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25. 違う人間
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エリックは、なんとか立ち上がろうとする。しかし先ほどまで受けていた酷い暴力のダメージで、身体に力が入らない。もだえるように床の上で這うエリックに、レオポルトは「もう大丈夫だぞ」と優しく声をかけた。
「ヨーゼフ。状況を見る限り、彼はエリックを殴り、蹴った。私の愛人と知った上で、そうしたことは明らかだ」
「殿下。落ち着いてください。……クレーバーの前です」
「そうだ。その腰の剣を渡して、エリックを連れて部屋から出てくれ。後は私が始末をつける」
「レオポルト殿下!」
話にならない。レオポルトのつややかな肌に、ぷつぷつと汗の粒が浮かんでいた。エリックは何とか身体を起こし、レオポルトの足元へすがりつく。
レオポルトを、人殺しにさせたくない。
「やめてください、そんなこと」
そして、レオポルトの呼吸が浅いことに気づいた。瞳孔は開き、極度の緊張状態だ。エリックの言葉は届いたのか、届いていないのか、「ゆるさない」と呟いている。
「貴様のような奴を、俺は生かしておけない」
エリックは目をつむって、レオポルトの足へ抱き着いた。えい、と体重をかけて、レオポルトを押し倒そうとする。レオポルトはわずかによろめいただけだ。だが、隙ができた。エリックは、渾身の力で叫ぶ。
「ヘンケル殿!」
ヘンケルがためらいなく動いた。彼はレオポルトの足元に蹴りを加える。レオポルトの重心はエリックを巻き込み、ぐらりと揺れた。エリックはそのブーツへと取りすがり、レオポルトを巻き込んで、床へと崩れるように倒れ込む。
「ご無礼をお許しください!」
ヘンケルが叫ぶ。そして倒れた二人の下から、ゲスナーを引きずり出した。腕を掴み、拘束する。ゲスナーはそれ以上暴れることもなく、放心状態だった。
レオポルトはといえば、力が抜けたようで、床へ崩れ落ちる。そのまま、茫然と、どこか遠くを見ていた。エリックが身体を起こして抱き寄せると、深く息を吐く。前髪は、汗でべっとりと濡れて、額へ貼り付いていた。揺らいでいた目の焦点が、少しずつ、エリックへと合わせられていく。
「……エリック。無事か? すまない、見苦しいところを見せた」
「でんか、だいじょぶ、ですか」
エリックも、緊張で舌が上手く動かない。それでもレオポルトの手を握ると、彼は力なく笑った。唇がわななき、かろうじて開く。
「お前とヨーゼフには、感謝しないとな」
うん、とエリックは頷いた。それからすぐ、首を横に振る。
「たすけて、くれて、うれしかった……です。ありがとう、ございます」
もう一度、涙があふれてくる。レオポルトは「泣き虫だな」と、こちらも泣き笑いの表情で言った。床に倒れ伏したままのゲスナーの瞳が、ぎょろりと二人へ向けられる。首をあげて、わなわなと唇を震わせ、物言いたげにする。彼もまた、泣き出しそうな顔だった。
しかし、彼が何かを言うことはなかった。ヘンケルがますます強い力で、ゲスナーを押さえたからだ。
同時に、ヘンケルは「入っていいぞ」と扉へ声を張った。途端に、騎士たちがぞろぞろと入ってくる。ヘンケルは淡々とした口調で、彼らへ指示を出した。
「すまない、待たせた。こいつが下手人だ」
騎士たちはゲスナーの身柄を受け取り、どこかへと連行していった。残ったヘンケルは二人を見て、肩をすくめる。どこか諦めたような、呆れたような顔だ。
「後は二人で、よく話し合ってください。私は外で待機しています」
そう言って、部屋を出ていった。扉が閉まる音が、しんと響いた。
二人きりになって、エリックはレオポルトと目を見合わせる。
「……殿下は、どうしてここが分かったんですか?」
だんだんと、舌が回るようになってきた。レオポルトは「音がしたから」と、穏やかな様子で答える。
