ネガティヴ・カラーズ

マインドフルネスERA

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1章 感情能力試験編

冷華と信の関係

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「それよりも信くん。久しぶりね、こうやって話すのは……10年ぶりくらいかしら?」
信がその言葉を聞いた途端、体は無意識に動いていた。
「お久しぶりでございます、冷華お嬢様」
信は右膝を地面につき、頭を深く下げ、手を胸においてかしこまっていた。
そんな信のスムーズな動きと反応に花は驚く。
「それで、信くん。少し聞きたいことがあるんだけど……」
「はい、何でしょうか?」
「なんで今回、試験の時に感情能力イモーションアビリティを使わなかったの?」
不服そうな顔で冷華は信に問いただす。
「それはですね……えっと」
信は言葉に詰まってしまう。
ーー信は感情能力を使わなかったのではない。現在、信は感情能力が全く使えないのだ。信自身、なぜ使えなくなってしまったのか、わかっていない。
感情能力は一度目覚めると脳に大きな損傷がない限り、自分の意思で発動することができる。
しかし、信は脳に損傷がある訳ではなく、感情能力のソースとなる感情オーラは使用し、コントロールすることができている。
そもそも、感情能力は未だ100%解明されている代物ではなく、何が起きても不思議ではない。
信は冷華が聞いて納得できるよう言葉を考え、選ぼうとする……。
しかし、中々思いつくことができなかった。
「早く答えなさい信、これは命令よ」
先ほどよりも少し威圧的に冷華は訊ねる。
「申し訳ございません、冷華お嬢様。私自身もわからないのですが、現在感情能力を使用することができなくなっているのです」
信は現状をありのままを冷華に話した。冷華は信の話を聞いた後、ふーんと言い、保健室を出て行った。
「信くん、やっぱり感情能力使えなくなってたんだね……」
花は心配そうに声をかけた。
感情能力が使用することができない、ということはこの高校にいること自体が難しくなる。
信たちが通う高校は、感情能力を持った子どもが社会で馴染めるように保護と教育を実施する機関だ。そのため、感情能力によって成績を左右する科目が多い。感情能力が発動しない信は卒業どころか在籍することさえ難しくなるのだ。
そんな信は花に心配させたくはなかった。
「ま、まぁ、感情オーラは使えるし……それにほら生徒会長の攻撃だって防ぐことはできてただろ?完全に使えないってことではないし大丈夫だ」
そう言い、立ち上がって保健室を出ようとする。
「ほら、帰ろう花」
自分はそんなに気にしていない、という雰囲気を出しながら花を呼んだ。花は信の言葉に頷き、保健室を出た。
玄関まで来たところで待っていた鉄と合流し、3人は下校した。
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