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すれちがい(2)
しおりを挟む「那波!」
追い掛けてくる足音と、浩介の声に立ち止まる。
「……なに、」
あぁダメだ、苛々する。
いい加減大人になれよって自分でも思うけど。
「あのさ、訊きたいことがあって…」
「……皐月に訊けば?」
「……え?」
「あいつのほうが頼りになるんだろ?」
……何言ってんだよ、俺は…
「……那波、」
「………」
そろそろいい加減、愛想尽かされるかもしれない。
「……淋しかった」
「……え?」
勝手なこと言ってごめん、と浩介は申し訳なさそうに言った。
「けど、電話もLINEもなかったから…なんか、不安になって…」
俺を見上げるその眼が潤んでるのは…たぶん、気のせいじゃない。
「浩介…」
同じ気持ちでいてくれたことが嬉しくて、思わず抱きしめようとしたその時。
「……あのさ、」
「ん、」
「あの…」
躊躇いがちに浩介は言った。
「……浮気とか、してないよな…?」
「……は?」
……なんで浮気?しかも俺?そもそもなんで、今の話のながれでそうなるわけ?
「……するわけないだろ」
驚き半分、ちょっと呆れながら答える。
すると浩介はあからさまにホッとした顔をした。
「そっか…」
……どんだけ信用ないんだよ、俺は…
なんだか本気で情けなくなってくる。
……てゆうか、その嬉しそうにはにかむ顔やめろ…かわいいから!
「大体、そんな暇ねぇよ。最近追試と補講ばっかだし…」
まぁそれでむしゃくしゃして遊びにいったりもしたけど。
それも元はと言えば、浩介に会えなかったからだし…。
「………」
「………」
……あれ?
「……那波、」
浩介が笑顔で言う。
「次ダブったら…俺もう知らないから」
「え」
「別れるから」
「……ええ?!」
「今日は帰って勉強!」
「ちょっ、え?ええ?!」
じゃあ頑張れよ!と言って笑顔で帰っていく浩介を見送りつつ…今度は俺が涙目になっていた…。
end.
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