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38.ミシェル視点
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「やばいな」
お兄様がが呟く。
「思っていた以上にいかれている」
オルセイド兄様は眉間を押さえ険しい顔つきをしていた。
「やだっ!いい男性ばかり!」
レイチェルは興奮している。
シャルル様がものすごい嫌悪感をだしていた。
「所詮、庶子の子ね」
「何ですって!」
「あなたなにか勘違いしてない?身分制度も理解できてないなら庶民に戻りなさい」
「うるさいわね」
「黙るのはあなたよ」
シャルル様が私の横に立つ。
冷徹な眼差しに流石のレイチェルも黙ってしまう。
「私たちは身分に見合う恥ない生き方をしてきてるの。礼儀も勉学、見た目だけではなく中身も。夫になる方のために、恥にならないよう、女は女の戦いができるよう耳を澄まし
話術を巧みに使う。
あなたは何をしてきたというの?」
「あたしは・・・」
言い淀むレイチェル。
「薬に頼っただけでしょう」
「なんで・・・それを?」
「調べたからよ」
そう。シャルル様はレイチェルの実家にまで行ってくれたのだ。状況を見て、話を聞いてきてくれた。
「薬に頼らず、自分自身で磨けばよかったものを・・・」
彼女は真っ赤な顔をして下を向く。
「そうそう。丸薬を飲んでたようだけど、あの薬の本当の名前は『テンフェアール』っていうの。
依存性が高く、香は他人を酩酊状態にさせる。男性によく効き女性には効きにくいとせいがあるの。ちなみにこの国ではみんな耐性がついてるからあなたに振り向かなかったのは当然よ。あとあの薬には規制がかかっているから」
私はレイチェルに親切に教えてあげると、彼女は愕然としていた。
「確かにあの匂いは人を惹きつけるわ。だけど、それをきっかけに自分を磨けばもっと良いものになったでしょうね」
「・・・あんたに、何がわかるの?あんたたちお貴族様にあたしの何がわかるのよ!
夢見てもいいじゃない。そこら中にある小説のような、身分に関係ない恋愛を夢見たっていいでしょう!あの薬であたしは変わったの。欲しかったキラキラした生活が手に入ったのよ!それの何が悪いの!」
レイチェルは髪を振り乱し、衛兵に囚われている身体をゆすった。
「それは薬に頼っただけで、あなた自身で得たものじゃないでしょう」
「ちがうっ・・・」
「その薬のせいで、あなたは失ったものがあるのに気づいてないの?」
ふーふーと肩で息しているレイチェルに聞く。
「何を失ったと言うのよ?」
気づいていないのだろうか?
「あなたが欲したはずの家族」
「えっ?」
返答が意外だったのか、気の抜けた声をだした。
「あなたの帝国留学は薬の効果をなくすためよ。あなたは知らないでしょうけどあなたのお父上様とお兄様は中毒症状で廃人一歩手前までいったの。今はそれなりに回復しているようだけど、日常生活に戻るのはもう無理でしょうね」
これが、シャルル様が調べたことだ。
レイチェルの姉はあの薬のせいで自分の父親と兄が変わってしまったのだと気づいて、彼女から離そうとしたのだ。
きっと必死で調べたにちがいない。帝国ならあの薬の恐ろしさを理解してレイチェルの薬の効果が切れるのを願って留学させたのだろう・・・。
「嘘でしょう?」
キョトンとした眼差しで彼女は私たちを見てきた。
お兄様がが呟く。
「思っていた以上にいかれている」
オルセイド兄様は眉間を押さえ険しい顔つきをしていた。
「やだっ!いい男性ばかり!」
レイチェルは興奮している。
シャルル様がものすごい嫌悪感をだしていた。
「所詮、庶子の子ね」
「何ですって!」
「あなたなにか勘違いしてない?身分制度も理解できてないなら庶民に戻りなさい」
「うるさいわね」
「黙るのはあなたよ」
シャルル様が私の横に立つ。
冷徹な眼差しに流石のレイチェルも黙ってしまう。
「私たちは身分に見合う恥ない生き方をしてきてるの。礼儀も勉学、見た目だけではなく中身も。夫になる方のために、恥にならないよう、女は女の戦いができるよう耳を澄まし
話術を巧みに使う。
あなたは何をしてきたというの?」
「あたしは・・・」
言い淀むレイチェル。
「薬に頼っただけでしょう」
「なんで・・・それを?」
「調べたからよ」
そう。シャルル様はレイチェルの実家にまで行ってくれたのだ。状況を見て、話を聞いてきてくれた。
「薬に頼らず、自分自身で磨けばよかったものを・・・」
彼女は真っ赤な顔をして下を向く。
「そうそう。丸薬を飲んでたようだけど、あの薬の本当の名前は『テンフェアール』っていうの。
依存性が高く、香は他人を酩酊状態にさせる。男性によく効き女性には効きにくいとせいがあるの。ちなみにこの国ではみんな耐性がついてるからあなたに振り向かなかったのは当然よ。あとあの薬には規制がかかっているから」
私はレイチェルに親切に教えてあげると、彼女は愕然としていた。
「確かにあの匂いは人を惹きつけるわ。だけど、それをきっかけに自分を磨けばもっと良いものになったでしょうね」
「・・・あんたに、何がわかるの?あんたたちお貴族様にあたしの何がわかるのよ!
夢見てもいいじゃない。そこら中にある小説のような、身分に関係ない恋愛を夢見たっていいでしょう!あの薬であたしは変わったの。欲しかったキラキラした生活が手に入ったのよ!それの何が悪いの!」
レイチェルは髪を振り乱し、衛兵に囚われている身体をゆすった。
「それは薬に頼っただけで、あなた自身で得たものじゃないでしょう」
「ちがうっ・・・」
「その薬のせいで、あなたは失ったものがあるのに気づいてないの?」
ふーふーと肩で息しているレイチェルに聞く。
「何を失ったと言うのよ?」
気づいていないのだろうか?
「あなたが欲したはずの家族」
「えっ?」
返答が意外だったのか、気の抜けた声をだした。
「あなたの帝国留学は薬の効果をなくすためよ。あなたは知らないでしょうけどあなたのお父上様とお兄様は中毒症状で廃人一歩手前までいったの。今はそれなりに回復しているようだけど、日常生活に戻るのはもう無理でしょうね」
これが、シャルル様が調べたことだ。
レイチェルの姉はあの薬のせいで自分の父親と兄が変わってしまったのだと気づいて、彼女から離そうとしたのだ。
きっと必死で調べたにちがいない。帝国ならあの薬の恐ろしさを理解してレイチェルの薬の効果が切れるのを願って留学させたのだろう・・・。
「嘘でしょう?」
キョトンとした眼差しで彼女は私たちを見てきた。
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