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黒鉄が居ない

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アレから、気付いたら朝になっていた

「黒鉄?」いつもは、ツンペロと尻尾プリプリしながら側には黒鉄が居た

今は、居ない

胸が痛い、アイツが居なくなった時の何万倍も苦しい。キリキリと引き裂かれる様に痛い。

もう、あの可愛い笑顔は見れない。信じられないのに、側に居ないこの、空間がその事実を突きつけて来る。この温もりのなさが、もう、居ないと、伝えて来る


何も、考えられなかった。黒鉄の事以外


清羅さんが心配して色々と食べさせて飲ませてくれている。こんな面倒かけちゃいけないのに・・・

時が、知らぬ間に過ぎていく


アレから、3日程経った様だ。オークが出たのだけは感知して淡々と屠っていく
存在を許さないとばかりに。屠っていく


抜け殻の私。 父母を喪くした時も辛かった。大好きな父母。とてもとても、辛かった。どうやって乗り越えたのかな・・・

ああ、黒鉄を迎えたからだった

いつだって黒鉄が居てくれた、嬉しい時も哀しい時も愛する黒鉄


そうこうしている内にも、オークとの遭遇率が上がって来ている。コレは集落が有るのでは?と思った。


「コレだけ、オークがいるって事は集落がありそうだが、規模によっては俺たちの方がヤラレる・・・報告しに行きたいが、場所が遠過ぎる。進むか、戻るかどっちもどっちだろうが・・」ガントさん

「うん、進んだ方がまだ良いかもしれねえな・・」と親父さん

殲滅したい気持ちと、また、誰かが・・と心配になる気持ちがせめぎ合う
私は、もう黒鉄が居ないから・・・だったらオークを全滅させたい。と思っていた

琥珀君が
「僕も、これまでの皆さんからの経験値で戦いのスキルが出て来ました。
疾風斬と言うもので、魔法スキルですが個体でも、多数でもいけます。僕も戦いに入れてください。」との事。

多数行けるのはありがたいよね。ガントさんも迷いながらも受け入れた。因みに助けた商人さん達はルームに入って貰っている。護衛の冒険者さん達も今は戦闘に加われる状態。皆んな一時的にパーティーに加えてある。

冒険者さん達、怖くないのか?と聞いたら仲間の仇を討つと言っていた。そりゃそうだ。仇は討ちたい!良く分かる


私が樹凛さんに、隠れる・逃げるの付与をして先ずは、2人で偵察に行く事にした。
皆んなにも、その2つを付与した。
あった方が生存確率が上がるから。皆んなには、結界を張った中にいで貰い2人で行く事に。もし、私がやられたらルームの中だと、その場に出て来てしまうから少しでも、安全な中に。

そして、樹凛さんと2人索敵しつつ進む事1時間。あった、オークの集落が
その数、500程。うーん、厳しそうだよねただ、目の前でも、隠れ身の術を使うと見えなくなる。前は、私を認識されてたら隠れ身の術でも見破られてたけど、今は目の前で消えても見破られない。

コレを全員が使えれば何とかなりそうだけどその人の適性もあるからね・・・

一旦、逃げるを使って現在拠点に戻り皆んなに報告する。

「うーーん、500かあ、多いとは思ってたんだよな。だが放っておくとあっという間に1000超えるな・・・レイド戦での対応案件だな。」と、悩むガントさん

私達の数は、冒険者の人と琥珀君、親父さんも戦える!と言って親父さんも合わせて私達が、8人、冒険者さんが4人の12人。

隠れる、逃げる、と其々のスキルや諸々を併せて今、討伐出来るだけのオークを倒す事になった。
装備を優さんがクラフトで修理して、性能UPしてくれた。有難い。

心配気なヨワヒムさんに、馬さん達と馬車を託す。そして、私が持っている物をアイテムバッグに入れてお願いしていく。
私は、少しでも沢山のオークを倒したい。

実は、アイテムバッグを作れる様になったんだ。それで、今から出るのに持っている物を託したいと思ったら、作れる様になってた。 容量的にも購入した物よりかなり大きい。 何せ、親父さんの工房兼住居も楽々入る。親父さんと琥珀君の物全てと渡したい物。として、親父さん琥珀君セット

優さん用のセット。真斗さん用のセット。樹凛さん用のセット。清羅さん用のセット。 ヨワヒムさん用には、商人になるからアイテムバッグの大容量を10個。大きめの体育館サイズを用意した。 

他の皆んなにも同じサイズのアイテムバッグを3個ずつ。コレが有れば大概の物が区分けして入れられるから。時間停止機能も付いてるし便利だよ。活用して欲しい。本当は、パニックルームや野営に使えるルームを、残せたら良かったんだけどね。

ルームの付与はまだ、出来なかった。残念
食べ物と空間系に思い入れが有るからこそのアイテムバッグなんだろうな。ありがたいけど。

大きな戦闘を前にしている割には心が凪いでいる。と言うより、冷たい感情なのだろうか?分からない。ヨワヒムさんに憂いを帯びた複雑そうな表情かおで見られた



黒鉄、待ってて









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