17 / 57
【 越後屋 】到着
しおりを挟むシラキュース家を後にし無事王都を出て暫くのところで一旦休憩していた私達は、可愛いマリーとダレンの優しくも甘やかな空気に幸せな気持ちになりながらも【 越後屋 】へ出発するべく休憩を終えた。 今回、王都では無くて隣の街の【 越後屋 】で協力者様とお会いする事になっている。
協力者様が隣の街で会いたいとのご希望だったからだ。私としてもシラキュース家を出た後、少しでも遠くへ行きたいと思っていたのでちょうど良かったのだ。
今回、私仕様で馬車を造ったのだけど襲われた時や悪天候でも馬や馭者も被害がない様に屋根とシールドを付けた。パッと見た目は分からないけれど安全だし快適、馭者席の座り心地もGOOD! ルームも作ったのだけれど、共有スペース以外に、旅して回る事も視野に入れて個人の部屋もワンルームマンションみたいな感じで個室にした。バス・トイレ付きだよ。水回りや諸々も日本にいた時と同じクオリティだけどどんなシステム? ま、いっか・・・
今後の状況で変更も出来るしね。ファミリータイプとかね、フフフフフ
「皆んな、少しはリフレッシュ出来たかな?そろそろまた出発するよー。それから馭者は交代でやっていきたいと思っているんだけど、1人だと寂しいから誰かしら一緒にいるようにしようかなって思ってます! 馭者席も座り心地は良いし安全面も保証付きだよ! 外の景色もよく見えてお勧め。」
と言いながらマリーとダレンを見るとマリーがソワソワ モジモジしている。
「ダレンがここまで馭者をしてくれたんだけど、もう少しお願いしても良いかな? それともう1人は・・・」
誰にしようかと皆んなを見ながら悩んでる風を装っていると、ダレンもマリーをチラッと見ている、こ、これはやはり
「えっと、女の子も楽しめると思うから・・・うーん、マリー今回はお願いして良いかな?」
と、お願いすると少し頬を赤らめて
「はい、勿論です。窓から見るよりも良く景色が見えますもんね! 久し振りの王都の外、楽しみです。」
と目をキラキラさせて了承してくれた。
「じゃ、2人共お願いして良い? あとね、交代でってお願いしたけれど今日は、急だったし野営地までお願いしても大丈夫?あと3時間くらいだけど・・・」
「「勿論です。」」と2人から返事が。
「そしたらお願いね? 何かあってもシールドが弾いてくれるから大丈夫だからね。私達もちゃんと、対応するわ。」と笑むと
「はい、何かあればお声かけします。」とマリーから返事が、でも何かある可能性に思い至ったのか少し不安そうな様子
「馭者席、馬から安全にシールド張ってあるしこのボタンを押せば直ぐ中に繋がるから大丈夫よ。」と伝えれば、シールドの存在にホッとした表情を見せる。
「それに、馭者席にいる人の姿は偽装で強そうな男性1人に見えているから心配しないでね。」
と覚えたてのウィンクを見せれば微妙な顔で頷かれた。て事で私は中に引っ込み他の皆んなには紙とペンにそれぞれの要望を書いてを渡す様に伝えた。
みんなが書いている間空間を広げ大きめのキッチンを副料理長と一緒に造っていく。厨房と言えるくらいになった。また必要ならば大きくしたり仕様を変えられる事を伝えると今はこれで充分との事。
そうこうしている内に今夜の野営地に到着。停めて、全体をシールドで覆い副料理長が腕を振るってくれた食事を皆んなで美味しく頂いた。皆んな、‘’教育‘’ を気にせず食べられる食事に大満足で、皆んなで会話しながら食べる・・・皆んなの嬉しそうな笑顔が切ないくらい輝いていて何よりのご馳走そうだった。
今までの辛かった事、思い出さないくらい皆んなで幸せになろう
各自私室で眠った。明けて朝、清々しいお天気で皆んなの笑顔も輝いていた。美味しく朝ごはんも食べ出発! 私も久し振りの王都の外だからとても嬉しい。 今日は、レオンが馭者で隣に私がいる。久し振りに2人になった様な気さえする一昨日までいつも夜は2人だけだったから。1日皆んなといたそれも嬉しい時間だったけれどレオンといる事でしか得られない幸せもあるのだと分かった。 幸せだと思っているのにもっと欲しがるなんてたった1日で欲張りさんになってしまった・・・
ランチ休憩の後に馭者を交代、もう一度休憩をし交代・・・そうして目的地の街に着いた。門でも特に問題なく街の中に入れて無事【 越後屋 】に到着した
