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異世界生活:王都レグナム編
世界大会と親心
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国家間の対立の有無。
宗教関連の現状。
そして奴隷の有無。
蓮はある程度予測を立て、王に確認をした。
その蓮の問いに、王はそらすでもなく隠すでもなく正直に答えた。
蓮はグランやシュバルツ、フェリクスらが尊敬する意味が何となく感じ取れた。
「正直に答えてきた頂きありがとうございます」
そして蓮は『良い関係が築けそうです』と言葉を続けた。
「ソフィリアはサクラ殿と友人になりたいと言っておった。娘がそんなことを言うのは初めてじゃ」
そして王は『家族ぐるみで関係を深めたいと余も願っておる』と言葉を続けた。
王もまた、蓮と同じように関係構築に対して前向きな言葉を口にした。
そして王はフェリクスのことも気にかけてやってほしいと言葉を続けた。
「フェリクスも息子のように思っておってのぉ」
フェリクスから経緯を聞いていたため蓮は詳しく聞かずとも理解ができた。
フェリクスも貴族からの階級差別と、平民からの尊敬の視線はあるが、対等の立場を知らない。
騎士団内では人間関係がうまくいっている方なため、ソフィリアほど困りはしないが
仲良くしてやって欲しいと言葉を続けた。
「そうじゃ!忘れておった!騎士団長と四魔帝を鍛えてやってはもらえんだろうか?」
元居た世界の話や冒険の話が気になり失念していたそうだが、年に一度行われる世界最高の魔法師と、世界最高の戦士を決める世界大会があるそうだ。
始まりは数百年前。
時の大魔法師と呼ばれた帝国 姫咲という女性が発起人。
様々な魔法を使いこなし、特に時空魔法と結界魔法に秀でた才をみせた異界人だそうだ。
「勇者タナカ以外にも異界人が居たんですね」
他にも卓越した鍛冶能力で強力な武器や防具を作った京極 翼などがいるそうだ。
聖女と呼ばれ、欠損部すらも瞬時に回復させる強力な支援魔法を使う神宮寺 葵。
「勇者タナカの名前ってなんて言うんですか?」
「勇者様はタナカ・タロウと言う名じゃ」
絶対に漢字にしたら田中太郎だ。
同級生に居たら、あだ名はT•Tになっていただろう。
そして蓮は、なぜ他の人たちはみんな主人公のような名前なのに勇者だけ……。
蓮はそんな世界中の田中太郎に失礼な考えを浮かべてしまった。
蓮の思考など梅雨知らず、王は『素晴らしい人格者と言い伝えられておる。ぜひ覚えておいて欲しい』とどこか誇らしげに言葉を続けた。
聞けば、勇者と呼ばれるだけあって、世界を旅し、人々のために献身的に活動したそうだ。
「おっとすまぬ。つい熱くなってしまった」
勇者タナカについて熱く語り始めた王は、それに気づき、自身で話を元に戻した。
時の大魔法師が世界の人々の交流の場になることと、魔法や剣技などを衰退させてはいけないために始めたものだそうだ。
初めは時の大魔法師が現れてたマジア王国で魔法大会だけが行われていたそうだが、少ししてから魔法を使用せず武器のみでの大会も開かれるようになったそうだ。
「今はバルブス大陸のシーガルドという都市で開かれておる」
レグナム国から海を渡った先にあるバルブス王国。
以前にユグドラシルが見せてくれた世界地図で、真ん中にあった大陸だ。
世界規模で参加者が出始めたことで、集まりやすいようにとマジア王国からシーガルドへと開催地を移したそうだ。
「今回がちょうど100回目での。どの国も今まで以上に熱が入っておる」
世界各国の選抜された魔法師や騎士、冒険者など集まり、それぞれ魔法部門と戦士部門に分かれ最強を決める。
各国から各部門に2人ずつ選出可能。
レグナム国からは騎士団長と四魔帝の中からそれぞれ2人ずつ選ぶそうだ。
「選び方はどうやるんですか?」
蓮が尋ねると王は『基本的には、戦い勝った者を選ぶ』と答えた。
他に腕に覚えがあり、出場者に勝る実力があれば選ぶこともあるそうだが、過去に勝った事例はない。
守りが手薄になるが、その間は何があろうと他国への侵略行為は不可。
破れば世界が敵に回るという取り決めとなっている。
そのため、大規模な魔物の大量発生や強力な魔物に街が襲われるなどでの緊急事態が起きない限りは問題ないそうだ。
その大会に蓮や桜に出るように言わないあたり、王の人間性が伺え、蓮はうれしく思った。
「今はだれがその称号を?」
喜びと同時に、一つの疑念が生まれた。
過去行われているのであれば、今、その称号を手にする者がいるはずだ。
「ふむ。残念ながら両方とも我が国にはおらぬのだ」
王がそういうと、シリウスは『申し訳ありません』と言葉にした。
世界最高の魔法師はマジア大陸にあるマジア王国のアメリア・グランツ。
