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義弟マクシミリアン③

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「マクシミリアン。」私はマクシミリアン見つめながら言う。

「貴方は今日からクレイル公爵家の人間です。只の「マクシミリアン」ではありません、それを肝に銘じなさい。恥じ入る行為は許されません。」いいですね、とマクシミリアンに言い放ったが------マクシミリアンは「はい。」とにこやかに微笑んでいるだけなんです。

調子がくるいます。

回帰前はあんなに怯えて私の顔色を伺っていたのに。

何故?

当時のお父様もあのように言っただけでマクシミリアンを放置されている。

ある日私はお父様にマクシミリアンのことを聞いてみました。

「お父様、マクシミリアンの事をもう少しお聞かせ下さい。」

お父様は私の背に合わせ床に膝まつきこういった。

「ごめんよ、私の可愛い天使。マクシミリアンのことは詳しく話せないんだ。------だがマクシミリアンは貴族の子供だ------いろいろあってね。これ以上は今は言えないんだよ。」済まないとお父様は私の頭を撫でた。

そうだ、十歳の私は何処かの下級貴族の令嬢を孕ませたのだと思い腹を立てていたのだ。
私のお母様は、私を生んだあと産後の状態が悪く亡くなってしまったのだ。

それなのに------マクシミリアンとそのお母様は生きてる、そしてお父様に愛されていたのかと思うと腹が立ってしかたが無かったのだ。

だから当時の私はマクシミリアンを「不義の子」と嫌い虐めた。

今思えば------。

下級貴族の令嬢の子ならなら公爵家に引き取られ迎えて貰えれば嬉しいはず-----、今までそれをしなかったと言う事は高位貴族もしくは------王族?。

若しくはお家騒動?なのか------。

という事はマクシミリアンはお父様の子では無い可能性もある------王族であるなら、ぞんざいに扱えあれ虐め好きな相手の毒殺未遂そりゃあキレて私を殺すのも無理はないわ。

断罪回避するにはやはりマクシミリアンに手を挙げてはいけないと言う事はだわ。

そして------今後私の婚約者になるアルスメディア王太子殿下に好意を向けない。

あの人は後に聖女リリーナを好きになるのだから------。

聖女なんてクソ喰らえ!

私からアルスメディア様を取り上げ、義弟は聖女を愛する------。

悲しくなる。

可哀想なのは------私じゃない----。


もう、悲しいのは御免だわ。出来ればアルスメディア様の「婚約者」にならないがベストでしょう。

お父様には絶対に「アルスメディア様の婚約者になりたくない」意思をしめしておこうと思うの。

どうせ愛されないんだも------辛い恋はもうしたくない------。
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