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2月14日(1)
しおりを挟む「………」
「………」
不機嫌な横顔。
「那波」
「……なに、」
「いつまで拗ねてんだよ」
溜め息混じりにそう言えば、別に拗ねてねぇしといかにもな返事が返ってくる。
……ガキかよ…
まぁ原因は一応、わかってるけど。
毎年那波は大量のチョコを貰ってきた。
それは本命から義理まで様々だったけど、甘いものはそんなに好きじゃないからと言って俺にもよく分けてくれた。
ところが今年、那波はチョコを一個も貰わなかった。
恋人がヤキモチやくからとかなんとか、勝手に理由をつけて受けとらなかったらしい。
で、俺はというと今年も梨香から気合いの入った義理チョコ(手作り)を受け取っていたのだった。
それが那波は気に入らなかったようだ。
「じゃあ来年から那波も作ってもらえば?お返しは結構高くつくけど(オールで飲み+カラオケ)」
「……おまえわかってない本当になんにもわかってない」
「じゃあ俺からのチョコもいらない?」
「そんなんいるわけ…って、え?」
「まぁ男が男に渡すのは変だしな…」
「いやちょっと待て!」
梨香にラッピングしてもらったチョコを渡すと、一転して那波の機嫌は良くなった。
「しかも手作り?!」
「梨香と一緒に作ったんだよ」
「え、何それちょっと複雑…」
「いらないなら祐希くんに…」
「いるっ、いりますとも!!」
「美味しいかどうか、わからないけど…」
「てゆうか…勿体なくて食べらんねー…」
「じゃあ祐希くんに…」
「なんでだよ!」
夕食後、キッチンで皿を洗っていると背後から抱きしめられた。
「……ん、」
うなじにかかる息に身じろぎながらも、腰の辺りで妖しい動きをする手を掴む。
「ちょ、待てって」
「やだ」
そう言うと那波は俺の耳たぶを口に含んだ。
「ひあ…っ、」
そのまま舌で耳を嬲られると、背筋がぞくぞくする。
いやらしい水音と息遣いが、直接鼓膜に響いた。
「な、なみっ…」
耐えられずに身体を捩れば、覆い被さるようなキスが降ってくる。
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