」
ようやく伝わったのか、しゅんとする那波。
「………」
「……ごめん」
そう言いながらも何回出そうが全然しゅんとしない那波のソレを見て、俺は大きな溜め息をついた。
「……んっ……う…、」
さっきまで自分のなかにあったソレを口に咥えるということには、さすがに抵抗があったけど。
……だからって、放置するのも…
ちょっと可哀想だし、何より俺の身が危険だし。
「………ぅ、」
小さく唸った那波にくしゃ、と髪を撫でられてた。
「……ど、したの?」
「……や……てかさ……浩介、上手くなった…」
「……そ?」
両手でソレを扱きながら、見上げる。
「……気持ち、い?」
「……ん、」
「……よかった」
いつも自分ばっかり気持ちよくなるのは、なんかやだし。
俺だって那波を気持ちよくしたい。
「……特訓のおかげかな」
「……特訓?」
今度報告しなきゃと思いつつ、またソレを口に含む。
「……ちょ、まっ…特訓って、なに?」
お礼に御飯、ご馳走しよう。
何がいいかな…。
「おいっ、特訓って…っ、」
「……え?」
「……あ、」
「………」
「………」
「……顔にかけるのが、好きなの?」
「……や、別にそういうわけじゃ…」
「那波がそうしたいなら、いいけど」
「……え」
飲むのはまだちょっとキツいし…と思いつつ、洗面所で顔を洗う。
「……ごめん、」
「何が……?てゆうか、俺限界……おやすみ…」
「うん……って、ちげえよ!特訓ってなんだよ、誰と?!」
「祐希くん」
「……っえええ?!」
「……うるさい…」
「いや待ておい、どういう意味だよそれ!」
「………」
「寝るなっ、説明しろ浩介!」
「……わかったから……また、明日…」
那波に肩を揺さぶられつつ、俺は夢の世界へと旅立った。
勿論、濡れてない方の布団で。
「……ふはー…」
朝風呂っていい。
まじ気持ちいい。
昨日は疲れたけど、おかげで?よく眠れたし。
「よかったな、晴れて」
朝焼けの空を見上げながら言う。
「……なんか最近、疲れる事が多くてさ…」
就活を始めたはいいものの、自分のやりたい事がよくわからなくて。
色々迷ってる間に周囲に置いていかれる気がして、少し焦ってた。
「……でも、なんか元気でた」
「……そっか」
「うん」
那波は笑って、俺の頭を撫でた。
きっと那波のことだから、俺が悩んでることに気づいてたんだと思う。
……だから、こんな…
静かで、何もないところに連れてきてくれたんだろう。
「……ありがと」
「いえいえ」
「好き」
「え……え?」
「好きだよ、那波」
ずっと一緒にいようなと言うと、那波の頬がわずかに赤く染まった。
「……ずりぃ、浩介」
「は?」
「………」
後ろからぎゅっと抱きしめられる。
「那波…」
その心地よい腕のなかで、俺は目を閉じた。
帰ったら、いつもの日常が待っていて。
そして同じ早さだとは思えないくらい、慌ただしく時は流れていくんだろう。
……でも、それでも…
「……で、特訓て何?」
「……またそれ?そんなに気になる?」
「なるに決まってんだろ!何したの!」
「……内緒」
「はあああ?!」
「あ、そろそろ朝飯」
待てこら、と騒ぐ那波を置いて湯船を出る。
……きっとどこにいても、何があっても、
こうやって大切な人の笑顔を傍で見ていられるのなら、その腕に抱きしめてもらえるのなら。
俺は、幸せなんだろう。
end.
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