ポーション屋、ダンジョンで発情した期待の新人の責任を取る

鳥羽ミワ

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「わ……濡れてる……」

 ファルカのちいさな手がそこを撫でると、びくんと大きくたくましい腰が跳ねる。
 余裕のない息遣いでファルカの首筋へ懐き、においを嗅いだ。

「あー……」

 低い声で呟いて、勃起したものをファルカへ押し付ける。その感触に、ファルカもかっと身体が熱くなった。太腿でそこを押し潰すようにすると、細い腰を掴まれる。

「もっと、こっち」

 執拗に、ゴートの手が、ファルカの股間の中心を撫でた。ズボンの縫い目に沿って、何度も何度も優しい手つきでそこをなぞる。ファルカの腰の奥からぞくぞくと興奮が這い上がって、「ひう」と情けない声が漏れる。

「も、いいよ……ぼくは、いい、でしょ」
「いやなのか?」

 熱い吐息が耳を掠めて、ファルカも腰がぴんと跳ねた。ファルカのそこも硬くなって、ズボンを押し上げている。

「い、いや、じゃ、ない……」

 すすり泣くように白状した。ゴートは「よかった」と囁いて、ファルカのベルトを外そうとする。その荒っぽい手つきに、なんでか泣きそうになった。

(ほ、ほんとに、僕で興奮してくれてる……?)

 どきどきと胸が高鳴って、身体を洗っていないだとか、屋外だとか、そんなことがだんだんどうでもよくなってくる。
 またキスされる。ファルカは息も絶え絶えになりながら、「ねえ」と声をあげた。
 自分はよくても、ゴートはよくない。

「ここ、そと、だよ……せめて、テント、建てようよ……」

 ファルカの言葉で、ゴートが動きを止める。彼は無言で、恨めしそうにファルカを見上げた。
 えっと、その、と口ごもる。

「つ、連れ込み宿……?」

 えへ、と笑うと、ゴートは手早く衣服を整えた。ファルカの衣服も整えて、なんとか見られるくらいの格好にする。
 そして馬鹿力でファルカを持ち上げて、一気に走り出した。

「えっ……!?」

 あれよあれよと街へ出て、気づけば薄汚れた連れ込み宿へと来ていた。男の冒険者なら、一度は先輩からふざけて連れてこられる場所だ。
 ゴートは、ベッドへファルカを放り投げるようにして寝かせた。衣服を散らかすように脱いで、ファルカを睨む。ファルカの薄い胸を、心臓が限界まで叩いていた。
 ファルカは、シャツのボタンへ手をかける。自分の意志で、もつれる指で、ボタンを外していった。もどかしく唇を噛むと、先に服を脱いでいたゴートが、ファルカの襟へ手をかける。

「はやく」

 ぱつん、と布を引っ張られた。ファルカは上目遣いにゴートを見上げて、おねだりをする。

「ぬがせて」

 ゴートの手の甲に、青筋が浮かんだ。次の瞬間には、ぱつんと糸の弾ける音がして、ボタンが飛ぶ。ファルカの腕をシャツから強引に抜いて、ゴートは彼をベッドへ押し倒した。

「ファルカ」

 なのに、触れる唇は優しかった。ついばむようなキスはどんどん深くなって、舌をつたなく押し付け合う。
 ふー、ふー、と荒い呼吸を繰り返すファルカに、ゴートがふっと笑った。

「かわいい」

 きゅう、と内腿をすり合わせた。ファルカがそっぽを向くと、首の太い血管の上を、べろりと熱い舌が這う。

「ひう……」

 情けない声をあげるファルカに追い打ちをかけるように、「おいしい」とゴートが呟いた。恥ずかしくなって縮こまるファルカの身体を、ゴートが無理に開く。

「かわいい。食べたい」
「え、ええ」

 ころりと身体を転がされる。大きな手が腰のあたりをまさぐって、股間を指がなぞった。

「あ、あ」

 勃起していることを知られた。あまりの恥ずかしさに涙を浮かべると、頬につたったそれをゴートが舐める。

「こっちの経験は?」

 耳の奥で、ごうごうと音がするくらい、どっと全身に血が巡った。
 は、は、と犬のように浅い呼吸を繰り返すファルカを見て、ゴートが喉を鳴らす。

「あるのか? ないのか?」

 ファルカはかろうじて首を横に振る。それを見て、ゴートは満足げに目を細めた。

「そうか。よかった」

 またキスがはじまる。唾液を流し込まれると、こちらにまで淫靡な毒が回るようだった。
 くらくらしながら逞しい身体へしがみつく。ズボンを引き抜かれて、下半身も裸にされた。
 後ろに指が這って、冷たい何かを流し込まれる。

「な、なに?」
「これ、見たことないか?」

 なめした皮の袋を差し出される。首を横に振ると、「そうか」とゴートはほっとしたように笑った。

「洗浄液だ」

 あーっ、と、ファルカは声をあげてしまった。全身が熱く火照って、身体の奥がきゅうと縮こまる。
 知識だけはあるし、製法も知っていた。だけど実物を見るのは、初めてだった。

「ほんとに、できる……?」
「できる」

 優しく断言しながら、ファルカの局部をまさぐる手は熱かった。何度も後孔のふちをなぞって、つぷつぷと指の頭が出入りする。

「はじめてなんだな」

 改めて言われると、気持ちよさや嬉しさより、恥ずかしさが勝った。そっぽを向くと、「ごめんな」とゴートが謝る。

「いいにおいだ」

 その割に好き勝手するな、とファルカは思った。そして、それが嬉しいとも思う。
 ゴートの右手が後ろをいじり、空いた左手が身体をまさぐる。抱きしめられて、熱く火照る身体を寄せ合った。それだけで興奮しすぎて、どうにかなりそうだ。

「あう、うう、ぁあ……」

 逞しい太腿へ勃起したそこを押し付ける。腰の中心を合わせて、ゴートが二人のものを一緒に握った。

「ファルカ。手は、こっち」

 首筋へ懐くように、額を押し付けられた。おそるおそる頭を抱きかかえると、鎖骨をぺろりと舐められる。

「ああっ」

 驚いて、声が出た。同時に、得体の知れない衝動が、腰の奥から駆け上がってくる。

「あ、あ、あ」

 ぬち、と下半身からねばついた水音が立った。それが前なのか後ろなのか分からないまま、ファルカはゴートに翻弄された。
 大きな陰茎がファルカのちいさなそれを潰すように押し付けられて、初めての後ろは太い指でどんどん暴かれる。未知の快楽は、目の前にいるゴートによって、どんどん身体へとなじんでいった。

「あ、あ、きもち、い」
「うん。そうしてるから……」

 ゴートは首筋へ吸い付いて、軽く歯を立てる。またファルカの身体が跳ねた。金髪がさらさらと鎖骨を撫でて、唇はどんどん舌へ下がっていく。胸の尖りに舌が伸ばされ、軽く弾かれた。

「やんっ」

 くん、と跳ねた細い腰を、大きな手が押さえつける。そして右手が、どんどんファルカの奥へと入っていった。誰も入ったことのない媚肉を、ゴートの指が丁寧に暴いていく。
 こんなときでもゴートは優しいのか、とファルカは感激した。
 正義感が強くて、まっすぐで、心配性な彼。そんな彼と、一時の衝動のままとはいえ、繋がれるのだ。

「うれ、し……うれしい……」

 ゴートの背中を引き寄せて、ぎゅうと抱き着く。自ら股を開いて、ゴートの身体を抱き込んだ。
 一瞬、ゴートの動きが止まる。やらかしたか、と固まるファルカをよそに、きゅうと乳首を強くつままれた。

「ひゃっ」

 びくんと跳ねるファルカの上で、ゴートが息を荒げる。

「煽るな」

 低く唸った。ファルカの唇へ噛みついて、奥を暴き立てる指がぐちゃぐちゃと胎内をかき混ぜる。その淫らではしたない水音が、自分の下半身から立っていることが、信じられなかった。

「なあ、ファルカ。いいか? はいるぞ」
「は、ぁっ……ああ、あ」

 頷きたいのに、身体が言うことを聞かない。ひくひくと内腿を震えさせるだけのファルカを前に、ゴートはじっとりと湿った掌で、下腹部を撫でた。

「返事は、聞かなくてもよさそうだ」

 次の瞬間、後ろへ硬くて熱いものがあたる。思わず「あ」と声をあげたファルカに、ゴートが笑った。

「かわいい」

 ずん、と身体が押し上げられる。いや、胎内にゴートのものが押し入ってきて、臓器が押し上げられたのだ。
 どんどん、熱くて大きなものが、はいってくる。何度か腰を引いて、またもう少し入って、ファルカの身体が押し広げられていく。

「あ、あっ」

 はくはくと口を開けるファルカを宥めるように、大きな手のひらが脇腹を撫でた。それにすら感じてしまって、身体が跳ねる。
 全身のあちこちで、ぱちぱちと快楽が弾けるみたいだった。身体がふわふわと浮かぶようでいて、下腹部はずんと重苦しい。
 こんな状況なのに、ファルカのものはしっかりと勃起していた。愛液のように先走りを垂らす亀頭を、ゴートの指の腹が撫でる。

「かわいい」

 さっきから、それしか言っていない。ファルカがぽうっと彼を見上げていると、逞しい腰がゆっくりと前後する。それにつられて、肉筒もきゅうと伸縮した。

「う、うう」

 異物感と、気持ちよさ。頭をぐちゃぐちゃにかき混ぜられるほどの刺激に、腰が揺れてしまう。

「ファルカ……」

 ちゅ、と唇をついばまれて、ファルカはうっとりと目を細めた。脚も絡めて、完全に抱き着く形になる。
 腰を持ち上げて押し付けた。それに応じるようにして、ゴートが腰を引く。
 そして、またはいってくる。

 ゆっくりと始まった律動に、ファルカは情けなく喘ぐことしかできなかった。全身が火照って、じんわりと汗で湿っていくのが分かる。ゴートの身体もどんどん熱くなって、身体の間が体温で蒸れていった。
 ファルカはゴートの首筋へ顔を埋めて、必死で呼吸を繰り返す。彼の身体のにおいを嗅ぐと、なんでか力が抜けて、甘えたくなってしまう。

「も、もっと」

 思い切っておねだりをすれば、ずっと大きな見返りがあった。腹の奥を大きなもので突かれ、こねられて、あんあんと甲高い声を漏らす。その声を食べるように、またゴートが唇へ噛みついた。
 舌を絡ませ合いながら、下半身も淫らに繋がっている。信じられないくらい興奮しあっていて、とてつもなくはしたないことをしていた。
 現実とは思えなくて、不安で、必死でゴートへしがみつく。

「ん、んう……もっ、と、もっと、すき……すき」

 か細い声で誘うと、腰が持ち上げられた。身体を二つ折りにされて、腰を真上から打ち付けられた。

「あ、っああ!」

 悲鳴を上げるファルカに構わず、ゴートは何度も腰を打ち付ける。押し潰すような律動に耐えかねて声をあげれば、その呼吸すら奪うように唇が合わさった。

(きす、きもちよすぎる……)

 酸欠の頭が、どんどん快楽でとろけていく。はふはふと荒い呼吸を繰り返しながら、必死で舌を絡めた。

(はじめてが、こんなんで……もう、他の人となんか、できないよぉ……)

 悲しくないはずなのに、涙がぼろぼろとあふれてきた。ゴートは「泣くな」と低く囁いて、優しく頭を撫でた。

「いたい?」
「ううん……」

 きもちいい、と囁くと、また繋がりが深くなった。とうとう言葉も出せなくなって、悲鳴をあげるファルカに、「ごめん」とゴートが囁く。

「ごめんな」

 そして、ゴートが達するための動きがはじまった。ごつごつと腹の奥の肉をえぐられて、気持ちよさを脳髄へと叩き込まれる。悲鳴を上げるファルカに、「かわいい」と何度も、何度も、ゴートは言った。

「かわいい、食う……でも、食ったらなくなるのか。あー、かわいい」
「あんっ、んっんっ、やぁ……」

 食べないでほしい。優しくして。そんなおねだりもできずに、ファルカは泣きじゃくった。この行為が終わらなければいいのにとすら思った。
 ファルカのものはどんどん張り詰めて、二人の身体の間で先走りを垂らしていた。ぴたぴたと揺れて二人の腹を打ち、肌をねっとりと汚している。
 ゴートのものが、大きく、熱く脈打ちはじめた。終わりが近いことを本能的に悟って、ファルカは必死で脚でしがみついた。奥へ奥へ誘うように引き寄せて、くう、と腰を反らせる。

「お、おく、だして」

 せめて一番奥で、身体のまんなかで、彼を感じたかった。
 奥には肉の壁があって、そこをゴートのものが何度も叩いている。ふーっ、ふーっ、と獣のような息を吐いて、ゴートはファルカを抱きしめた。
 そして無言で腰を引き、強く打ち付ける。ごりっと奇妙な音が、腹の奥で鳴った。
 次の瞬間、ファルカの身体は、ぴんと反っていた。

「はぇ」

 何かを感じることもなく、ただファルカは絶頂していた。股間のものは白濁したものをまき散らし、胎内はきゅんきゅんと収縮する。下腹部は波打つように凹み、内腿はわななきながらゴートの身体を挟んだ。
 ぐう、と喉を鳴らしたゴートの腰が、さらに奥へと沈む。悲鳴をあげるファルカの最奥に、熱い飛沫が当たった。そしてファルカは、彼の絶頂を判断できるほどの、理性が残っていなかった。

「はぁ……ん……」

 すっかりとろけたファルカは、脱力してベッドへ横たわり、びくびくと腰を跳ね上げていた。つま先はきゅうと丸まって、ぷらぷらと揺れている。
 ゴートはゆっくり身体を起こして、ナカから自らを抜いた。
 ファルカはうっとりとそれを見つめて、あん、とまた小さく喘ぐ。

「も、……むりぃ」

 鼻を鳴らすと、ゴートは笑った。

「いいよ。寝てろ」

 その言葉に甘えて、ファルカは目を閉じた。
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