107 / 130
まともな証言者はいねえのか
しおりを挟む「すみません、どうか僕にも証言をさせて下さい」
「ユリス・・・確か貴方は幼少期からエヴァ・ヴィリエに仕えているとか。それでは、エヴァ・ヴィリエの横暴な振る舞いを傍で見ていたということですね?」
「はい、僕はここの誰よりも長い間エヴァ様を見てきました。エヴァ様は噂通りのお方です。横暴で我儘で自己中心的で・・・そう、その愛らしく美しいお顔で命令をしてくるのです。下手したらその細い身体を組み敷いて分からせられてしまうとも知らずに、目の前の男に上から目線で命令を・・・。いざ抱かれてしまえば目の前の雄に逆らえずあんあんと喘ぎ助けを乞うくせに、愛らしい声で我儘を言う姿も堪らなくて・・・!ついつい言うことを聞いてしまいたくなるのです。想像してみてください・・・エヴァ様の子の可愛らしい顔、声で「足が疲れたから足を揉んで」とお強請りされる姿を・・・。小さく美しい足を舐めしゃぶりたくなってしまうのは仕方ないでしょう?」
ユリスの早口台詞に何故か傍聴席にいる1部の生徒や攻略対象達が頷く。
「わ・・・分かりませんが結局何を仰りたいのです?」
「つまりエヴァ様は退学して僕と一緒に屋敷に戻るべきだと」
まあ今まで出た意見の中では一番マシ。
「そして僕と一緒に蜜月を過ごすのです。僕の子を産み家族3人で仲良く過ごしていきたいです」
前言撤回。誰が子供産むか。
「あぁエヴァ様・・・なんとお労しい・・・!こんな場所に立たされて絶弾されるなんて貴方は何も悪いことなどしていないというのに・・・!」
「ジル・・・」
大袈裟な程にそう叫ぶジル。
お前は何を証言するんだよ。
「強いて言うならエヴァ様の存在が罪・・・と言ったとこでしょうか。エヴァ様はそこにいるだけで雄を誘惑し魅了してしまうのです。やはりエヴァ様の魅力を1番わかっている僕こそがエヴァ様の伴侶に相応しいかと」
「もういいっ!!こんな馬鹿げた証言聞いてられない!皆おかしいよ!僕はエヴァ・ヴィリエに殺されそうになったんだよ!?なんで肩入れするような発言をするの!?もっと重い罰を与えるべきでしょ!」
エマの叫びに執行部員たちが我に返る。
そうだそうだと俺も乗る。
「ふん、僕は反省なんかしてないからね。退学処分にして国外追放にでもすればいいよ。でも、お前たちのことは許さないから」
「駄目だ。国外へ逃げようなどと責任逃れも良いところだ。お前に相応しいのは我が別邸。大人しくディディエ家に嫁げ」
「なっ・・・!大体罰を受けるのに嫁ぐって意味不明だから!それに皆好き勝手言ってるけど僕は自ら抱かれてなんかない!全部無理やり強いられたんだ!!」
「エヴァ・ヴィリエそれは本当ですか?」
俺の発言に攻略対象達は馬鹿にしたように笑う。
は!?なんだよその態度!
「無理矢理だと?あれだけ俺の物を強請っておいてよく言う」
「エヴァ、流石にそれは無理があるだろ。俺の事受け入れてキスまでしてくれたじゃん」
「なぁお姫様、清純ぶってんのも可愛いけど。そういう事言っちゃうのか?」
「エヴァ・・・気持ち・・・よさそうだった・・・」
「エヴァ様、あれだけ抱かれて今更無理やりは厳しいですよ」
「私の初めてを奪っておきながらレイプ魔扱いですか」
「エヴァ様っ・・・僕を求めてくださったのは演技だったのですか?」
「エヴァ・ヴィリエどうなんですか。彼等との行為は合意だったのですか?」
「そ・・・そんなのこの裁判に関係ないだろ!?」
「ちょっと僕を殺そうとしたことについての裁判なのに趣旨変わってきてない!?」
「エマ、今はそんなことどうでもいいんです。エヴァと僕たちの行為は合意によるものだったのか。ついでに誰が本命なのかもここで決めさせましょう。それによって罪の重さが変わってきますからね」
完全にズレ始めた裁判に俺はお手上げだった。
攻略対象達が、エヴァはこう感じていただの、性感帯はどこだのと話し始めたせいで、公開羞恥プレイをさせられ俺は顔を真っ赤にして俯いていた。
「エヴァ・ヴィリエ、貴方は乳首を弄られながらクリ吸いされるのが好きなのですか」
「なっなんでそんなこと聞くの!?」
「それが本当かどうかで彼等と寝たのか、彼らの証言が本当なのか確認する必要があるからです」
「やっやだッ!!!そんなの答えたくない!」
「被告人が返答を拒否するのであれば、無理矢理にでも口を割らせるしかありませんね」
「・・・・・・へ?」
「これは学園裁判です。何をしてでも真実をはっきりさせなくてはいけません」
1,600
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は未定
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
・本格的に嫌われ始めるのは2章から
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
平凡な俺が完璧なお兄様に執着されてます
クズねこ
BL
いつもは目も合わせてくれないのにある時だけ異様に甘えてくるお兄様と義理の弟の話。
『次期公爵家当主』『皇太子様の右腕』そんなふうに言われているのは俺の義理のお兄様である。
何をするにも完璧で、なんでも片手間にやってしまうそんなお兄様に執着されるお話。
BLでヤンデレものです。
第13回BL大賞に応募中です。ぜひ、応援よろしくお願いします!
週一 更新予定
ときどきプラスで更新します!
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる