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64.アーサー視点
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当日のノエルは可愛くて悶絶しそうになる。
「ノエル嬢。似合ってるね」
それ以上のいうことができない。いざという時に言葉が出ないなんて・・・。
「あ、ありがとう・・・ございます」
「荷物はそれだけ?」
「はい」
エマの屋敷に行くための荷物はトランクケースが二つ。それは、さっさと、馬車に積見込み、骨董市に向かう。
僕は楽しそうに声を上げるノエルに説明してゆく。
馬車停留所で降りたのち、探索を始めた。
「アーサー様、あれはなんですか?」
「ノエル嬢!はぐれる。急がなくても逃げないよ」
見るのが初めてなのだろうか、ノエルは気になる物を見つけると、フラフラといこうとするので慌ててしまう。
「気になるの」
キラキラと輝く装飾品。甘い匂いのスイーツや、屋台の食べ物。
それを見るたびに目が輝いている。口元が常ににやけて、締まりがない。
それさえ可愛い。
だが、僕を忘れてどこかに行こうとしているので思わず名前を呼んだ。
「ノエル!」
しまった・・・、つい。
と、それよりー。
僕は彼女の手を握る。このままではぐれてしまう。
「アーサー様?」
「迷子になる。人が多いし、眼鏡をかけてもこけるぞ」
手を繋ぐのは、恥ずかしいがあくまで「迷子にならないため」の行為だ。下心は、ない。
「安全な市とはいっても、中にはインチキな商売をしてるとこや人を下に見てくるところもあるんだ。舞い上がっていると変なのに引っかかるぞ。案内するからて・・・手を繋いどく」
ドキドキしているのが、手から伝わったらどうしようか・・・。
「古書が見たいんだろう。美味しい屋台も知っている。行くぞ」
「あ・・・、はいっ!」
振り払われない。
良かった・・・。
僕は少しほっとして、行きつけの古本屋へと向かった。
「ここは僕のお勧めのとこだよ。叔父さん受け売りだけどね」
本は机や絨毯に並べられている。色々な国の本が並んでたいるので、題名を見るだけでも楽しい。
ノエルの目はキラキラと輝いていた。
くふっ♥︎
なんだ?
ノエルの方から聞こえ、見てみる。
「ノエル嬢?」
「なんですか?」
聞こえたはずだが、気のせいか?
いや、妙に澄ました顔に思わず笑いが込み上げてきた。
やっぱりノエルの笑いか!
あんな笑い方をするんだ!しかも必死に取り繕っているし!!
「もぅ、アーサー様!笑わないで」
「ご、ごめん。そんなに気に入ってくれたのらよかった」
笑い方一つで彼女が楽しんでいるのがわかる。
「ありがとうございます」
お礼を言って、再び本を見る。
その視線を追った時・・・嘘だろ、見つけた!!
「『コルクタック戦記』だわ」
「『アルダリス国伝説2』だ!!」
二人で叫んでいた。
えっ?
それだけで、笑えてきた。
店主までもが話に入ってきて、花が咲く。横をゆく人たちが訝しげな眼差しを向けるのも気にならなかった。
「二人の知識に量に完敗だ!特別サービスするから、一冊ずつ好きな本を持っていきな。代わりに来年もオレの店にこいよ」
「はいっ!」
僕までいいのか!!
たくさんの本が買えてノエルはホクホク顔だ。だが、本を抱えて他の店を回るには邪魔になるので、一度馬車に本を置機に戻る。
それから、雑貨屋などを回った。
クレープを買ったものの、歩き食べに慣れていないため、広場の噴水のヘリに座って食べる。
クリームの中にフルーツが入っている。幸せそうなノエル。
「アーサー様、ノエル様もごきげんよう」
同じく骨董市にきていたクラスメイトもいく人か挨拶もしてくれたりもする。
こんなのもいいもんだなー。
いつもならエマに強制参加として連れ回されて面倒だと思っていたものだが、今回は楽しいと思った。
他人の幸せな顔を見るのもいい。
「楽しそうでよかった」
「アーサー様。付き合ってくださってありがとうございます」
「いや、僕もノエル嬢とこれたから、良かった」
「えっ・・・」
彼女は目を丸くする。
しかし、そんな彼女の顔が突如、凍りついたように表情を失う。
「ノエル嬢?」
「・・・・・・あっ」
ノエルの視線を追って振り返ると、一人の男が近づいてきていた。
「ノエル」
「・・・マルス、様・・・」
「やっと会えたね」
彼はにっこりと笑いかけてくる。
「会いたかったよ。ノエル」
こいつ・・・誰だ!?
「ノエル嬢。似合ってるね」
それ以上のいうことができない。いざという時に言葉が出ないなんて・・・。
「あ、ありがとう・・・ございます」
「荷物はそれだけ?」
「はい」
エマの屋敷に行くための荷物はトランクケースが二つ。それは、さっさと、馬車に積見込み、骨董市に向かう。
僕は楽しそうに声を上げるノエルに説明してゆく。
馬車停留所で降りたのち、探索を始めた。
「アーサー様、あれはなんですか?」
「ノエル嬢!はぐれる。急がなくても逃げないよ」
見るのが初めてなのだろうか、ノエルは気になる物を見つけると、フラフラといこうとするので慌ててしまう。
「気になるの」
キラキラと輝く装飾品。甘い匂いのスイーツや、屋台の食べ物。
それを見るたびに目が輝いている。口元が常ににやけて、締まりがない。
それさえ可愛い。
だが、僕を忘れてどこかに行こうとしているので思わず名前を呼んだ。
「ノエル!」
しまった・・・、つい。
と、それよりー。
僕は彼女の手を握る。このままではぐれてしまう。
「アーサー様?」
「迷子になる。人が多いし、眼鏡をかけてもこけるぞ」
手を繋ぐのは、恥ずかしいがあくまで「迷子にならないため」の行為だ。下心は、ない。
「安全な市とはいっても、中にはインチキな商売をしてるとこや人を下に見てくるところもあるんだ。舞い上がっていると変なのに引っかかるぞ。案内するからて・・・手を繋いどく」
ドキドキしているのが、手から伝わったらどうしようか・・・。
「古書が見たいんだろう。美味しい屋台も知っている。行くぞ」
「あ・・・、はいっ!」
振り払われない。
良かった・・・。
僕は少しほっとして、行きつけの古本屋へと向かった。
「ここは僕のお勧めのとこだよ。叔父さん受け売りだけどね」
本は机や絨毯に並べられている。色々な国の本が並んでたいるので、題名を見るだけでも楽しい。
ノエルの目はキラキラと輝いていた。
くふっ♥︎
なんだ?
ノエルの方から聞こえ、見てみる。
「ノエル嬢?」
「なんですか?」
聞こえたはずだが、気のせいか?
いや、妙に澄ました顔に思わず笑いが込み上げてきた。
やっぱりノエルの笑いか!
あんな笑い方をするんだ!しかも必死に取り繕っているし!!
「もぅ、アーサー様!笑わないで」
「ご、ごめん。そんなに気に入ってくれたのらよかった」
笑い方一つで彼女が楽しんでいるのがわかる。
「ありがとうございます」
お礼を言って、再び本を見る。
その視線を追った時・・・嘘だろ、見つけた!!
「『コルクタック戦記』だわ」
「『アルダリス国伝説2』だ!!」
二人で叫んでいた。
えっ?
それだけで、笑えてきた。
店主までもが話に入ってきて、花が咲く。横をゆく人たちが訝しげな眼差しを向けるのも気にならなかった。
「二人の知識に量に完敗だ!特別サービスするから、一冊ずつ好きな本を持っていきな。代わりに来年もオレの店にこいよ」
「はいっ!」
僕までいいのか!!
たくさんの本が買えてノエルはホクホク顔だ。だが、本を抱えて他の店を回るには邪魔になるので、一度馬車に本を置機に戻る。
それから、雑貨屋などを回った。
クレープを買ったものの、歩き食べに慣れていないため、広場の噴水のヘリに座って食べる。
クリームの中にフルーツが入っている。幸せそうなノエル。
「アーサー様、ノエル様もごきげんよう」
同じく骨董市にきていたクラスメイトもいく人か挨拶もしてくれたりもする。
こんなのもいいもんだなー。
いつもならエマに強制参加として連れ回されて面倒だと思っていたものだが、今回は楽しいと思った。
他人の幸せな顔を見るのもいい。
「楽しそうでよかった」
「アーサー様。付き合ってくださってありがとうございます」
「いや、僕もノエル嬢とこれたから、良かった」
「えっ・・・」
彼女は目を丸くする。
しかし、そんな彼女の顔が突如、凍りついたように表情を失う。
「ノエル嬢?」
「・・・・・・あっ」
ノエルの視線を追って振り返ると、一人の男が近づいてきていた。
「ノエル」
「・・・マルス、様・・・」
「やっと会えたね」
彼はにっこりと笑いかけてくる。
「会いたかったよ。ノエル」
こいつ・・・誰だ!?
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