世界最高の戦士はリオーネス大陸にあるバーテックス王国のドラゴニル・フレイム。
王は残念そうな表情を浮かべながら名を告げた。
マジア王国は、時の大魔法師が現れた場所でもあるため、世界で最も魔法が発展しており、最も多く世界最高の魔法師を輩出している。
リオーネス大陸には、ほかの大陸よりも強い魔物が多く生息するため、魔法師や騎士、冒険者が強くなりやすい。
特に数年前に現れたドラゴニル・フレイムは鬼神の如き強さで、出場以降、世界最高の戦士の座を譲ったことがないそうだ。
レグナム国からは近年どちらも輩出できていないが、地炎帝と水光帝は過去に世界最高の魔法師になった事があり、近年でも4位以内には入れているそうだ。
「問題は戦士部門でのぉ」
戦士部門では5位以内に入れる事があるか無いかという状況。
このままでは魔法至上主義に拍車がかかると王は懸念しているそうだ。
そして、もし現世界最高の戦士のドラゴニル・フレイムとフェリクスが当たれば、力量差から怪我では済まない可能性があると心配しているそうだ。
最悪、負けても良いがせめて大きなけがをせずに無事に帰ってきてほしい。
そんな親心からの言葉だったようだ。
「いつか本当の息子になるかもしれないですもんね」
蓮はそう言って申し出を受け入れる事にした。
しかし、王はその言葉を聞き、時が止まったかのように目を見開き硬直した。
「ど、どどど、どどどういうことじゃ!?」
そして、間を空けてから唾を撒き散らしながら壊れたおもちゃのように言葉を発した。
「え!?違うんですか!?」
蓮はソフィリアとフェリクスのやりとりを見て、一目で幼馴染以上の感情があることを察知した。
そのため、間近で見ている親であれば気が付かないわけがないと思い、話しをした。
しかし、王はどうやら全く気が付いていなかったようだ。
「い、いつかは誰かのところに行きますからね」
いつかは桜も向日葵も嫁に行く。
蓮は自身にも言い聞かせるように王に伝えるが、王は『まだまだ子供じゃもん!』と子供のような口ぶりで反論した。
シリウスが斜め落ち着くのを待ち、明日以降は今まで通り接するように伝えたが、どうなるか想像ができて思いやられる。
蓮は心の中でフェリクスとソフィリアに謝罪し、部屋を出ることにした。
「そうじゃ。部屋のことなのじゃが……」
ソフィリア達が蓮の部屋に行くことを聞いていた王は別の部屋を用意してくれていた。
蓮はフェリクスの様子を見てから部屋に向かうことと感謝を伝え、部屋を後にした。
宗教関連の現状。
そして奴隷の有無。
蓮はある程度予測を立て、王に確認をした。
その蓮の問いに、王はそらすでもなく隠すでもなく正直に答えた。
蓮はグランやシュバルツ、フェリクスらが尊敬する意味が何となく感じ取れた。
「正直に答えてきた頂きありがとうございます」
そして蓮は『良い関係が築けそうです』と言葉を続けた。
「ソフィリアはサクラ殿と友人になりたいと言っておった。娘がそんなことを言うのは初めてじゃ」
そして王は『家族ぐるみで関係を深めたいと余も願っておる』と言葉を続けた。
王もまた、蓮と同じように関係構築に対して前向きな言葉を口にした。
そして王はフェリクスのことも気にかけてやってほしいと言葉を続けた。
「フェリクスも息子のように思っておってのぉ」
フェリクスから経緯を聞いていたため蓮は詳しく聞かずとも理解ができた。
フェリクスも貴族からの階級差別と、平民からの尊敬の視線はあるが、対等の立場を知らない。
騎士団内では人間関係がうまくいっている方なため、ソフィリアほど困りはしないが
仲良くしてやって欲しいと言葉を続けた。
「そうじゃ!忘れておった!騎士団長と四魔帝を鍛えてやってはもらえんだろうか?」
元居た世界の話や冒険の話が気になり失念していたそうだが、年に一度行われる世界最高の魔法師と、世界最高の戦士を決める世界大会があるそうだ。
始まりは数百年前。
時の大魔法師と呼ばれた帝国 姫咲という女性が発起人。
様々な魔法を使いこなし、特に時空魔法と結界魔法に秀でた才をみせた異界人だそうだ。
「勇者タナカ以外にも異界人が居たんですね」
他にも卓越した鍛冶能力で強力な武器や防具を作った京極 翼などがいるそうだ。
聖女と呼ばれ、欠損部すらも瞬時に回復させる強力な支援魔法を使う神宮寺 葵。
「勇者タナカの名前ってなんて言うんですか?」
「勇者様はタナカ・タロウと言う名じゃ」
絶対に漢字にしたら田中太郎だ。
同級生に居たら、あだ名はT•Tになっていただろう。
そして蓮は、なぜ他の人たちはみんな主人公のような名前なのに勇者だけ……。
蓮はそんな世界中の田中太郎に失礼な考えを浮かべてしまった。
蓮の思考など梅雨知らず、王は『素晴らしい人格者と言い伝えられておる。ぜひ覚えておいて欲しい』とどこか誇らしげに言葉を続けた。
聞けば、勇者と呼ばれるだけあって、世界を旅し、人々のために献身的に活動したそうだ。
「おっとすまぬ。つい熱くなってしまった」
勇者タナカについて熱く語り始めた王は、それに気づき、自身で話を元に戻した。
時の大魔法師が世界の人々の交流の場になることと、魔法や剣技などを衰退させてはいけないために始めたものだそうだ。
初めは時の大魔法師が現れてたマジア王国で魔法大会だけが行われていたそうだが、少ししてから魔法を使用せず武器のみでの大会も開かれるようになったそうだ。
「今はバルブス大陸のシーガルドという都市で開かれておる」
レグナム国から海を渡った先にあるバルブス王国。
以前にユグドラシルが見せてくれた世界地図で、真ん中にあった大陸だ。
世界規模で参加者が出始めたことで、集まりやすいようにとマジア王国からシーガルドへと開催地を移したそうだ。
「今回がちょうど100回目での。どの国も今まで以上に熱が入っておる」
世界各国の選抜された魔法師や騎士、冒険者など集まり、それぞれ魔法部門と戦士部門に分かれ最強を決める。
各国から各部門に2人ずつ選出可能。
レグナム国からは騎士団長と四魔帝の中からそれぞれ2人ずつ選ぶそうだ。
「選び方はどうやるんですか?」
蓮が尋ねると王は『基本的には、戦い勝った者を選ぶ』と答えた。
他に腕に覚えがあり、出場者に勝る実力があれば選ぶこともあるそうだが、過去に勝った事例はない。
守りが手薄になるが、その間は何があろうと他国への侵略行為は不可。
破れば世界が敵に回るという取り決めとなっている。
そのため、大規模な魔物の大量発生や強力な魔物に街が襲われるなどでの緊急事態が起きない限りは問題ないそうだ。
その大会に蓮や桜に出るように言わないあたり、王の人間性が伺え、蓮はうれしく思った。
「今はだれがその称号を?」
喜びと同時に、一つの疑念が生まれた。
過去行われているのであれば、今、その称号を手にする者がいるはずだ。
「ふむ。残念ながら両方とも我が国にはおらぬのだ」
王がそういうと、シリウスは『申し訳ありません』と言葉にした。
世界最高の魔法師はマジア大陸にあるマジア王国のアメリア・グランツ。
世界最高の戦士はリオーネス大陸にあるバーテックス王国のドラゴニル・フレイム。
王は残念そうな表情を浮かべながら名を告げた。
マジア王国は、時の大魔法師が現れた場所でもあるため、世界で最も魔法が発展しており、最も多く世界最高の魔法師を輩出している。
リオーネス大陸には、ほかの大陸よりも強い魔物が多く生息するため、魔法師や騎士、冒険者が強くなりやすい。
特に数年前に現れたドラゴニル・フレイムは鬼神の如き強さで、出場以降、世界最高の戦士の座を譲ったことがないそうだ。
レグナム国からは近年どちらも輩出できていないが、地炎帝と水光帝は過去に世界最高の魔法師になった事があり、近年でも4位以内には入れているそうだ。
「問題は戦士部門でのぉ」
戦士部門では5位以内に入れる事があるか無いかという状況。
このままでは魔法至上主義に拍車がかかると王は懸念しているそうだ。
そして、もし現世界最高の戦士のドラゴニル・フレイムとフェリクスが当たれば、力量差から怪我では済まない可能性があると心配しているそうだ。
最悪、負けても良いがせめて大きなけがをせずに無事に帰ってきてほしい。
そんな親心からの言葉だったようだ。
「いつか本当の息子になるかもしれないですもんね」
蓮はそう言って申し出を受け入れる事にした。
しかし、王はその言葉を聞き、時が止まったかのように目を見開き硬直した。
「ど、どどど、どどどういうことじゃ!?」
そして、間を空けてから唾を撒き散らしながら壊れたおもちゃのように言葉を発した。
「え!?違うんですか!?」
蓮はソフィリアとフェリクスのやりとりを見て、一目で幼馴染以上の感情があることを察知した。
そのため、間近で見ている親であれば気が付かないわけがないと思い、話しをした。
しかし、王はどうやら全く気が付いていなかったようだ。
「い、いつかは誰かのところに行きますからね」
いつかは桜も向日葵も嫁に行く。
蓮は自身にも言い聞かせるように王に伝えるが、王は『まだまだ子供じゃもん!』と子供のような口ぶりで反論した。
シリウスが斜め落ち着くのを待ち、明日以降は今まで通り接するように伝えたが、どうなるか想像ができて思いやられる。
蓮は心の中でフェリクスとソフィリアに謝罪し、部屋を出ることにした。
「そうじゃ。部屋のことなのじゃが……」
ソフィリア達が蓮の部屋に行くことを聞いていた王は別の部屋を用意してくれていた。
蓮はフェリクスの様子を見てから部屋に向かうことと感謝を伝え、部屋を後にした。
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