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第二章 共通の知人
第二十七話 玩具の威力
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ロイとスヲンの間から、のそのそと視線だけを動かしてアヤは息を呑む。
ランディは左手で器用に陰核の包皮を上に持ち上げて固定させると、根元まで剥き出しになったそれを小さな何かで包み込んだ。
「それ、ちょっとヤバい」
スヲンが代わりに感想を告げてくれる。とはいえ、「ちょっと」ではなく「かなり」だということは、アヤ以外にはわからない話だろう。
牛皮に似た柔らかな物体が女性器にぴったりとはまり、密集した剛毛触手が振動して陰核を上下左右にしごいていく。とてもじゃないけど、正気を保っていられない。
「~~~~~ッ、ぁ……ぅ」
逃げることも許されないまま、数秒。その数秒で、アヤはスヲンを締め付けながら意識を飛ばしていた。
「やば…ッ…動いてないのに、動いてる」
「おお、スヲンがバグった」
「ロイ、まじでこれ…ッ…ランディ、ちょ。待って」
「無様に果てて、さっさと交代しろ」
にやりと口角をあげたランディに、スヲンはアヤを後方からギュッと抱きしめて腰を動かす。座ったまま揺れ動く感覚と何が自分の身体に起こっているのかわからない混乱で、アヤはぐらぐらと突き上げられていた。
「ぅ…ぁ…ッ~~~んっ」
込み上げてくる悦が視界を涙で歪めていく。
朧に映るロイとランディの顔を眺めながら、真下から抱き込むスヲンに感じて声にならない声がくぐもっていく。
「アヤ…っ…アヤ」
スヲンの声を探してアヤは顔を動かす。
「スヲ……ッん~~~~」
首をひねり、スