1 / 29
婚約者
しおりを挟む今日は、婚約者であるルンダー様と馬で遠乗りに来ている
ルンダー様の愛馬、ライルに乗り
少し駆ける程度で1時間半ほど・・・
「ルンダー様。」
「うん?アーシャ。
今日も可愛いよ。愛してる」
蕩けるような笑顔に
今日も幸せを感じる
「私も・・・愛しています」
木漏れ日が眩しくて、
目をすがめるルンダー様
そんなお顔も素敵です✨✨✨
こうして、色々な時間の合間を縫って会う時間を作るのも、幸せの1つかな。
観劇とかも良いけれど、自然の中をこうして駆けるのはとても気持ち良い。
いつもは、王都で社交の場での
交流が多いから、外で駆けることは
貴重な時間だ。
お互いの護衛も居るが、
彼等も出来るだけ2人の時間を過ごせる様に気を遣ってくれている。
今日は、1つ丘を越えて
脇道に逸れて少し行った所にある
泉でお茶をして…少しゆっくりしてから帰る予定だ。
ちょうど、木立を抜けて
泉に着いた
騎士と共に来てくれていた侍従が
お茶の準備をしてくれて
お茶は私が淹れた
「うん、美味しい✨
アーシャが淹れてくれるお茶が
1番、美味しいよ♬」
「ありがとうございます✨
そう言って頂けると。
もっと美味しくって・・
頑張れます✨」
「今日は、少し寒いかと思ったけれど遠乗りした後は、丁度良いね。
でも、冷えないように、ブランケットは掛けようね。」
「はい、ありがとうございます」
お互い掛け合いながら
最近の出来事など話す
付いて来てくれたもの達も
ひと時のお茶を楽しむ
和やかな時が過ぎていく
その時・・・話し声が
「まぁ、ルンダー様!!
こちらでしたの?嬉しいですわ!」
「やぁ・・・リリー
君もこちらに?良い天気だね✨
婚約者の方は?」
「ええ・・独りですの
最近、なかなか会えなくて・・・
寂しいんですの。」
えっと・・私は
いつ挨拶したら?良いのかしら
「あ、あの・・・こちらは?」
「まぁ、ごめんなさい・・・
私ったら、婚約者の方もご一緒でしたのね!」
ずーーーっと、おりましたが・・
「ああ、こちらは、私の婚約者、
オーヴェルグ公爵家のアーシャだよ」
「初めまして、
アーシャ・オーヴェルグです。
よろしくおね、、「私は、ファラーモ子爵家のリリーですわ」がいします」
まだ、話してますのに、
せっかちさんね
「ふふ、リリー
まだ、アーシャが話している途中だよ。」
うん、そうですわ、、
もう少し待って下さいましね?
「あ、ごめんなさい!
私ったら、ルンダー様にお会い出来たのが嬉しくて✨✨✨
ご一緒しても宜しいかしら?」
え?
私だって久しぶりのルンダー様と
2人の時間・・・
楽しみにしていたのに。
「アーシャ、
私達も久しぶりだけど
良いかな?
リリーも寂しいみたいだし」
本当は、イヤ
でも、この流れで断るのもね
「ええ、そんなに長居は致しませんものね・・・大「ありがとうございます♬」丈夫ですわ・・・」
また、遮り何故か「まぁ、お2人の間・・丁度良い隙間ですわね!少し宜しいかしら」
と、間に割り込んでくる。
宜しく無いわ!!ソレは、貴族令嬢としてどうなのかしら?
オーヴェルグ家の騎士も、ルンダー様のダーナルド家の騎士も、目を見開きびっくりしている・・・
その後も、ルンダー様とリリー様がずっとお話になり、私には分からない事ばかりで・・・ルンダー様?私、もう帰っても宜しいですか?
と、喉元まで出掛かっているけれど、グッと我慢・・・今日は、やっと2人の時間を取れたんですもの、帰るまで我慢。と思っていた
「そろそろ、帰りません事?」
「ああ、そうだね
楽しくて、すっかり時間が過ぎていたよ。」
「まぁ、本当ですわね
帰りも、独りは寂しいですわ・・・」
チラチラとルンダー様を見遣るリリー様。え?そんな、まさか!!ご一緒になんて事・・・
「僕達は、馬で来てるんだごめんね?」
「まぁ、そんな!!
それなら、私の馬車でいかがですか?」
えーーーー、ソレハ、ナイヨネ
「うーん、そうだね・・寂しいリリーの為
そうするか!アーシャ良いよね?」
えーーーー!!イヤだよ普通に。。
「私は、せっかくライルと共に参りましたので。。ライルと。。」
「じゃあ、ライルと先に帰ってて?」
「は?」
「僕は、リリーの馬車にお世話になるからね?寂しいって言ってるから」
「私は・・」
「アーシャは、キチンとして強い女性だから大丈夫だよね?
オーヴェルグ公爵家の令嬢だもの」
いや、意味が分からない!!
ルンダー様、こんな人だった?
チラリと、ダーナルド家の騎士と侍従を見遣る・・・気まずそうに目を逸らす騎士達。ふーーーーん、そっか・・・
私だって、この日をとても楽しみにしていたのに帰りまでの辛抱だと・・・また、ルンダー様との時間を過ごせると思って、我慢していただけなのに。。。
信じられない!!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
595
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる