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閑話、エリザ2
目が覚めると、セシリアがいた。
髪の色は地毛にしていた。厚底の眼鏡をかけているが、セシリアだ。
わたくしの愛しい娘。
ずっと、手紙も書かずに放置していた娘。
あぁ、大きくなっている。
綺麗になっていた。
あの方と逢えた時とは違う、喜びが生まれた。
抱きしめてあげたい。
でも、どうすれば良いのかわからなかった。セシリアとわたくしの間には見えない壁があるように感じたのだ。
セシリアは自分の存在を否定しているように思えた。
生い立ちを知ったらからだろう。
わたくしでさえ、あの事は思い出したくもない。でも、あの事の結果として、セシリアがいる。
セシリアはわたくしの気持ちやフィアナの過去さえも自分の所為にしようとしている。
わたくしがどんなに言っても、あの子は聞き入れないだろう。
そして、わたくし自身も・・・。
そんな中、あの方とその甥である青年は、セシリアを温かく見守ってくれた。
癒そうとしてくれている。
二人は父を連れてきてくれた。
死ぬ前に会えるとは思わなかった。
わたくしは思った。
わたくしが死んでも、セシリアを守ってくれる方がいる。
彼らにセシリアを任せたい。
だから、あの方の求婚を受け入れた。
死んでしまうわたくしを、汚れたわたくしを妻にと望むなんて、奇特な方。
自分の幸せより、わたくしはセシリアのこれからの幸せを考えてしまった。
あの方の保護があれば、セシリアは自由に生きることができるのでは?と。
求婚されたあと、あの方と二人になった時に思っている事を正直に話した。
あの方は笑った。
「そんな事気にしないよ。もともと、あの子を救いたいと願うロイドの為にいる地位だから。僕は君とセシリアを護りたいたけだから。気にする事ないよ」
お人好し。
だから好き。
「では、わたくしが死んだ後も、あの子をいっぱい甘やかしてくださいますか?」
「もちろんだよ。いっぱい甘やかすよ」
「あの子はわたくしの所為で、自分の存在を否定してます。だから、いっぱい甘やかせて自分のいていい理由をつくってあげてください」
「約束する」
マゼル様は手を取って、約束の誓いとキスをしてくれた。
ウェディングドレスに身を包む日が来るとは思わなかった。あの方の用意の周到さに失笑を禁じ得なかった。
あの方のこれからの未来を奪う事は、本来ならばあってはいけない事と理解していたが、正直嬉しかった。
困り顔のセシリア。
戸惑っている。
でも、マゼル様の気持ちを聞いて、腹を決めたようだった。
欲しかったよね。
でも、どうすればいいかわからなかったんだよね。
言ってあげて。『お父さん』ってー。
幸せだわ。
いつ死んでも、もう大丈夫。
安心できたからか、気が抜けた。
最期の時まで、マゼル様とセシリアはそばにいてくれた。
思い残すことはあと一つ。
セシリアに伝えたければー。
マゼル様と父にセシリアを頼んだ。
後はー。
「セシリア」
「・・・は、い・・・」
「ごめんなさいね。我儘な母親で。出来損ないの母親で」
こいこいと手招く。
近づいたセシリアの腕を引っ張ると、セシリアが胸に倒れ込んできた。
生まれた時の大変だった思いや、嬉しさが蘇る。ミルクの香りに包まれた小さな身体。
懐かしい。
わたくしは大きくなったセシリアを抱きしめた。
耳元で、囁く。
「生まれてきて、ありがとう・・・」
ありがとう。
「あなたに会えて後悔はないわ。セシリア」
「かあ、さん・・・?」
「・・・あしてるわ」
愛してるー。
最期に夢を見る。
マゼル様とわたくしが並ぶ姿。
『セシリア』と呼ぶと、小さな子供が『お父様、お母様』とかけてくる。
手を繋ぎ、わたくしたちは笑いながら家に帰る。
幸せに暮らす夢をー。
髪の色は地毛にしていた。厚底の眼鏡をかけているが、セシリアだ。
わたくしの愛しい娘。
ずっと、手紙も書かずに放置していた娘。
あぁ、大きくなっている。
綺麗になっていた。
あの方と逢えた時とは違う、喜びが生まれた。
抱きしめてあげたい。
でも、どうすれば良いのかわからなかった。セシリアとわたくしの間には見えない壁があるように感じたのだ。
セシリアは自分の存在を否定しているように思えた。
生い立ちを知ったらからだろう。
わたくしでさえ、あの事は思い出したくもない。でも、あの事の結果として、セシリアがいる。
セシリアはわたくしの気持ちやフィアナの過去さえも自分の所為にしようとしている。
わたくしがどんなに言っても、あの子は聞き入れないだろう。
そして、わたくし自身も・・・。
そんな中、あの方とその甥である青年は、セシリアを温かく見守ってくれた。
癒そうとしてくれている。
二人は父を連れてきてくれた。
死ぬ前に会えるとは思わなかった。
わたくしは思った。
わたくしが死んでも、セシリアを守ってくれる方がいる。
彼らにセシリアを任せたい。
だから、あの方の求婚を受け入れた。
死んでしまうわたくしを、汚れたわたくしを妻にと望むなんて、奇特な方。
自分の幸せより、わたくしはセシリアのこれからの幸せを考えてしまった。
あの方の保護があれば、セシリアは自由に生きることができるのでは?と。
求婚されたあと、あの方と二人になった時に思っている事を正直に話した。
あの方は笑った。
「そんな事気にしないよ。もともと、あの子を救いたいと願うロイドの為にいる地位だから。僕は君とセシリアを護りたいたけだから。気にする事ないよ」
お人好し。
だから好き。
「では、わたくしが死んだ後も、あの子をいっぱい甘やかしてくださいますか?」
「もちろんだよ。いっぱい甘やかすよ」
「あの子はわたくしの所為で、自分の存在を否定してます。だから、いっぱい甘やかせて自分のいていい理由をつくってあげてください」
「約束する」
マゼル様は手を取って、約束の誓いとキスをしてくれた。
ウェディングドレスに身を包む日が来るとは思わなかった。あの方の用意の周到さに失笑を禁じ得なかった。
あの方のこれからの未来を奪う事は、本来ならばあってはいけない事と理解していたが、正直嬉しかった。
困り顔のセシリア。
戸惑っている。
でも、マゼル様の気持ちを聞いて、腹を決めたようだった。
欲しかったよね。
でも、どうすればいいかわからなかったんだよね。
言ってあげて。『お父さん』ってー。
幸せだわ。
いつ死んでも、もう大丈夫。
安心できたからか、気が抜けた。
最期の時まで、マゼル様とセシリアはそばにいてくれた。
思い残すことはあと一つ。
セシリアに伝えたければー。
マゼル様と父にセシリアを頼んだ。
後はー。
「セシリア」
「・・・は、い・・・」
「ごめんなさいね。我儘な母親で。出来損ないの母親で」
こいこいと手招く。
近づいたセシリアの腕を引っ張ると、セシリアが胸に倒れ込んできた。
生まれた時の大変だった思いや、嬉しさが蘇る。ミルクの香りに包まれた小さな身体。
懐かしい。
わたくしは大きくなったセシリアを抱きしめた。
耳元で、囁く。
「生まれてきて、ありがとう・・・」
ありがとう。
「あなたに会えて後悔はないわ。セシリア」
「かあ、さん・・・?」
「・・・あしてるわ」
愛してるー。
最期に夢を見る。
マゼル様とわたくしが並ぶ姿。
『セシリア』と呼ぶと、小さな子供が『お父様、お母様』とかけてくる。
手を繋ぎ、わたくしたちは笑いながら家に帰る。
幸せに暮らす夢をー。
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