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第七話
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「なあ……どうやって俺の部屋に入ったんだ? それに盗聴器や小型カメラなんて、子どもが簡単に買えるもんじゃないだろ」
胸の奥に溜めていた疑念が、思わず口をついて出た。
目の前の少年は、きょとんとした顔でこちらを見つめている。
「……? 何言ってるんですか? 僕、部屋なんか入ってませんよ」
あくまで無邪気な調子。“え、何それ”という表情。演技にしては表情が自然すぎる。
「はぁぁ? 冗談だろ」
俺は息を荒げながら、これまでの事情をひとつずつ話した。
どこに盗聴器があったのか、どの棚にカメラが仕掛けられていたのか、あの不自然なぬいぐるみのことまで――。
すると、彼は心底驚いたように目を見開いた。
「知りませんよ! 僕、ピッキングなんてできませんし、人の部屋に勝手に入ることなんてできません!」
声色は震えていた。
息づかいは荒く、目線は泳いでいない。
嘘をついているようには――少なくとも、俺には見えなかった。
というか、ここまできてこの話だけ違うと嘘をつく理由がない。
全部バレている前提で、なお“そこだけ嘘”なんて、割に合わない。
なのに、違和感だけは消えなかった。
その瞬間、脳裏に電撃のように“最悪の真実”が閃いた。
――妙だと思っていた。
あのぬいぐるみ。
後から盗聴器を仕込んだ跡がなかった。糸のほつれも、裏地の切れ目もない。
まるで、最初からその用途で作られていたみたいに、完璧な縫製だった。
念のため調べてみた。「手を入れられるぬいぐるみ」というものがある。
本来は子ども用のパペットだが、その構造を悪用すれば内部に盗聴器を忍ばせられる――。
さらに、棚の上の小型カメラ。
新品同然かと思いきや、薄く埃が積もっていた。
まるで最近置かれたものではなく、ずっと前から“そこにあった”かのように。
俺は唇を噛みしめた。
頭の奥で、誰かの顔が浮かぶ。
俺の部屋に自由に出入りできて、あのぬいぐるみを「めいちゃんにはぬいぐるみがお似合いだよ」と笑いながら手渡してきた人間――。
……一人だけ、いる。
“外れていてくれ”と願いながら、俺はカマをかけた。
心臓が嫌なリズムを刻み、指先が汗ばむ。
だが――現実は、いつだって残酷だ。
胸の奥に溜めていた疑念が、思わず口をついて出た。
目の前の少年は、きょとんとした顔でこちらを見つめている。
「……? 何言ってるんですか? 僕、部屋なんか入ってませんよ」
あくまで無邪気な調子。“え、何それ”という表情。演技にしては表情が自然すぎる。
「はぁぁ? 冗談だろ」
俺は息を荒げながら、これまでの事情をひとつずつ話した。
どこに盗聴器があったのか、どの棚にカメラが仕掛けられていたのか、あの不自然なぬいぐるみのことまで――。
すると、彼は心底驚いたように目を見開いた。
「知りませんよ! 僕、ピッキングなんてできませんし、人の部屋に勝手に入ることなんてできません!」
声色は震えていた。
息づかいは荒く、目線は泳いでいない。
嘘をついているようには――少なくとも、俺には見えなかった。
というか、ここまできてこの話だけ違うと嘘をつく理由がない。
全部バレている前提で、なお“そこだけ嘘”なんて、割に合わない。
なのに、違和感だけは消えなかった。
その瞬間、脳裏に電撃のように“最悪の真実”が閃いた。
――妙だと思っていた。
あのぬいぐるみ。
後から盗聴器を仕込んだ跡がなかった。糸のほつれも、裏地の切れ目もない。
まるで、最初からその用途で作られていたみたいに、完璧な縫製だった。
念のため調べてみた。「手を入れられるぬいぐるみ」というものがある。
本来は子ども用のパペットだが、その構造を悪用すれば内部に盗聴器を忍ばせられる――。
さらに、棚の上の小型カメラ。
新品同然かと思いきや、薄く埃が積もっていた。
まるで最近置かれたものではなく、ずっと前から“そこにあった”かのように。
俺は唇を噛みしめた。
頭の奥で、誰かの顔が浮かぶ。
俺の部屋に自由に出入りできて、あのぬいぐるみを「めいちゃんにはぬいぐるみがお似合いだよ」と笑いながら手渡してきた人間――。
……一人だけ、いる。
“外れていてくれ”と願いながら、俺はカマをかけた。
心臓が嫌なリズムを刻み、指先が汗ばむ。
だが――現実は、いつだって残酷だ。
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