10 / 35
10. 蔑み
しおりを挟む
その後の調査は、粛々と進められた。
ゲスナーは念入りに地質や地形を調査した。木こりのどちらかを呼びつけては質問をし、呪文を唱えて魔力を走らせる。
エリックも、黙々と調査を続けた。分からないことがあれば、オットーかハンネスを呼んで尋ねる。
調査が終わる頃には、日はだいぶ傾いていた。木漏れ日も暖色を帯びて、あたり一帯が幻想的な雰囲気に包まれる。
オットーが当たりを見渡して、声を張った。
「日が暮れる。そろそろ山を下りないと危険だ」
その言葉に、ゲスナーは「そうか」と一息ついた。エリックは重たい身体を引き上げるように、大きくのびをする。ハンネスが、その顔をひょいと覗き込んだ。
「センセ。歩けそ?」
「はい。大丈夫です」
杖を掲げて呪文を唱える。身体強化魔術を使うエリックを、「今更か」とゲスナーが嘲笑った。エリックはそれをにらみつける。
ハンネスは二人の争いに触れず、「行こうよ」と帰りを促した。オットーは、ずっと黙り込んでいる。
一行は山を下りて、麓へと戻った。騎士団本部へと戻ると、ヘンケルが出迎えた。
エリックの身体強化魔術の効果は、まだ保たれている。ゲスナーは魔術の効果が切れ始めたのか、やや呼吸が荒く、脚を引きずるようにして歩いていた。
「ご苦労だった。ゲスナー、後ほど報告書をまとめてレオポルト殿下へ提出しろ」
そしてエリックへ目をやり、口を引き結んだ。
「クレーバー。お前は、殿下がお呼びだ。後で案内するから、そこで待っていろ」
ヘンケルはオットーとハンネスへ歩み寄ると、懐から麻袋を取り出した。ずっしりと重たそうなそれを、オットーが迷いなく受け取る。
今日の報酬、という言葉が聞こえた。ゲスナーは「お前も貰ってきたらどうだ?」とエリックを蔑んだ目で見て笑った。
「貰わないよ。僕はここの日雇いじゃないからね」
しれっと言うと、ゲスナーは顔をしかめた。吐き捨てるようにエリックを罵る。
「研究成果を盗んだ恥さらしだというのに、よくここまで図々しくなれるものだな。田舎者の血のなせるわざか?」
言い返すのも馬鹿馬鹿しくなって、エリックは半目でゲスナーをにらむ。
それでも一応言い返しておこうと、杖で地面を突いた。
「逆だね。僕の研究成果を、上が盗んだんだ。きみたちこそ、自分の能力を思い上がりすぎなんじゃない? それとも、田舎者はこんなのできるわけないって、本気で思ってる?」
ゲスナーはたっぷりと軽蔑を含んだ目つきで、エリックを見下ろした。
「ああ、そうだ。正直に言えば、前々からおかしいと思っていたんだよ。どうして田舎出身のろくな教育も受けていないきみが、教養のある私たちより、分不相応な成果を挙げられているのかと」
エリックの顔が、盛大に引きつる。うわ、と声に出して、エリックは首をすくめた。
「だから僕は、研究成果を盗んだんだろうってこと? それ、本気で言ってる?」
「なんだ。負け惜しみか?」
嘲るような笑みに、首を横に振った。
「違うよ。きみがあまりにも見当違いなことを言うから、呆れているんだよ」
ふう、とため息をついて、頭をかく。
この国では、血統主義が根強い。王侯貴族は――特に、王家に近い者たちは――地方出身者や平民を見下しがちだ。エリックは地方出身かつ、領主とはいえ家格も低い。だからこうした差別的な眼差しには、慣れていた。
慣れているからといって、傷つかないわけでもないのだが。
「なに。教養があって血統的にも優れているきみが成果を挙げられなくて、そうじゃない僕が成果を挙げているのがおかしいって話? 正気?」
「そうだ。正気でないのは、お前だろう」
大真面目に頷く彼を、エリックはまじまじと見つめた。
いっそ、哀れだとすら思う。
「たしかに生まれ付いた環境で、どれだけ教育の機会に恵まれるかは、変わってくるよ。でも、恵まれない生まれの人や、教育を受けられなかった人たちが『劣っている』っていうのは、違うだろ」
吐き捨てるように反論する。攻撃的な発言に、ゲスナーはむっと顔をしかめ、苦々しく口元を歪めた。
しかしそれ以上は反論もせず、鼻を鳴らして立ち去った。エリックを打ち負かすのを、今日のところは諦めたのだろう。
エリックはその背中を、じっとにらんでいた。しばらく経って、「クレーバー」と名前を呼ばれる。ヘンケルだ。
「案内する。ついてこい」
ヘンケルはエリックの返事を待たずに、さっさと歩き出す。エリックは、慌てて彼の後ろについていった。
大柄な彼の歩幅は広い。さらに速足で歩かれると、小柄なエリックではついていくのも大変だ。
「ちょっと、待って、ください」
身体強化魔術の効果は切れ始めていた。息が切れる。ヘンケルはぴたりと立ち止まって、エリックに視線を向けた。
「ここだ」
どうやら、レオポルトの待つ部屋へ着いたらしい。へとへとになったエリックが呼吸を整えている間に、ヘンケルが扉をノックする。
「殿下。クレーバーを連れてきました」
部屋の中から「入れ」と許可が出る。ヘンケルは扉を開けて、エリックを振り返った。エリックはなんとか呼吸を整えて、部屋へと入る。
「失礼します」
その部屋は、書斎のようだった。部屋の奥にはどっしりとした書斎机が置かれており、壁には本棚が置かれている。机の向こうには、二人掛けのソファが置かれていた。
レオポルトは、机で書き物をしていたらしい。ペンを置いて、エリックへにこやかな笑みを向けた。
扉は閉じられ、二人きりになる。身体強化魔術は、どんどん効果を失ってきていた。エリックはふっと息を吐いた。重たい身体を引きずって、レオポルトのもとへ歩く。
「つらそうだな」
レオポルトはひょいと眉をひそめて、立ち上がった。エリックの手を取って、ソファへと座らせる。
「視察はどうだった?」
その言葉に、エリックは懐から地図を取り出す。今日いちにちで散々開いては閉じて、書き込んで、すっかりくたびれていた。
「通信水晶を設置すべきポイントは、確認することができました。設計書自体は出来上がっているので、次は具体的な施工方法の問題です」
「そうか。私の愛人殿は、やるべきことをやっているようで、何よりだ」
からかうような口調で言って、レオポルトはエリックの前髪を払った。汗をかいているせいで、額に貼り付いている。その手つきの優しさに、エリックはうっとりと目を細めた。
すぐに我に返って、あたふたと続ける。
「で、でも、それは相手も同じことです。あっちだって、ちゃんと仕事をやっています。だからこそ、これからどうやってあの人たちを出し抜けばいいのか……分からなくて……」
そして発言の幼稚さに情けなくなって、うつむいた。無力さにうちひしがれる。
レオポルトは「そうか」と頷いて、隣に座った。
「それについては心配するな。私が上手くやっておく」
「うーん……」
うなるエリックに、レオポルトが少し身体を寄せた。からかうような声色で言う。
「不安でもあるのか? 私がついているというのに」
「というより、僕が何もできなくて、不甲斐ないんです」
うつむくと、レオポルトは黙ってエリックを見つめた。
エリックがちらりと見上げると、彼は取ってつけたような笑みを浮かべる。
「お前は十分やってくれている。任せた仕事をやってくれさえすれば、後は私がどうにでもするさ」
「そうですか?」
いまいち納得がいかない。エリックは「そうですか」と繰り返して、うつむいた。
そうだぞ、とレオポルトが頷く。
「私は、お前の魔術を見込んでいる。お前が実力を尽くすために、私を利用してやる、くらいの気持ちでいてくれ」
エリックの心臓が跳ねる。膝を擦り合わせて、拳を握りしめた。
レオポルトにそこまで言われると、くすぐったい気持ちになる。
「あなたがそう言うなら、そうなんでしょうけど……でも……」
