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第三章 ウサギとオオカミの即位編

第三十四話 ※※ 「これも悪くない」②

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「ダメだ‥良すぎる‥‥」
「アウル様?」
「暴発しちまう。これはまた今度な」

 お返しとばかりに太ももの付け根に手を入れられくすぐる様に秘裂を擦られる。ひどい快感と焦燥でたまらずアウル様の腕に縋り付く。堪えても出てしまった甘くくぐもった声が浴室に響いて恥ずかしさで身がこわばった。

「ハァ‥‥そこ‥イィ‥‥」
「泡まみれのウサギもいいがな‥‥」
「アウル‥さま‥」
「やはりお前を味わいたい」

 湯で泡を流したアウル様が私の太ももを大きく開いて秘所を晒す。すでに勃ちあがっていた蕾にアウル様の顔が近づき熱い舌が這わされた。その愉悦に我慢できず私の甲高い声が浴室に響いた。アウル様の髪に手を這わせ悶える。

「————ァアア!‥アぁッ‥ダ‥ッヤ‥‥」
「いい声出たな。いいぞ、もっと哭け」

 更に深く秘肉を舌で弄ばれてしまえば喘ぎ声が止まらない。

 浴室に据えられた大きな鏡。私の下腹部に顔を埋めるアウル様が、そして惚ける顔でアウル様の頭を抱き寄せ善がる淫らな自分が映し出される。その様子が目に入れば体の奥から勝手に熱い蜜が溢れ出た。
 それをじゅるじゅると音を立ててすすられ羞恥で目の前が真っ赤になる。宥めるようにアウル様が太ももを撫でてくれた。

 舌先で敏感な突起をくすぐる様に転がされれば膣の奥がぎゅっと疼いて切なくなる。でもいつも膣内にくれる指の愛撫が今日はない。きゅんきゅんとますます酷くなるその拷問のような疼きが辛くて堪らず苦しげな声を上げた。

「ヤ‥‥ハァ‥‥ア‥アウル‥さまぁ‥」

 唇を舐めて身を起こしたアウル様が惚ける私の顎を持ち上げて悪辣な笑みを浮かべた。酷くたのしそうだ。

「俺のウサギもやっと肉食になったなぁ。いい顔だ。さぁどうして欲しい?」
「ア‥‥」
「お前の望みを言え。上手に強請ねだればドロドロに可愛がってやる」

 快楽に堕ちた私の顔を私の旦那様は目を細め仄昏い笑みで見下ろした。

 初夜を迎えたのは一月前。初めて愛し合ってからたった一ヶ月。なのに。
 徹底的に閨教育が施されていたとはいえ、たった一ヶ月で私はここまで快楽に堕ちてしまった。

 いや、毎晩睦み合ってそう作り替えられてしまったんだ。この王子に。私を自分好みに躾けて調教した。そして私は嬉々としてそこに堕ちている。

 アウル様の硬い檻の中に。

 躾けられ飼い慣らされて、快楽という首輪を嵌められて。檻の中でもう逃げようとする意志さえ奪われた。アウル様なしでなんて生きていけない。

 浅い呼吸から私はアウル様に縋って必死に言葉を紡ぎ出した。甘い声が浴室に響いて恥ずかしいが、ひどい疼きでもうそれどころではなかった。

「‥‥おく‥」
「うん?奥がどうした?」
「‥‥からだの‥おく‥が‥つらいの‥‥ちょうだぃ‥」
「俺が欲しいか?」
「‥ほし‥ぃ‥ふと‥くて‥かた‥いの‥」

 アウル様の開く瞳孔の瞳が、獰猛な笑みが牙を剥いた。
 私を性急に立ち上がらせて荒々しく壁に押し付ける。ひんやりしたものが熱い背に触れて気持ちいい。
 喘ぐ私の左足を抱え上げ蜜口に猛る杭を充てがいアウル様は一気に私の奥まで貫いた。ガツンと膣道の奥の子宮に硬い杭が当たる。その衝撃と痺れる様な快感で私の背は弓なりに沿り、目から涙が溢れた。

「——— ャァァアッ!!」
「‥‥ッ‥‥おねだりが善過ぎて我慢できなかった。俺のウサギはホント煽るのが上手‥いッ」

 アウル様が私を掻き抱いて猛烈な勢いで奥を穿ち始めた。ザブザブと波立つ湯の音と私の嬌声が浴室に響く。

 待ち望んだ内側の愛撫、太く硬い杭が私の弱いところを擦る度に、奥をゴリゴリとエグる度に淫靡な快楽でクラクラ眩暈がした。
 下腹部からのその痺れが脳に伝わり思考が真っ白になる。もう気持ちいいことしか考えられない。声が浴室に響くも嬌声を止められない。