「お前が部屋にいなくて、心配で……探し回っているときに、大きな音が聞こえたから飛んできた」
「危ないですよ。そんな得体の知れない状況に、自分から飛び込むなんて」
仮にも王子の身分で、なんてことを。ぶるりと震えるエリックに、レオポルトは花がほころぶような笑みを浮かべた。
「ただ、お前が心配だった。お前といると、俺は、心から望むように動けるみたいだ」
そんなことを言われたら、たまらない。エリックは顔を押さえて、もう、とうなる。また泣いていることを、知られたくなかった。
「泣いているのか、エリック」
レオポルトが慌てた様子で、エリックの頭を撫でる。エリックは開き直って、顔をあげた。レオポルトへ抱き着いて、わんわんと声をあげてなく。
エリックは二十三歳の男だ。だからといって、声をあげて泣いていけないわけではない。
そして危ない目に遭った上、恋人に人を殺させかけてしまったときは、誰だって泣いてもいいと思う。
「よかった」
しゃくりあげながら、レオポルトの背中を叩く。ぐずぐずと泣き崩れるエリックの頭を、レオポルトの大きな掌が、ゆっくり撫でた。
少しずつ、エリックの気持ちも落ち着いてくる。顔をあげて、レオポルトの目をじっと見つめた。
「僕の復讐が、ゲスナーを壊しました。だから今回は、僕の自業自得です」
レオポルトは目を丸くして、エリックを見つめた。
エリックは、洗いざらいを話した。ゲスナーが通信網の破壊をたくらんだこと。そしてそれは、エリックへの復讐だったこと。
すべてを聞いて、レオポルトは頷いた。
「そうか。だとしても、これはお前の自業自得ではない」
エリックは「だって」と、なおも言い募る。
「たしかに僕は研究成果を奪われました。でも、ゲスナーからしたら、僕が機会を奪った側なんです。殴られたって文句言えません」
「エリック。それは違う」
濡れた目じりに、唇が触れた。レオポルトは涙を吸い取りながら、「違うよ」と囁く。エリックの顔が、ますます熱っぽく火照った。
「お前がやったことと、ゲスナーのやったことを、過度に紐づけないでくれ」
「そんなこと……」
「そうなんだよ」
レオポルトは念を押すように言って、エリックの頬を両手で包んだ。額を合わせて、至近距離で見つめ合う。レオポルトが、さらに続けた。
「それにどんな理由があったとて、その手段を取ることを選んだのは、ゲスナーだ」
エリックはうなだれて、レオポルトの肩にしなだれかかった。それはエリックにも言えることだ。唇を噛み、頷く。
レオポルトは深く息を吐き出して、エリックの頭を撫でた。
「……お前とゲスナーは違う人間だ。違うか?」
「はい」
「それにお前は、復讐の手段として、この手の暴力を選ばなかった。本当に優しい奴だ」
「ほんとうに?」
頼りなさげな声に、「本当だぞ」とレオポルトが応える。加えて、笑い混じりに言った。
「それにお前、いつだったか言っていただろう。どこまでも俺から離れないし、俺を離さないって」
「……言った記憶があります」
頷くエリックに、「俺もだよ」とレオポルトが耳元で囁く。
「俺たちは運命共同体だ。喜びも悲しみも、罪も、一緒に背負っていくんだ。だからこれからの不幸や苦しみはすべて、俺のせいにしろ」
プロポーズみたいだ。エリックは思わず笑ってしまった。レオポルトがからかうような声色で、「なぜ笑う」とエリックの肩を叩く。
エリックは、素直に答えた。
「嬉しすぎて、笑ってしまいました」
その言葉に、レオポルトがしみじみと、噛み締めるように言った。
「お前は本当に、感情表現が豊かで、愛しい」
エリックは照れて、うつむいた。頭のてっぺんからつま先まで、すべてを溺愛されていることを、心の底から分かってしまった。
レオポルトは立ち上がって、エリックへ手を差し伸べる。その手につかまって立ち上がると、二人してよろめいてしまった。
「参ったな。お前を運んでやるつもりが」
顔を赤らめてレオポルトが言う。エリックは笑って、彼の腕を取った。