ぐらぐら頭が揺れる。まぶたがとろんと重たくなってきた。いよいよ身体強化魔術の代償が、本格的に来たようだ。
レオポルトは、エリックの肩を抱く。そして自分の胸元へと引き寄せた。
「眠いのか? 寝るといい」
エリックは「きたないですよ」と返事をしようとしたが、舌がもつれる。
そしてそのまま視界が暗くなり、意識を失った。
ゲスナーは念入りに地質や地形を調査した。木こりのどちらかを呼びつけては質問をし、呪文を唱えて魔力を走らせる。
エリックも、黙々と調査を続けた。分からないことがあれば、オットーかハンネスを呼んで尋ねる。
調査が終わる頃には、日はだいぶ傾いていた。木漏れ日も暖色を帯びて、あたり一帯が幻想的な雰囲気に包まれる。
オットーが当たりを見渡して、声を張った。
「日が暮れる。そろそろ山を下りないと危険だ」
その言葉に、ゲスナーは「そうか」と一息ついた。エリックは重たい身体を引き上げるように、大きくのびをする。ハンネスが、その顔をひょいと覗き込んだ。
「センセ。歩けそ?」
「はい。大丈夫です」
杖を掲げて呪文を唱える。身体強化魔術を使うエリックを、「今更か」とゲスナーが嘲笑った。エリックはそれをにらみつける。
ハンネスは二人の争いに触れず、「行こうよ」と帰りを促した。オットーは、ずっと黙り込んでいる。
一行は山を下りて、麓へと戻った。騎士団本部へと戻ると、ヘンケルが出迎えた。
エリックの身体強化魔術の効果は、まだ保たれている。ゲスナーは魔術の効果が切れ始めたのか、やや呼吸が荒く、脚を引きずるようにして歩いていた。
「ご苦労だった。ゲスナー、後ほど報告書をまとめてレオポルト殿下へ提出しろ」
そしてエリックへ目をやり、口を引き結んだ。
「クレーバー。お前は、殿下がお呼びだ。後で案内するから、そこで待っていろ」
ヘンケルはオットーとハンネスへ歩み寄ると、懐から麻袋を取り出した。ずっしりと重たそうなそれを、オットーが迷いなく受け取る。
今日の報酬、という言葉が聞こえた。ゲスナーは「お前も貰ってきたらどうだ?」とエリックを蔑んだ目で見て笑った。
「貰わないよ。僕はここの日雇いじゃないからね」
しれっと言うと、ゲスナーは顔をしかめた。吐き捨てるようにエリックを罵る。
「研究成果を盗んだ恥さらしだというのに、よくここまで図々しくなれるものだな。田舎者の血のなせるわざか?」
言い返すのも馬鹿馬鹿しくなって、エリックは半目でゲスナーをにらむ。
それでも一応言い返しておこうと、杖で地面を突いた。
「逆だね。僕の研究成果を、上が盗んだんだ。きみたちこそ、自分の能力を思い上がりすぎなんじゃない? それとも、田舎者はこんなのできるわけないって、本気で思ってる?」
ゲスナーはたっぷりと軽蔑を含んだ目つきで、エリックを見下ろした。
「ああ、そうだ。正直に言えば、前々からおかしいと思っていたんだよ。どうして田舎出身のろくな教育も受けていないきみが、教養のある私たちより、分不相応な成果を挙げられているのかと」
エリックの顔が、盛大に引きつる。うわ、と声に出して、エリックは首をすくめた。
「だから僕は、研究成果を盗んだんだろうってこと? それ、本気で言ってる?」
「なんだ。負け惜しみか?」
嘲るような笑みに、首を横に振った。
「違うよ。きみがあまりにも見当違いなことを言うから、呆れているんだよ」
ふう、とため息をついて、頭をかく。
この国では、血統主義が根強い。王侯貴族は――特に、王家に近い者たちは――地方出身者や平民を見下しがちだ。エリックは地方出身かつ、領主とはいえ家格も低い。だからこうした差別的な眼差しには、慣れていた。
慣れているからといって、傷つかないわけでもないのだが。
「なに。教養があって血統的にも優れているきみが成果を挙げられなくて、そうじゃない僕が成果を挙げているのがおかしいって話? 正気?」