「会頭、皆様、お待ちしておりました。」と【 越後屋 】の皆んなが出迎えてくれた。そして、レオンと初めて会った時に一緒におられた美しい御二人、レオンのご両親に再会したのだった。協力者とはレオンのご両親だった・・・
「やっと会えたね、待っていたよ。」と黒髪に琥珀の瞳の美丈夫のレオンのお父様
「綺麗になったわね・・・良かった、無事で。」
と白銀の流れる髪とレオンと同じブルーダイヤの儚げな美しいレオンのお母様が抱きしめてくださった。
「お久しぶりです。レオンのお父様、お母様が協力者様だったのですね・・・ありがとうございます。」
その優しい腕に強張っていた身体からホッと力が抜けた。
548
あなたにおすすめの小説
優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
好きでした、婚約破棄を受け入れます
たぬきち25番
恋愛
シャルロッテ子爵令嬢には、幼い頃から愛し合っている婚約者がいた。優しくて自分を大切にしてくれる婚約者のハンス。彼と結婚できる幸せな未来を、心待ちにして努力していた。ところがそんな未来に暗雲が立ち込める。永遠の愛を信じて、傷つき、涙するシャルロッテの運命はいかに……?
※十章を改稿しました。エンディングが変わりました。
【本編完結】笑顔で離縁してください 〜貴方に恋をしてました〜
桜夜
恋愛
「旦那様、私と離縁してください!」
私は今までに見せたことがないような笑顔で旦那様に離縁を申し出た……。
私はアルメニア王国の第三王女でした。私には二人のお姉様がいます。一番目のエリーお姉様は頭脳明晰でお優しく、何をするにも完璧なお姉様でした。二番目のウルルお姉様はとても美しく皆の憧れの的で、ご結婚をされた今では社交界の女性達をまとめております。では三番目の私は……。
王族では国が豊かになると噂される瞳の色を持った平凡な女でした…
そんな私の旦那様は騎士団長をしており女性からも人気のある公爵家の三男の方でした……。
平凡な私が彼の方の隣にいてもいいのでしょうか?
なので離縁させていただけませんか?
旦那様も離縁した方が嬉しいですよね?だって……。
*小説家になろう、カクヨムにも投稿しています
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに
おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」
結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。
「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」
「え?」
驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。
◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話
◇元サヤではありません
◇全56話完結予定
病弱な幼馴染を守る彼との婚約を解消、十年の恋を捨てて結婚します
佐藤 美奈
恋愛
セフィーナ・グラディウスという貴族の娘が、婚約者であるアルディン・オルステリア伯爵令息との関係に苦悩し、彼の優しさが他の女性に向けられることに心を痛める。
セフィーナは、アルディンが幼馴染のリーシャ・ランスロット男爵令嬢に特別な優しさを注ぐ姿を見て、自らの立場に苦しみながらも、理想的な婚約者を演じ続ける日々を送っていた。
婚約して十年間、心の中で自分を演じ続けてきたが、それももう耐えられなくなっていた。
王妃様は死にました~今さら後悔しても遅いです~
由良
恋愛
クリスティーナは四歳の頃、王子だったラファエルと婚約を結んだ。
両親が事故に遭い亡くなったあとも、国王が大病を患い隠居したときも、ラファエルはクリスティーナだけが自分の妻になるのだと言って、彼女を守ってきた。
そんなラファエルをクリスティーナは愛し、生涯を共にすると誓った。
王妃となったあとも、ただラファエルのためだけに生きていた。
――彼が愛する女性を連れてくるまでは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる