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ラスティの春 5 までの私達
しおりを挟む生まれたばかりのダンジョンにまた洞窟に戻って貰い私達は外に出てきた。1日くらいしか経っていない筈なのに随分と洞窟内で過ごしたような気がする。
それくらい濃い経験をした。そして、皆んなが思っている以上にレオンと私を大切にしてくれている事が分かり心の底からの感謝と共に、もっとしっかりしなきゃなって思った。何かあれば自分の命を投げ出して助けようとしてくれる事が分かったから。
もう助からないって思われる状況で彼、彼女達は私達を抱きしめ、少しでも守れると安堵の表情を浮かべた。彼らの身体を盾にしたらきっと私達は助かっていた、心以外は。私達以外が命を落としていたら心が耐えられない。
何もしないでルームの中にいれば確かに安全だけど、もっと充実した人生を送りたい。冒険って危険もあるけど、心躍る事もあるし感動もある。新たな物や珍しい物も見つけたい! 色んなものを見てみたいんだ自分の目で。
前世でも仕事が忙しいのと時間や金銭的な物もあって旅したいって気持ちを抱えながら叶えられなかった。でも、本当は一歩踏出す勇気が無かったんだなって思う。今世では夢の様な力がある。活かさなきゃ勿体無い!
お父様が言った私達なら出来る、を実現しよう。クリエイトと皆んなとのチームワークを高めて無敵なチームをつくる。
そんな私達にダンジョンマスターのスライムちゃんとダンジョンコアの“石さん“ 、が仲間になってくれた。
スライムちゃんはとっても優しいって事と恐ろしく強いって事が判明。めちゃ強い。
強さに比例しているのか?スライムちゃんはとてもとても大きかった。そう言えばまだダンジョンだった洞窟内は狭い所も有った気がするけれどどうやって通って来たのかな?
どうして何も疑問に思わなかったのかってくらいに自然だった・・・
皆んなで顔を見合わせる。どうするべきか?と悩んでいたらスライムちゃん自身が
『あー。“外“ってこんな感じなんだね!』と嬉しそうにぽよぽよしている。
「うん、そうだね。ここは外でも、“森“って所なんだよ。色んな景色があってね、水が沢山ある“海“ や “湖“ に “泉“ 流れる “川“ 他にも水が沢山ある場所があるんだけどね、兎に角色んな景色があるんだよ。一緒に観ようね!」
スライムちゃんに言っていると石さんが
『じゃあ、小さくなってみて。前練習したよね、大きさは・・・一旦、ブランさんの手の平に載るくらいかな。それと、8つに分裂しても良いかもですね。そしたら、皆んなと逸れても連絡が取れますし、安全だから。』
と言ってるんだけど・・・小さく?分裂?と思っていると
『分かった、やってみるね♪』と楽しげなスライムちゃんがぽよ、ぽよ、ポヨヨーーーン♪と効果音が付きそうな感じでポヨポヨすると・・・
何と言う事でしょう、スライムちゃんが私の手の平サイズで8匹?に分かれて一匹ずつ皆んなの元にいる。お父様の元にも。大きいスライムちゃんもとっても可愛かったのだけれど小さくなった8匹のスライムちゃんもまたまた可愛いღ
こうして、小さくなったスライムちゃんと、石さんと一緒に私達は本隊の皆んなが待つ馬車へと帰って来たのだった。
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