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それから
私が離れに移ってからひっそりと暮らしていればそれで良いと思っていたけれどそれでは足りないらしい。 ‘’教育係‘’の家庭教師をつけてくれた。 王国の歴史、外国語、算術、等教えてくれる事になっていて間違えたと言っては見えない所を叩いてくるのだが間違えているのは先生の方だ。
あまりに理不尽かつ、痕が残るくらいの強さで教えてくれるので3ヶ月経った頃私の答えが正しい事を教科書を用いて指摘した。 すると、お父様の愛妻様が乗り込んで来て家庭教師と一緒にふくらはぎをムチで叩き始めた。
‘’‘性根の腐った子供だ、悪魔でも憑いているに違いない!‘’‘ そう言って腫れて血が滲み青黒くなって『許してください。』と泣いて懇願するまで・・・悪くないからごめんさいは言わない、そんな気持ちが伝わってしまうのか2人は憎々しげに睨んでいた。
商会に用事があって外に出ていたレオンが夕方帰って来て歩き方がおかしい私に
「どうしました? 足が痛いのですか?怪我でも・・・」と心配するから
「ええ、もう3ヶ月経つし家庭教師の方に先生の間違いを私が持っていた教科書で指摘したの。そしたら・・・・・」と今日あった事を伝える。 治癒魔法も使う事を禁じられたから使えないと言うとニヤリと笑ったレオンが
「だったら見た目だけ残しましょう。痛そうな演技は必要だけれど、痛みも痕も残りませんよ。」と悲しげな笑顔でそう言った。「全てを守れなくて申し訳ありません。痛みを与えられている時は痛いままだ・・・」
「そんな顔をしないで、ありがとう。私じゃそんな事できないからずっと痛いままだったわ。痕も残ったでしょうね。」レオンの気持ちが嬉しかった。 レオンがいてくれるから頑張れるのだから
翌日からはもっと厳しい授業が必要だと‘’‘メイドの気持ち‘’‘、‘’‘侍女の気持ち‘’‘と言うレッスンと言う名の嫌がらせが始まった。 わざわざメイド服、侍女服に着替えて本邸の掃除、義姉、義妹の侍女をさせられたのだ。
彼女達は自分が1番、お姫様状態でなければ気が済まない。それこそ外では天使、可憐な侯爵令嬢の演技をしているが邸の中では外であった気に食わない事、の鬱憤を晴らすかの様に感情のまま振る舞い一定の侍女や使用人に当たるのだ・・・私を擁護する言動をとった者に。
私が侍女として彼女達に付く事になりそれはもうご機嫌で振り回してくれた。 言われた通りにやってもそれは意味がない『そんな事は言ってない、何も出来ない無能。』と罵り扇で叩くのがお気に入りだから。 また、学園に通うお義姉様は刺繍がどうしても出来なくて課題が出た時はいつも侍女にやらせていたのだけれどそれも私がやることに。 お茶会とかには出席出来なかったから学習やダンス等レッスン系、刺繍とかは得意だ。
どうやら表の事、夜会は愛妻様( その当時は愛人のはずだけど )をエスコートしていた様だ。 お茶会等も愛人様や義兄、義姉、義妹が出席していた様だ。ますます離縁すれば良かったのに、と思ったけれど過ぎた事。一応お母様にもメリットはあったみたいだし)
そんな日常であったけれど、カーシス様が来られる時は別だ。その時だけは私も侯爵令嬢に戻る。 お母様が愛した庭のガゼボでゆったりとした時間を過ごす。お茶とお菓子を頂く時間は大好きな過ごし方の一つだ。街へのお買い物は一緒に出掛けた事はないが基本貴族のお買い物は邸に呼ぶ事の方が多いから不思議ではない。
月に2回カーシス様と過ごす時間はとても大切なものとなっていた。17歳になられたカーシス様はスッと大人に近づき身長も185㎝を超えていそうだ。しっかり鍛錬されているのか更に筋肉が付き逞しくも洗練された身のこなしがとても素敵だ。話題も豊富で話していてもとても楽しいのだ、声まで甘くとても幸せな気持ちになる。女性に人気なのも頷ける・・・お義姉様が教えてくれた
『学園でのカーシス様はとおっても素敵なのよ!あんたみたいに地味な黒髪黒目なんかには勿体無いわ!鬱陶しいのよこのドブス!』と得意の扇叩きが始まる。硬い私を叩く専用の扇に持ち替えて・・・
でもカーシス様が『ブランシーヌの髪は艶やかで滑らかでとっても綺麗だね。黒曜石の煌めきの瞳もとても綺麗だ、大好きだよ。』と褒めてくださったから。私はお母様譲りのこの髪と目がとっても好きだから嬉しかった。誰に好かれなくてもカーシス様が好きと言ってくださるなら気にしない
私は学園には行かせてもらえなかったから、学園でのカーシス様の事は知らない。貴族子女は一定数学園には通わず国家資格を持つ家庭教師に師事する事で卒業したと見做されるのだ。私は外に出したく無いと言う理由で、お父様が自ら愛娘に教えていると言う体をとっている。本当はあの家庭教師が色々教えてくれている。迷惑だ
何にしても今日は久しぶりにカーシス様に会えて幸せな時間を過ごして今度遠乗りに出かける約束まで出来たんだから幸せしかない・・・とっても楽しみ
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