「じゃあ、支え合いながら戻りましょう」
二人は顔を見合わせて、ゆっくりと歩き出した。すぐに騎士たちがやってきてそれぞれを回収したが、二人はそれで満足だった。
ゲスナーの起こした事件の収拾は、これからつけていかなければならない。
エリックとレオポルトは、それを成し遂げなければならない。
だからまだまだ、王都へは帰れそうになかった。
「ヨーゼフ。状況を見る限り、彼はエリックを殴り、蹴った。私の愛人と知った上で、そうしたことは明らかだ」
「殿下。落ち着いてください。……クレーバーの前です」
「そうだ。その腰の剣を渡して、エリックを連れて部屋から出てくれ。後は私が始末をつける」
「レオポルト殿下!」
話にならない。レオポルトのつややかな肌に、ぷつぷつと汗の粒が浮かんでいた。エリックは何とか身体を起こし、レオポルトの足元へすがりつく。
レオポルトを、人殺しにさせたくない。
「やめてください、そんなこと」
そして、レオポルトの呼吸が浅いことに気づいた。瞳孔は開き、極度の緊張状態だ。エリックの言葉は届いたのか、届いていないのか、「ゆるさない」と呟いている。
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「ヘンケル殿!」
ヘンケルがためらいなく動いた。彼はレオポルトの足元に蹴りを加える。レオポルトの重心はエリックを巻き込み、ぐらりと揺れた。エリックはそのブーツへと取りすがり、レオポルトを巻き込んで、床へと崩れるように倒れ込む。
「ご無礼をお許しください!」
ヘンケルが叫ぶ。そして倒れた二人の下から、ゲスナーを引きずり出した。腕を掴み、拘束する。ゲスナーはそれ以上暴れることもなく、放心状態だった。
レオポルトはといえば、力が抜けたようで、床へ崩れ落ちる。そのまま、茫然と、どこか遠くを見ていた。エリックが身体を起こして抱き寄せると、深く息を吐く。前髪は、汗でべっとりと濡れて、額へ貼り付いていた。揺らいでいた目の焦点が、少しずつ、エリックへと合わせられていく。
「……エリック。無事か? すまない、見苦しいところを見せた」
「でんか、だいじょぶ、ですか」
エリックも、緊張で舌が上手く動かない。それでもレオポルトの手を握ると、彼は力なく笑った。唇がわななき、かろうじて開く。
「お前とヨーゼフには、感謝しないとな」
うん、とエリックは頷いた。それからすぐ、首を横に振る。
「たすけて、くれて、うれしかった……です。ありがとう、ございます」
もう一度、涙があふれてくる。レオポルトは「泣き虫だな」と、こちらも泣き笑いの表情で言った。床に倒れ伏したままのゲスナーの瞳が、ぎょろりと二人へ向けられる。首をあげて、わなわなと唇を震わせ、物言いたげにする。彼もまた、泣き出しそうな顔だった。
しかし、彼が何かを言うことはなかった。ヘンケルがますます強い力で、ゲスナーを押さえたからだ。
同時に、ヘンケルは「入っていいぞ」と扉へ声を張った。途端に、騎士たちがぞろぞろと入ってくる。ヘンケルは淡々とした口調で、彼らへ指示を出した。
「すまない、待たせた。こいつが下手人だ」
騎士たちはゲスナーの身柄を受け取り、どこかへと連行していった。残ったヘンケルは二人を見て、肩をすくめる。どこか諦めたような、呆れたような顔だ。
「後は二人で、よく話し合ってください。私は外で待機しています」
そう言って、部屋を出ていった。扉が閉まる音が、しんと響いた。
二人きりになって、エリックはレオポルトと目を見合わせる。
「……殿下は、どうしてここが分かったんですか?」
だんだんと、舌が回るようになってきた。レオポルトは「音がしたから」と、穏やかな様子で答える。
「お前が部屋にいなくて、心配で……探し回っているときに、大きな音が聞こえたから飛んできた」
「危ないですよ。そんな得体の知れない状況に、自分から飛び込むなんて」
仮にも王子の身分で、なんてことを。ぶるりと震えるエリックに、レオポルトは花がほころぶような笑みを浮かべた。
「ただ、お前が心配だった。お前といると、俺は、心から望むように動けるみたいだ」
そんなことを言われたら、たまらない。エリックは顔を押さえて、もう、とうなる。また泣いていることを、知られたくなかった。
「泣いているのか、エリック」
レオポルトが慌てた様子で、エリックの頭を撫でる。エリックは開き直って、顔をあげた。レオポルトへ抱き着いて、わんわんと声をあげてなく。
エリックは二十三歳の男だ。だからといって、声をあげて泣いていけないわけではない。
そして危ない目に遭った上、恋人に人を殺させかけてしまったときは、誰だって泣いてもいいと思う。
「よかった」
しゃくりあげながら、レオポルトの背中を叩く。ぐずぐずと泣き崩れるエリックの頭を、レオポルトの大きな掌が、ゆっくり撫でた。
少しずつ、エリックの気持ちも落ち着いてくる。顔をあげて、レオポルトの目をじっと見つめた。
「僕の復讐が、ゲスナーを壊しました。だから今回は、僕の自業自得です」
レオポルトは目を丸くして、エリックを見つめた。
エリックは、洗いざらいを話した。ゲスナーが通信網の破壊をたくらんだこと。そしてそれは、エリックへの復讐だったこと。
すべてを聞いて、レオポルトは頷いた。
「そうか。だとしても、これはお前の自業自得ではない」
エリックは「だって」と、なおも言い募る。
「たしかに僕は研究成果を奪われました。でも、ゲスナーからしたら、僕が機会を奪った側なんです。殴られたって文句言えません」
「エリック。それは違う」
濡れた目じりに、唇が触れた。レオポルトは涙を吸い取りながら、「違うよ」と囁く。エリックの顔が、ますます熱っぽく火照った。
「お前がやったことと、ゲスナーのやったことを、過度に紐づけないでくれ」
「そんなこと……」
「そうなんだよ」
レオポルトは念を押すように言って、エリックの頬を両手で包んだ。額を合わせて、至近距離で見つめ合う。レオポルトが、さらに続けた。
「それにどんな理由があったとて、その手段を取ることを選んだのは、ゲスナーだ」
エリックはうなだれて、レオポルトの肩にしなだれかかった。それはエリックにも言えることだ。唇を噛み、頷く。
レオポルトは深く息を吐き出して、エリックの頭を撫でた。
「……お前とゲスナーは違う人間だ。違うか?」
「はい」
「それにお前は、復讐の手段として、この手の暴力を選ばなかった。本当に優しい奴だ」
「ほんとうに?」
頼りなさげな声に、「本当だぞ」とレオポルトが応える。加えて、笑い混じりに言った。
「それにお前、いつだったか言っていただろう。どこまでも俺から離れないし、俺を離さないって」
「……言った記憶があります」
頷くエリックに、「俺もだよ」とレオポルトが耳元で囁く。
「俺たちは運命共同体だ。喜びも悲しみも、罪も、一緒に背負っていくんだ。だからこれからの不幸や苦しみはすべて、俺のせいにしろ」
プロポーズみたいだ。エリックは思わず笑ってしまった。レオポルトがからかうような声色で、「なぜ笑う」とエリックの肩を叩く。
エリックは、素直に答えた。
「嬉しすぎて、笑ってしまいました」
その言葉に、レオポルトがしみじみと、噛み締めるように言った。
「お前は本当に、感情表現が豊かで、愛しい」
エリックは照れて、うつむいた。頭のてっぺんからつま先まで、すべてを溺愛されていることを、心の底から分かってしまった。
レオポルトは立ち上がって、エリックへ手を差し伸べる。その手につかまって立ち上がると、二人してよろめいてしまった。
「参ったな。お前を運んでやるつもりが」
顔を赤らめてレオポルトが言う。エリックは笑って、彼の腕を取った。
「じゃあ、支え合いながら戻りましょう」
二人は顔を見合わせて、ゆっくりと歩き出した。すぐに騎士たちがやってきてそれぞれを回収したが、二人はそれで満足だった。
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