「アウルッ‥さま‥アッ‥ぁん‥アァッ!きも‥イィ‥ヤァンッ!アァァッ!」
「———ッノワ‥ッ‥‥」

 その苦しげな掠れた声に喜びが湧き上がる。アウル様も私の中で気持ち良くなっているとわかればさらに興奮し体の奥が熱くなった。
 激しい抽挿の合間に深く口づけられ舌で酷く貪られる。両手で体中を愛撫され胸の頂を摘まれ潰されて、甘い痺れが、ゾクゾクが止まらない。耳を喰まれ甘く齧られてしまえば一気に体の中を悦楽が駆け抜けた。

「アウル‥さま‥す‥き‥ッ」

 その嬌悦が一気に弾け、私は身を震わせてアウル様の手の中で激しく絶頂に達した。愛蜜が奥から溢れ膣襞が杭を絞る様に収縮する。

「‥‥ぐッ」

 それに目を瞑り歯を食いしばって耐えたアウル様が私から杭を引き抜き、私を縦に抱き上げて浴室から早足に出る。そして濡れた体のままベッドに投げられうつ伏せに組み敷かれた。酷い絶頂の余韻で私は抵抗さえできずされるがままだ。

 力なく朦朧とする中でうつ伏せから腰を突き出す様に持ち上げられ、蜜口に硬いものが充てがわれる。そして獣の様に背後から一気に貫かれた。衝撃で勝手に背が反り下腹部が強張った。

「ァァア!!ャぁああ!!」
「くッまだ締めるか‥‥ッ」

 苦情の様な艶声を出しアウル様が私の腰を押さえて再び奥を穿ち出す。達している私はアウル様の獰猛な抽挿になす術もない。奥を擦られ抉られて、胸をキツく揉みしだかれて、何度もイかされながらシーツに顔を埋め身を震わせて哭き叫んだ。

「アッ‥‥ああッ‥‥ハァ‥ぁんんッ」
「———ノワ‥お前だけだ‥‥愛している‥ッ」

 その声に目を瞠る。鼓動が上がり胸が締め付けられ体の奥がずきんと疼く。私の耳が、膣襞が反応しアウル様をぎゅうぎゅうにキツく締め上げた。
 その刺激に耐えられず呻き声と共にアウル様が劣情を私の最奥に吐き出す。子種を子宮に送り込もうとするその抽挿だけで私は軽くイッてしまった。

 荒い息のままアウル様がごろんと横になり私を抱き締めた。

「‥‥ああ、このウサギはホントに。たまらんなぁ。何でこんなに愛おしいんだ」
「‥‥アウル様‥私も‥‥」
「ああ、わかってる」

 切なげなアウル様の硬い胸板に抱きしめられほぅと甘いため息が漏れた。火照り濡れた体は、お風呂のせいか汗なのかわからないほどだ。

「お前の髪を洗ってみたいんだが、今風呂に行くとまた同じことになりそうだ」
「‥‥えっと、それは流石に盛りすぎです」
「お前があんなエロい提案をするのが悪い。お陰で風呂場のイメージが変わったぞ?責任取ってつきあえよ?」
「え?!まさかのまた私のせいですか?!」

 苦笑していたアウル様がここでふぅと前髪をかき上げて深い深いため息をついた。

「すまんな。勢いで最後までシた。久しぶりの戦闘の後でたぎってたか止まらなかったな。外に出す余裕もなかった」

 アウル様の謝罪と苦笑の意味がわからない。

「アウル様?」
「今日は確か危険日だったよな?初夜は大丈夫だったし。まあそうそう当たらんだろうが、デキたらそういうことで頼む」
「はい?キケンビ?デキるって何が?」

 アウル様がまんまるに目を瞠り、何か悟ったようにぺちんと顔に手を当てて瞑目した。

「お前、閨教育どころか保健授業もポンコツか?」
「え?あれ?ちゃんと受けましたよ?オシベとメシベで子種で赤ちゃんが‥キケンって?何か良くないことが?」
「‥‥‥‥いや、俺たちの場合は夫婦だし危険ではなかったな。だがまだ早い様にも思ったまでだ。お前に避妊バースコントロールは無理だな。新婚一ヶ月か。まだまだ満喫したかったがな。即位前だし、まぁこれも悪くない」

 そう言ってアウル様が晴れやかに笑った。


 そしてその一月半後。
 アウル様の予言通り私は妊娠した。

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