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8.その後に・・・

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服を着替えて、紅茶を飲む。

「ごめんね。エルアドル嬢。時たま止めに入らないと暴走するだよ」

初めて王太子殿下とお話ししますが、穏やかな人です。

「お姉さまの暴走を止めるのは私たちでも無理ですもの」

リリアがため息をつかれます。
セレはドレスを着替え改善点を伝えに工房に行っているので本人抜きの明け透けに話しをしているみたいです。

「暴走したら、誰がとめるのですか?」

「セレの婚約者かな?」

「ご婚約されていますの?」

ビックリです。あのイケメン男装のセレ様に見合う人がいるのでしょうか?
想像がつきませんわ。

「いますのよ。隣国の方でアロン兄様のお友達よね」

「やつはセレを止められる。セレがベタ惚れしてるから、やつの前では借りてきた猫になる」

セレがベタ惚れ?まさか・・・。想像できない。
実のお兄様である、アルト様がおしゃるのですから、余程なのでしょう。
見てみたいわ。
ふふふっ。

「フィオナ嬢、変わったよね?」

殿下?
わたくし、変わりましたかしら?

「パーティーとかで何回か見たことあったけど、以前はもっと肩肘張ってる感じがしてたよ。今は程よい感じかな?」

「そう、・・・ですか?」

「そうですわ。口調も砕けたものになりましたし、笑顔が自然で、お可愛らしいですわ」

頬に手を当てる。

自然な笑顔。
砕けた口調。

そうね、以前の私ならしなかったわ。
淑女の仮面をつけて、にこやかに微笑んでいただけ・・・。

「わたくし・・・、」

涙が溢れます。
どうしてでしょう?
悲しくなんてないに。

「殿下、女の子を泣かさないでください」

「僕のせい?」

「「殿下のせいです」」

「ええっ?」

ふふふっ。
ここはとても心地いいわ。

「あっ、可愛い」

「「殿下」」

笑った。

戻ってきたセレが何事かと首を傾げたのはご愛嬌です。



そうそう、聞かなければ。

「セレ。君バラの最新巻の最後のくだり、この間話してたことよね」

ミッシェルの下着云々です。
セレはいたずらっ子なような顔をします。

「あの小説は・・・我が商会の印刷部門が出してます」

聞いてません。聞いてません!!

「セレ?!じゃあ、次はどうなるのです?」

立ち上がりつい、セレの胸元を掴みます。
はしたない事だと分かっています。
ですが、気になるのです。
周りがわたくしの様子にオロオロしてますが、かまいません。
周囲より、小説、です!!

「フィオナ様?!」
「フィオナ嬢!!」

殿下に止められるました。

「まだ、いえません。ただ、次はカエラの視点、になります」

カエラ?!

セレを離しポスっと座りました。

カミラか・・・。
婚約破棄された後よね、どうなるのかしら。
楽しみだわ。
ふふふっ

「フィオナ嬢?」

「セレ・・・」
「はい?」
「新刊が出たらすぐに持ってきて。本屋にメイドを向かわせる時間が惜しいわ」

「・・・はい」

有無は言わせませんわ。
確約とりましたからね!




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