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道中
しおりを挟むマリーの可愛い花嫁姿とダレンの蕩けそうな笑顔とカッコ良すぎる姿にうっとりした私達は心に栄養を与えられ終わった後のこの2週間ほんわかとしながら道を進んでいた。
「ブラン、そんなに嬉しそうにして、まだマリーとダレンの結婚式の余韻で幸せなのね。」とお母様が
「ふふふღ そうなの、 シラキュース家を出てからずっと応援してきたから嬉しくって!
それにもう直ぐアランとレイラの結婚式もあるんだもの、楽しみで楽しみで仕方ないのღ」
そう、この前仲間になった狼樹人の2人。自分達はお互いの想いが通じて無事な姿を見れたそれだけで良い___なんて事を言うのだ。そんなのは嫌だよね!
折角再会して傷も癒えたんだよ? 奴隷も解放して2人は自由なのに恩返ししたいからって何故自分達の幸せを我慢するんだ。そんなの私の幸せにならない、むしろ悲しいよ。
皆んなに幸せだと感じて欲しい、偽善だろうと何だろうと知り合って私の目の届く範囲に居る人達だけでも幸せであって欲しいよ。願わくば色んな世界から不幸は無くなって欲しい。でもそんな烏滸がましい事は言えないし、私の手に負える事じゃ無い___だからせめて少しでもそうであって欲しいんだ。
そんな事を何度も何度も一生懸命に伝えてやっとこさ獣人の皆んなは本当の意味で奴隷から解放されてくれた。気持ちはありがたいから一緒にこのルームで生活しながら “ 越後屋 “ のスタッフとして力を貸してもらうのと同じような人や大変な人を助ける時には協力してもらう事になった。
幸せになるって気持ちを持って貰えた・・・当たり前のことなのに当たり前じゃない世の中、そう思わせてしまう何か・・・そんなの無くなっちゃえ
こうしてアランとレイラは結婚する事になったღそりゃぁ嬉しいに決まってる。他にも何組か居るんだよねフフフ、色んな獣人さんが居るんだけど幼き頃は結構獣態らしいんだけど・・・・
クゥー~ー、もっと獣人さんに仲間になって貰って子供が産まれるでしょ?そしたらよ?そしたら色んな子が産まれるわけよ! 狼に猫に、ライオン、虎に、熊に、アライグマ、モモンガさんもいたしね・・・・
そんな子供たちがコロコロ転がったりなんかしながら遊んで遊び疲れたらお昼寝する・・・はあー~~ー、パラダイスでしか無い。おっと、妄想しすぎて涎が
ね?誰が1番得って、私ღ___フフフ
合法モフモフパラダイスーー、モフモフは正義!
あー、早く生まれないかなぁ子供・・・
なんて妄想の海に揺蕩っていたら何だか痛い、何かが刺さってる___意識を取り戻して目を開けてみると
すんごい勢いのジト目が深く刺さってた、レオンから
そんな目で見なくても良いと思うよ? ちょっとだけ私の幸せを追求してみただけだよ。
「戻ってきた?ブラン。」とまだジト目のレオンが見てくる
「え?ずっとここに正気で居ますとも。」
「イーヤ、なんかモフモフする妄想でもしてたんだろ。しかもアランとレイラの事話した後だし、きっと子供が産まれたらーーー。なんてドゥフドゥフしてたんだろ、よだれ、垂れてるぞ。」
とまるで私の心の中を覗いたような事を言ってくる。さすが前世からの付き合いなだけある
「程々にしとかないと、近寄るの禁止にするぞ。」
「え、ええええええーーー、そんな事内緒にしといてくれれば良いでしょ?お願いღ 今一緒に居る子にもちゃんと節度を守って普通にしてるよ? 子供が登ってくるだけだよ?良い子いい子してるから皆んな喜んでくれてる!」
「それでもだよ・・
撫でてうっとりすんのは俺だけにしとけ。」
「・・・・・え?」
《そ、そそそそそれってヤキモチ?》
驚きすぎて言葉にならない私の頭をガバリと抱き寄せたレオン、このドキドキしてる鼓動は私のものなのかレオンのものなのか
「普通に撫でるのは子供たちも許す」
「・・・うん」
やっとの思いで返事をする。良い子良い子撫で撫ではお許しが出たようだ。何だかこそばゆい気もするけど嬉しい
「だいすき、レオン」
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