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婚約者

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今日は、婚約者であるルンダー様と馬で遠乗りに来ている
ルンダー様の愛馬、ライルに乗り
少し駆ける程度で1時間半ほど・・・

「ルンダー様。」

「うん?アーシャ。
今日も可愛いよ。愛してる」

蕩けるような笑顔に
今日も幸せを感じる

「私も・・・愛しています」

木漏れ日が眩しくて、
目をすがめるルンダー様
そんなお顔も素敵です✨✨✨

こうして、色々な時間の合間を縫って会う時間を作るのも、幸せの1つかな。
観劇とかも良いけれど、自然の中をこうして駆けるのはとても気持ち良い。

いつもは、王都で社交の場での
交流が多いから、外で駆けることは
貴重な時間だ。
お互いの護衛も居るが、
彼等も出来るだけ2人の時間を過ごせる様に気を遣ってくれている。

今日は、1つ丘を越えて
脇道に逸れて少し行った所にある 
泉でお茶をして…少しゆっくりしてから帰る予定だ。

ちょうど、木立を抜けて
泉に着いた


騎士と共に来てくれていた侍従が
お茶の準備をしてくれて
お茶は私が淹れた

「うん、美味しい✨
アーシャが淹れてくれるお茶が
1番、美味しいよ♬」

「ありがとうございます✨
そう言って頂けると。
もっと美味しくって・・
頑張れます✨」

「今日は、少し寒いかと思ったけれど遠乗りした後は、丁度良いね。
でも、冷えないように、ブランケットは掛けようね。」

「はい、ありがとうございます」

お互い掛け合いながら
最近の出来事など話す
付いて来てくれたもの達も
ひと時のお茶を楽しむ


和やかな時が過ぎていく

その時・・・話し声が



「まぁ、ルンダー様!!
こちらでしたの?嬉しいですわ!」

「やぁ・・・リリー
君もこちらに?良い天気だね✨

婚約者の方は?」

「ええ・・独りですの

最近、なかなか会えなくて・・・
寂しいんですの。」

えっと・・私は
いつ挨拶したら?良いのかしら
「あ、あの・・・こちらは?」

「まぁ、ごめんなさい・・・
私ったら、婚約者の方もご一緒でしたのね!」

ずーーーっと、おりましたが・・

「ああ、こちらは、私の婚約者、
オーヴェルグ公爵家のアーシャだよ」

「初めまして、
アーシャ・オーヴェルグです。
よろしくおね、、「私は、ファラーモ子爵家のリリーですわ」がいします」
まだ、話してますのに、
せっかちさんね

「ふふ、リリー  
まだ、アーシャが話している途中だよ。」
うん、そうですわ、、
もう少し待って下さいましね?

「あ、ごめんなさい!
私ったら、ルンダー様にお会い出来たのが嬉しくて✨✨✨
ご一緒しても宜しいかしら?」

え?
私だって久しぶりのルンダー様と
2人の時間・・・
楽しみにしていたのに。

「アーシャ、
私達も久しぶりだけど

良いかな?
リリーも寂しいみたいだし」

本当は、イヤ
でも、この流れで断るのもね
「ええ、そんなに長居は致しませんものね・・・大「ありがとうございます♬」丈夫ですわ・・・」

また、遮り何故か「まぁ、お2人の間・・丁度良い隙間ですわね!少し宜しいかしら」

と、間に割り込んでくる。
宜しく無いわ!!ソレは、貴族令嬢としてどうなのかしら?

オーヴェルグ家の騎士も、ルンダー様のダーナルド家の騎士も、目を見開きびっくりしている・・・

その後も、ルンダー様とリリー様がずっとお話になり、私には分からない事ばかりで・・・ルンダー様?私、もう帰っても宜しいですか?
と、喉元まで出掛かっているけれど、グッと我慢・・・今日は、やっと2人の時間を取れたんですもの、帰るまで我慢。と思っていた

「そろそろ、帰りません事?」

「ああ、そうだね
楽しくて、すっかり時間が過ぎていたよ。」

「まぁ、本当ですわね
帰りも、独りは寂しいですわ・・・」
チラチラとルンダー様を見遣るリリー様。え?そんな、まさか!!ご一緒になんて事・・・

「僕達は、馬で来てるんだごめんね?」

「まぁ、そんな!!
それなら、私の馬車でいかがですか?」

えーーーー、ソレハ、ナイヨネ

「うーん、そうだね・・寂しいリリーの為
そうするか!アーシャ良いよね?」

えーーーー!!イヤだよ普通に。。
「私は、せっかくライルと共に参りましたので。。ライルと。。」

「じゃあ、ライルと先に帰ってて?」

「は?」

「僕は、リリーの馬車にお世話になるからね?寂しいって言ってるから」

「私は・・」

「アーシャは、キチンとして強い女性だから大丈夫だよね?
オーヴェルグ公爵家の令嬢だもの」

いや、意味が分からない!!
ルンダー様、こんな人だった?
チラリと、ダーナルド家の騎士と侍従を見遣る・・・気まずそうに目を逸らす騎士達。ふーーーーん、そっか・・・


私だって、この日をとても楽しみにしていたのに帰りまでの辛抱だと・・・また、ルンダー様との時間を過ごせると思って、我慢していただけなのに。。。


信じられない!!!










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