【完結】農民オメガ、領主の跡取りアルファに見初められるけど畑の方が心配

鳥羽ミワ

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26 「悪い子だ」※

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 俺とルイ様の唇がくっつく。手がお互いの身体にすがって、二人してシーツに倒れ込んだ。俺はルイ様にするすると服を脱がされて、裸を晒す。ルイ様も服を脱いで、俺に覆い被さった。
 お互いに裸になってキスをすると、一気に気分がやらしくなってくる。俺は自分から舌を差し出して、ルイ様に吸ってもらった。ルイ様も俺の胸をいじって、気持ちよくさせてくれる。

「あふ、あう」

 俺のお尻がゆらゆら揺れる。ルイ様はそこの肉を揉んだ。その手つきのいやらしさったらない。
 思わずくすくす笑うと、「何がおかしいんだ?」と耳を食べられた。そのままくちゅくちゅと舌で耳たぶをいじられて、あんあん喘ぐことしかできなくなる。
 耳だけでこんなのになっちゃうだなんて、知らなかった。俺はすっかりとろとろになって、ルイ様にしがみついた。
 だんだん呼吸があがってくる。はっはっはっと犬みたいに息をすると、「かわいい」と額にキスされた。そこからキスの雨が降り注ぐ。顔、首、鎖骨、胸。乳首を口に含まれて、俺は腰をくねらせた。
 吸われて、噛まれて、舐められて。熱い吐息がかかるのにすら感じてしまう。
 それになんだか、赤ちゃんみたいでかわいい。うっとりとつむじを見下ろしていると、頭を撫でたくなってきた。よしよしと手を伸ばすと、「なんだ」と上目遣いににらまれた。俺は思わず笑ってしまう。

「いえ。かわいいな、と思って」
「なんだと? かわいいのはどっちだ」

 ルイ様は笑って、空いているもう片方の乳首をつねった。俺はあっけなく腰砕けになって、へにゃへにゃとルイ様に抱きつく。
 俺の身体はころりとうつ伏せに転がされた。お尻の肉をまた揉まれる。

「随分と、肉付きがよくなってきたな……」
「すけべ」

 俺の罵りに、ルイ様は「すまない」と首筋にキスをした。俺は鼻を鳴らして、「許します」といばりちらした。
 ルイ様の手が俺の身体をまさぐるごとに、俺はくらくらして、身体の感覚へ夢中になる。
 俺の体温はどんどん上がっていく。ルイ様の蜂蜜酒みたいな香りも、どんどん強くなってきた。部屋が蒸し暑い。とっくに裸なのに、もう秋だっていうのに、どんどん汗が噴き出してくる。

「発情期が来そうなのか?」

 ルイ様の言葉に、すとんと納得がいった。
 そうだ。俺の身体は、発情したがっている。俺は身も心も、ルイ様と番になりたがっているんだ。
 身体が先なのか心が先かは分からないけれど、俺はちゃんと、ルイ様のことが好きなんだ。愛しているんだ。

「っあ、ああ……!」

 分かった。その途端に、全身にばちんと稲妻が走るみたいだった。
 身体はますます熱くなって、俺はびくびく震える。お尻の辺りには、濡れた感触すらあった。

「はつじょ、はつじょーき、きました」

 息も絶え絶えに報告すると、ルイ様は少しだけ顔を歪めた。それが寂しくてたまらない。
 俺はルイ様にしがみついて、鼻を鳴らした。

「番に、してください……」

 おねがい、と頬擦りをする。俺はこんなに必死だっていうのに、ルイ様は冷たく「だめだ」って言った。

「なんで……」
「順番を前後させたくない」
「も、もお、俺のここ……こんなんなのに……」

 お尻に手を伸ばして、もう繋がるための場所になった穴に指を伸ばす。つぷつぷと指の頭を出し入れすると、それだけで気持ちよかった。

「ん、ふ……」

 うっかり一人でとろけていると、ルイ様の身体が離れた。仰向けの体勢で布切れを首に巻かれて、俺は「やーっ」と叫んだ。

「なんで! エーミールは、もう、番にしてもらったのに……」
「マニュエルの馬鹿と、俺を一緒にするな」

 ずるい。俺はバタ足でシーツを叩いて、「やだやだ」と駄々をこねた。もちろんそんなのを聞くルイ様じゃない。俺の顎下でちょうちょ結びにして、「かわいいぞ」と囁いた。

「番になるのは、結婚してからだ」
「やだ! まてない……」
「我慢しろ」

 ルイ様は笑いながらそう言って、俺にキスをした。俺もしぶしぶ分かったふりをして、キスに応える。その隙に、そっと首元の布を外そうとした。

「悪い子だ」

 俺の悪巧みは、すぐルイ様に見つかってしまった。俺は両手をルイ様に繋がれて、一晩中責め立てられて、あんあん鳴く羽目になった。
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