「そうだ。正気でないのは、お前だろう」
大真面目に頷く彼を、エリックはまじまじと見つめた。
いっそ、哀れだとすら思う。
「たしかに生まれ付いた環境で、どれだけ教育の機会に恵まれるかは、変わってくるよ。でも、恵まれない生まれの人や、教育を受けられなかった人たちが『劣っている』っていうのは、違うだろ」
吐き捨てるように反論する。攻撃的な発言に、ゲスナーはむっと顔をしかめ、苦々しく口元を歪めた。
しかしそれ以上は反論もせず、鼻を鳴らして立ち去った。エリックを打ち負かすのを、今日のところは諦めたのだろう。
エリックはその背中を、じっとにらんでいた。しばらく経って、「クレーバー」と名前を呼ばれる。ヘンケルだ。
「案内する。ついてこい」
ヘンケルはエリックの返事を待たずに、さっさと歩き出す。エリックは、慌てて彼の後ろについていった。
大柄な彼の歩幅は広い。さらに速足で歩かれると、小柄なエリックではついていくのも大変だ。
「ちょっと、待って、ください」
身体強化魔術の効果は切れ始めていた。息が切れる。ヘンケルはぴたりと立ち止まって、エリックに視線を向けた。
「ここだ」
どうやら、レオポルトの待つ部屋へ着いたらしい。へとへとになったエリックが呼吸を整えている間に、ヘンケルが扉をノックする。
「殿下。クレーバーを連れてきました」
部屋の中から「入れ」と許可が出る。ヘンケルは扉を開けて、エリックを振り返った。エリックはなんとか呼吸を整えて、部屋へと入る。
「失礼します」
その部屋は、書斎のようだった。部屋の奥にはどっしりとした書斎机が置かれており、壁には本棚が置かれている。机の向こうには、二人掛けのソファが置かれていた。
レオポルトは、机で書き物をしていたらしい。ペンを置いて、エリックへにこやかな笑みを向けた。
扉は閉じられ、二人きりになる。身体強化魔術は、どんどん効果を失ってきていた。エリックはふっと息を吐いた。重たい身体を引きずって、レオポルトのもとへ歩く。
「つらそうだな」
レオポルトはひょいと眉をひそめて、立ち上がった。エリックの手を取って、ソファへと座らせる。
「視察はどうだった?」
その言葉に、エリックは懐から地図を取り出す。今日いちにちで散々開いては閉じて、書き込んで、すっかりくたびれていた。
「通信水晶を設置すべきポイントは、確認することができました。設計書自体は出来上がっているので、次は具体的な施工方法の問題です」
「そうか。私の愛人殿は、やるべきことをやっているようで、何よりだ」
からかうような口調で言って、レオポルトはエリックの前髪を払った。汗をかいているせいで、額に貼り付いている。その手つきの優しさに、エリックはうっとりと目を細めた。
すぐに我に返って、あたふたと続ける。
「で、でも、それは相手も同じことです。あっちだって、ちゃんと仕事をやっています。だからこそ、これからどうやってあの人たちを出し抜けばいいのか……分からなくて……」
そして発言の幼稚さに情けなくなって、うつむいた。無力さにうちひしがれる。
レオポルトは「そうか」と頷いて、隣に座った。
「それについては心配するな。私が上手くやっておく」
「うーん……」
うなるエリックに、レオポルトが少し身体を寄せた。からかうような声色で言う。
「不安でもあるのか? 私がついているというのに」
「というより、僕が何もできなくて、不甲斐ないんです」
うつむくと、レオポルトは黙ってエリックを見つめた。
エリックがちらりと見上げると、彼は取ってつけたような笑みを浮かべる。
「お前は十分やってくれている。任せた仕事をやってくれさえすれば、後は私がどうにでもするさ」
「そうですか?」
いまいち納得がいかない。エリックは「そうですか」と繰り返して、うつむいた。
そうだぞ、とレオポルトが頷く。
「私は、お前の魔術を見込んでいる。お前が実力を尽くすために、私を利用してやる、くらいの気持ちでいてくれ」
エリックの心臓が跳ねる。膝を擦り合わせて、拳を握りしめた。
レオポルトにそこまで言われると、くすぐったい気持ちになる。
「あなたがそう言うなら、そうなんでしょうけど……でも……」
ぐらぐら頭が揺れる。まぶたがとろんと重たくなってきた。いよいよ身体強化魔術の代償が、本格的に来たようだ。
レオポルトは、エリックの肩を抱く。そして自分の胸元へと引き寄せた。
「眠いのか? 寝るといい」
エリックは「きたないですよ」と返事をしようとしたが、舌がもつれる。
そしてそのまま視界が暗くなり、意識を失った。
1
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
遊び人殿下に嫌われている僕は、幼馴染が羨ましい。
月湖
BL
「心配だから一緒に行く!」
幼馴染の侯爵子息アディニーが遊び人と噂のある大公殿下の家に呼ばれたと知った僕はそう言ったのだが、悪い噂のある一方でとても優秀で方々に伝手を持つ彼の方の下に侍れれば将来は安泰だとも言われている大公の屋敷に初めて行くのに、招待されていない者を連れて行くのは心象が悪いとド正論で断られてしまう。
「あのね、デュオニーソスは連れて行けないの」
何度目かの呼び出しの時、アディニーは僕にそう言った。
「殿下は、今はデュオニーソスに会いたくないって」
そんな・・・昔はあんなに優しかったのに・・・。
僕、殿下に嫌われちゃったの?
実は粘着系殿下×健気系貴族子息のファンタジーBLです。
届かない「ただいま」
AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。
「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。
これは「優しさが奪った日常」の物語。
30歳の誕生日、親友にプロポーズされました。
凪
BL
同性婚が認められて10年。世間では同性愛に対する偏見は少なくなってきた。でも結婚自体、俺には関係ないけど…
缶ビール片手に心を許せる親友と一緒に過ごせればそれだけで俺は満たされる。こんな日々がずっと続いてほしい、そう思っていた。
30歳の誕生日、俺は親友のガンちゃんにプロポーズをされた。
「樹、俺と結婚してほしい」
「樹のことがずっと好きだった」
俺たちは親友だったはずだろ。結婚に興味のない俺は最初は断るがお試しで結婚生活をしてみないかと提案されて…!?
立花樹 (30) 受け 会社員
岩井充 (ガンちゃん)(30) 攻め
小説家
憎くて恋しい君にだけは、絶対会いたくなかったのに。
Q矢(Q.➽)
BL
愛する人達を守る為に、俺は戦いに出たのに。
満身創痍ながらも生き残り、帰還してみれば、とっくの昔に彼は俺を諦めていたらしい。
よし、じゃあ、もう死のうかな…から始まる転生物語。
愛しすぎて愛が枯渇してしまった俺は、もう誰も愛する気力は無い。
だから生まれ変わっても君には会いたく無いって願ったんだ。
それなのに転生先にはまんまと彼が。
でも、どっち?
判別のつかないままの二人の彼の愛と執着に溺死寸前の主人公君。
今世は幸せになりに来ました。
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜
中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」
仕事終わりの静かな執務室。
差し入れの食事と、ポーションの瓶。
信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、
ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる