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疑念が確信に変わった事
しおりを挟む「発言してもよろしいですか?」と、お義母さま
「良い、許可する」
「陛下、ありがとうございます。
先程から、、いえ、ずっと以前から思っておりましたし、お伝えしてもきました。ルンダー様、リリーさま
今までの貴方の礼儀。目上の者、爵位が上の者。に対する、振る舞いが酷すぎます」
キッと、こちらを睨みつけるルンダー様。
「何を、無礼な!!!
僕は、筆頭公爵家子息だぞ!!お前の方が、下なのだからな!」
「ルンダー様、確かに貴方様は筆頭公爵家のご子息。しかし、あくまで、子息。
現在爵位としてはフランシス公爵である我が夫の方が上。例え、将来継ぐとしてもです。将来上に立つ者としての振る舞いではありません。」
更に、睨みつけるも、父であるダーナルド公爵も何も言わない為口を閉じた。
「それを踏まえて
リリー・ファラーモ子爵令嬢。あなた、ご自分の立場を弁えた方がよろしくてよ?
今日も、ずっと上からの物言いをなさっていますが、何様のつもりですの?
アーシャが婚約破棄する前からずっと、おかしな発言ばかり。
婚約破棄前、あなたはルンダー様と、まるで婚約者の様な振る舞いで、色々と物申されておりましたが、爵位をいつも鼻にかけて言うならば
貴女は、子爵令嬢
アーシャは、公爵令嬢ですわ!!過去も、現在も!無礼なのは、貴女の方です!口を慎みなさいませ!!
以前もお伝えしましたが、そちらのルンダー・ダーナルド様がずっと、大切になさってましたものね。だからと言って、過ちを正す事もなく、気付きもしないまま。正直、愚かな事この上無し!ですわね。そして、本日も会場入りなさってからずっと大層な物言いですが、国王陛下に対して不興なのは、貴女の方です!!許可なく口を開く事は許されておりません。
それに、まだただの婚約者子爵令嬢がフランシス公爵家の令嬢であるアーシャに対する言動としては、無礼極まりありませんわお分かりかしら?」
「そんな!!酷いですわ!!!」
「そうだ、黙れ、夫人如きが!!」
「黙るのは、お前達だ・・・」
静かに怒りを含んだ冷たい声の陛下
「ルンダー、リリー2人ともだ ま れ。
フランシス公爵夫人が、正しい
そして、お前達には!発言を許可していない。」
「先程からの不興罪だけでも打首に出来るのだぞ?」
青褪めブルブルと震えながら唇を噛む2人。
「やっと。静かになったな。では、コレから、ダーナルド公爵家、それに類する者達の罪を此処に、つまびらかに致そう」
ダーナルド公爵が前に出される
「ソレと、オーヴェルグ公爵家、ファラーモ子爵家の者達もこちらへ 」
抵抗虚しく引きずられてきた両家の者達。元家族
「先ず、フランシス公爵家の
アーシャ公爵令嬢。其方にも謝らねばならない。
其方の母上は、東の国から嫁いで来られた。ソレは知っておるか?」
「はい、存じております」
母は、東の島国から嫁いでこの国にやって来た。ワーラモ国の7番目の姫だった。
10年前。儚くなってしまったが。優しい人だった。儚げだが芯の強い女性だった。アーシャの事を愛してくれた、唯一の家族。時折遠くを見る目は、遠くて帰ることが出来ない祖国を想っていたのだろうか・・・
時々祖国の話をしてくれた、冬の寒さから転ずる時に咲く小さな花をたくさん付ける"サクラ"と言う花が大層美しいそうだ。
いつか、見てみたい母がもう一度見たいと願っていた可憐なピンクの花を。
その花の話をする母は、とても切なげで、恋焦がれる表情をしていた。もしかして祖国に想い人が居たのかもしれない。もっと、話してみたかった
「母君は、この国との国交の為嫁いできてくれた、
儚くも美しい、芯の強い女性だった。
今まで、証拠が掴めず、其方を守る為という事もあり、伏せられてきたが
アーシャ嬢の母君は、実は病死では無かったのだ」
騒めく人々。何故か嘲りながらこちらを見てくるダーナルド公爵。そして、目が泳ぐ元父、オーヴェルグ公爵。そして、暗く澱んだ目をしたファラーモ子爵
「そこに居る、ダーナルド公爵、ファラーシモ子爵、そして、オーヴェルグ公爵、とその夫人の共謀によって。毒殺された。」
「・・え・・」
元父も加担していたのか。
何だか、力が抜け頽れてしまいそうになった。エルンストとガイアが支えてくれたから失態を犯さずに済んだ。
次々と暴かれる罪
ガイアとエルンストの協力により証拠が揃ったようだ。
今まで、限りなく黒に近いグレーでも追い込みきれずにいた罪の数々は、多くの人を不幸にした
その人々をどれくらい救えるのかは分からない。出来るだけ救済していくそうだ
コレらの話しを聞いてはいたが、すり抜けて頭に入って来ない。
母が亡くなってからの事をとめども無く、思い出していた
とても、とても母を恋しく想った事を。会えなくて涙が止まらなかった事を。幸せな事を共に喜びたかった。
父達の家族を見ながら、ワタクシも母と家族の時間を持ちたいと寂しかった事を
母の笑顔を思い出していた・・・
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