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緊急招聘された御前会議には、王立研究所の気象・地形部門の研究者の姿が多数あった。成人している王族の一人として出席するグノシスは席につき、文官が彼の机に資料を置く。
確か彼は、ヘイリー公爵家の三男であるディール=ヘイリー。聞いた話ではリンカー騎士団に入っていたはずだが、と一瞬思考が逸れる。
「それではただいまより、報告をはじめます」
研究者の声が響き、すぐに意識をそちらへ向けた。配布された資料をご覧ください、の声に視線を落とし、資料を開く。
「つい先日、かなり大規模な火属性魔力による魔界形成反応を、王都近辺で観察いたしました。霊脈励起であると考えられますが、これは実に、クアルトゥス王国建国年以来のことです」
早口の研究者は、分厚い資料をめくる。
「こちらの地図に書かれている正円の範囲が、今回魔界形成の影響を受ける地域と推測されています。未だダンジョン発生は確認されていませんが、早ければ一週間後には形成が開始されるでしょう」
見れば小さな町がひとつ、すっぽり入るほどの大きさだ。王は眉を顰め、王太子であるダリアスは「これは……」と絶句する。研究者は、申し訳なさそうに眉を曇らせた。
「あくまで推測です。実際は、多少時期や範囲が前後する可能性はありますが……」
憶測で物を言うな! と誰かが野次を飛ばす。研究者はそれに怯んだが、王が片手でそれを制した。続けろ、と案に視線で促す。
研究者は咳払いをして、また紙をめくる。
「少なくとも、小さな町ひとつ分程度の広範囲が変異する可能性は、十二分にありえます」
途端、広い会議場にざわめきが満ちる。グノシスは手を挙げ、「火属性のダンジョンが、町をひとつ飲み込むというのか」と尋ねた。研究者は頷く。
「発生から三日、夜ごと霊脈は力を持ちます。夜中にダンジョンの範囲は広まり、町を飲み込むでしょう」
途端にしんと、水を打ったように場が静まり返る。
「解決方法は?」
グノシスはその中でいつものように足を組み、つまらなさそうに尋ねる。そのぅ、と研究者は額の汗をぬぐった。
「……歴代の勇者たちであっても、竜に致命傷を与えることはできませんでした。現在でも竜を完全に討伐するのは、ほぼ不可能かと」
それで? と、グノシスは続きを促す。傲岸不遜と評判の王子に睨まれ、研究者はカエルのようにひっくり返りそうになりながら続けた。
「ですので、今のところはある程度にまで弱め、隙を見て封印するというのが、最も確実な方法です」
「なんだ。簡単ではないか」
グノシスは平然と言う。ダリアスは王太子席で天井を眺め、第二王子は咎めるように顔を顰めたが、そんなことは知ったことではなかった。
「私が出る」
その言葉に、場は一気に騒然とした。王はグノシスを試すように見つめ、ダリアスは思案気に顎に手を当てている。グノシスはそちらの様子を窺うこともせず、研究者に尋ねた。
「私が与えうる最大の一撃は、過去の勇者らに劣るものか?」
「そ、そのようなことは……」
「事実を述べろ」
研究者は萎縮しながらも、「殿下は勇者と同等か、それ以上の魔力量でございます」と述べた。ですが、とも続ける。
「あくまで魔力量は、という観点の話です。殿下の熟練度、は……私たちの知らぬことでございまして……」
不敬すれすれの言葉だ。会場に一瞬、ひやりとした雰囲気が流れる。しかしグノシスは、鷹揚に頷いた。
「よかろう。努力する」
研究者はほっと息をついた。膝が笑ったのか震える彼に、第二王子が「彼に椅子を」と侍従に言いつけた。王太子の席でダリアスはそれに面白そうに目を細め、「私もその案に賛成だな」と同意する。
「グノシス。お前自身の務めを、果たすのだな?」
「二言などあるはずもなく」
その言葉に、ダリアスは満足げに笑った。それともう一つ、と、椅子に座った研究者が手を挙げた。
「みんな、あれを」
そして、隣の若い研究者たちに視線を送る。彼らは大きな紙を開き、会議場へと示した。それは、竜と人が描かれた、古い壁画の写しだった。
「これはキウラ地区、今回の形成反応の中心となっている場所にほど近い、教会の壁画です」
研究者は「ここにご注目ください」と、指をさす。そこには頭を下げる竜と、その鼻先に手を伸ばす人の姿が描かれていた。竜は赤く、人の足元には四本の枝が描かれている。
「これは火の大精霊である竜と、人の交流を示した図であると、壁画を所持する教会において言い伝えられています」
研究者は緊張のあまり脂汗をかき、額をぬぐった。もつれそうな舌を動かし、発表を続ける。
「人の足元にあるのは四大元素を表す四本の枝です。すなわち、この人物が、四大元素すべての魔力を使用することができるということを、暗示しているという見解が」
じろり、と会議場の視線すべてが研究者へと向けられる。そのプレッシャーに耐えながら、続けた。
「……人はそれぞれ、使用できる魔力属性の精霊の、祝福を受けるとされています。たいていの場合は一属性しか扱えず、それぞれの属性の精霊から、祝福を得るとされています」
誰も、彼の言葉を遮らない。自身を奮い立たせながら、その学者は続けた。
「四大属性すべてを扱える者はすなわち、すべての精霊の祝福を受けます。そうした人々を精霊のいとし子と呼ぶ地域が、まだ諸国にはございます」
グノシスの脳裏にフラエの姿がよぎった。それを瞬きで掻き消して、彼の言葉に耳を傾ける。彼は大きく息を吸い込み、やっと本題に入る。
「この壁画のように、四大元素すべてを操る『精霊のいとし子』であれば、精霊はその言葉に、耳を傾けるかもしれません」
ごくり、と生唾を飲み込む音が、部屋全体に響くようだ。
「殿下が戦わずとも、事を収められる可能性があると、我々は考えております」
グノシスの頭に、もう一度フラエが浮かんだ。向かい側に控えていたディール=ヘイリーがものすごい顔をしていたが、それを視界に入れもせずに「伝手はあるのか?」と尋ねる。
研究者は恭しく、「ひとり、ございます」と頭を下げた。
「王立グラナ研究所、生物部門、生体研究室所属の」
彼は乾いた唇を舐めて、ようやく名前を示す。
「フラエ=リンカー研究員は、全属性を操ります」
リンカーの姓に、静かな騒めきがその場を支配した。グノシスは頷き、王を見やる。そして進言のため、静かに手を挙げた。
「グノシス」
王は彼の名前を呼ぶ。グノシスは頷き、「恐れながら、提案がございます」と口を開く。
「私を中心に、攻略部隊を編成させてください。そして」
彼の瞳に強い光がある。グノシスは朗々と声を張った。
「攻略に際し、フラエ=リンカーの同行も求めます。打つ手は多い方がいいでしょう」
その一声に場が騒然とする。第二王子である次兄は呆れ、ディール=ヘイリーは顔色が悪くなっていたが、グノシスの知ったことではない。
王太子であるダリアスは、国王に向かって「いかがいたしますか」と問いかけた。聞く人が聞けば、彼が喜んでいることが分かっただろう。
「私としても、打つ手は多い方がよろしいかと」
王は、深く頷いた。そしてグノシスをじっと見つめ、「グノシス=サテュロス・クアルトゥス」と、三人目の息子を呼んだ。
「汝に、今代の勇者としての名誉を与える。汝には自らの信頼を置ける仲間を選ぶ権利があり、王国を守る責務を負う。何ものも汝に干渉できず、汝もまた政、王室へと干渉しない。心得よ」
グノシスは立ち上がり、国王の前へと歩み寄った。彼のゆったりとした靴音が、威風堂々と会議場に響いた。そして彼は王の御前で躊躇いなく膝をつき、王族としてではなく、臣下の礼を取る。一気に場が騒然としたが、王はわずかに目元を緩め、ダリアスは感慨深げにそれを見下ろした。
「ありがたき幸せ」
こうして、グノシスは勇者となった。王家に伝わる剣を持ち、貴金属の甲冑を身に着け、命を賭して冒険に挑む。
彼は基本的に人任せだ。誰にでもできることを、自分がやる必要はないと考えている。しかし誰にもできないことで、自分ができることがあれば、グノシスはそれに挑むだろう。
彼は誰よりも傲慢で、誰よりも自分の力を信じているから。
確か彼は、ヘイリー公爵家の三男であるディール=ヘイリー。聞いた話ではリンカー騎士団に入っていたはずだが、と一瞬思考が逸れる。
「それではただいまより、報告をはじめます」
研究者の声が響き、すぐに意識をそちらへ向けた。配布された資料をご覧ください、の声に視線を落とし、資料を開く。
「つい先日、かなり大規模な火属性魔力による魔界形成反応を、王都近辺で観察いたしました。霊脈励起であると考えられますが、これは実に、クアルトゥス王国建国年以来のことです」
早口の研究者は、分厚い資料をめくる。
「こちらの地図に書かれている正円の範囲が、今回魔界形成の影響を受ける地域と推測されています。未だダンジョン発生は確認されていませんが、早ければ一週間後には形成が開始されるでしょう」
見れば小さな町がひとつ、すっぽり入るほどの大きさだ。王は眉を顰め、王太子であるダリアスは「これは……」と絶句する。研究者は、申し訳なさそうに眉を曇らせた。
「あくまで推測です。実際は、多少時期や範囲が前後する可能性はありますが……」
憶測で物を言うな! と誰かが野次を飛ばす。研究者はそれに怯んだが、王が片手でそれを制した。続けろ、と案に視線で促す。
研究者は咳払いをして、また紙をめくる。
「少なくとも、小さな町ひとつ分程度の広範囲が変異する可能性は、十二分にありえます」
途端、広い会議場にざわめきが満ちる。グノシスは手を挙げ、「火属性のダンジョンが、町をひとつ飲み込むというのか」と尋ねた。研究者は頷く。
「発生から三日、夜ごと霊脈は力を持ちます。夜中にダンジョンの範囲は広まり、町を飲み込むでしょう」
途端にしんと、水を打ったように場が静まり返る。
「解決方法は?」
グノシスはその中でいつものように足を組み、つまらなさそうに尋ねる。そのぅ、と研究者は額の汗をぬぐった。
「……歴代の勇者たちであっても、竜に致命傷を与えることはできませんでした。現在でも竜を完全に討伐するのは、ほぼ不可能かと」
それで? と、グノシスは続きを促す。傲岸不遜と評判の王子に睨まれ、研究者はカエルのようにひっくり返りそうになりながら続けた。
「ですので、今のところはある程度にまで弱め、隙を見て封印するというのが、最も確実な方法です」
「なんだ。簡単ではないか」
グノシスは平然と言う。ダリアスは王太子席で天井を眺め、第二王子は咎めるように顔を顰めたが、そんなことは知ったことではなかった。
「私が出る」
その言葉に、場は一気に騒然とした。王はグノシスを試すように見つめ、ダリアスは思案気に顎に手を当てている。グノシスはそちらの様子を窺うこともせず、研究者に尋ねた。
「私が与えうる最大の一撃は、過去の勇者らに劣るものか?」
「そ、そのようなことは……」
「事実を述べろ」
研究者は萎縮しながらも、「殿下は勇者と同等か、それ以上の魔力量でございます」と述べた。ですが、とも続ける。
「あくまで魔力量は、という観点の話です。殿下の熟練度、は……私たちの知らぬことでございまして……」
不敬すれすれの言葉だ。会場に一瞬、ひやりとした雰囲気が流れる。しかしグノシスは、鷹揚に頷いた。
「よかろう。努力する」
研究者はほっと息をついた。膝が笑ったのか震える彼に、第二王子が「彼に椅子を」と侍従に言いつけた。王太子の席でダリアスはそれに面白そうに目を細め、「私もその案に賛成だな」と同意する。
「グノシス。お前自身の務めを、果たすのだな?」
「二言などあるはずもなく」
その言葉に、ダリアスは満足げに笑った。それともう一つ、と、椅子に座った研究者が手を挙げた。
「みんな、あれを」
そして、隣の若い研究者たちに視線を送る。彼らは大きな紙を開き、会議場へと示した。それは、竜と人が描かれた、古い壁画の写しだった。
「これはキウラ地区、今回の形成反応の中心となっている場所にほど近い、教会の壁画です」
研究者は「ここにご注目ください」と、指をさす。そこには頭を下げる竜と、その鼻先に手を伸ばす人の姿が描かれていた。竜は赤く、人の足元には四本の枝が描かれている。
「これは火の大精霊である竜と、人の交流を示した図であると、壁画を所持する教会において言い伝えられています」
研究者は緊張のあまり脂汗をかき、額をぬぐった。もつれそうな舌を動かし、発表を続ける。
「人の足元にあるのは四大元素を表す四本の枝です。すなわち、この人物が、四大元素すべての魔力を使用することができるということを、暗示しているという見解が」
じろり、と会議場の視線すべてが研究者へと向けられる。そのプレッシャーに耐えながら、続けた。
「……人はそれぞれ、使用できる魔力属性の精霊の、祝福を受けるとされています。たいていの場合は一属性しか扱えず、それぞれの属性の精霊から、祝福を得るとされています」
誰も、彼の言葉を遮らない。自身を奮い立たせながら、その学者は続けた。
「四大属性すべてを扱える者はすなわち、すべての精霊の祝福を受けます。そうした人々を精霊のいとし子と呼ぶ地域が、まだ諸国にはございます」
グノシスの脳裏にフラエの姿がよぎった。それを瞬きで掻き消して、彼の言葉に耳を傾ける。彼は大きく息を吸い込み、やっと本題に入る。
「この壁画のように、四大元素すべてを操る『精霊のいとし子』であれば、精霊はその言葉に、耳を傾けるかもしれません」
ごくり、と生唾を飲み込む音が、部屋全体に響くようだ。
「殿下が戦わずとも、事を収められる可能性があると、我々は考えております」
グノシスの頭に、もう一度フラエが浮かんだ。向かい側に控えていたディール=ヘイリーがものすごい顔をしていたが、それを視界に入れもせずに「伝手はあるのか?」と尋ねる。
研究者は恭しく、「ひとり、ございます」と頭を下げた。
「王立グラナ研究所、生物部門、生体研究室所属の」
彼は乾いた唇を舐めて、ようやく名前を示す。
「フラエ=リンカー研究員は、全属性を操ります」
リンカーの姓に、静かな騒めきがその場を支配した。グノシスは頷き、王を見やる。そして進言のため、静かに手を挙げた。
「グノシス」
王は彼の名前を呼ぶ。グノシスは頷き、「恐れながら、提案がございます」と口を開く。
「私を中心に、攻略部隊を編成させてください。そして」
彼の瞳に強い光がある。グノシスは朗々と声を張った。
「攻略に際し、フラエ=リンカーの同行も求めます。打つ手は多い方がいいでしょう」
その一声に場が騒然とする。第二王子である次兄は呆れ、ディール=ヘイリーは顔色が悪くなっていたが、グノシスの知ったことではない。
王太子であるダリアスは、国王に向かって「いかがいたしますか」と問いかけた。聞く人が聞けば、彼が喜んでいることが分かっただろう。
「私としても、打つ手は多い方がよろしいかと」
王は、深く頷いた。そしてグノシスをじっと見つめ、「グノシス=サテュロス・クアルトゥス」と、三人目の息子を呼んだ。
「汝に、今代の勇者としての名誉を与える。汝には自らの信頼を置ける仲間を選ぶ権利があり、王国を守る責務を負う。何ものも汝に干渉できず、汝もまた政、王室へと干渉しない。心得よ」
グノシスは立ち上がり、国王の前へと歩み寄った。彼のゆったりとした靴音が、威風堂々と会議場に響いた。そして彼は王の御前で躊躇いなく膝をつき、王族としてではなく、臣下の礼を取る。一気に場が騒然としたが、王はわずかに目元を緩め、ダリアスは感慨深げにそれを見下ろした。
「ありがたき幸せ」
こうして、グノシスは勇者となった。王家に伝わる剣を持ち、貴金属の甲冑を身に着け、命を賭して冒険に挑む。
彼は基本的に人任せだ。誰にでもできることを、自分がやる必要はないと考えている。しかし誰にもできないことで、自分ができることがあれば、グノシスはそれに挑むだろう。
彼は誰よりも傲慢で、誰よりも自分の力を信じているから。
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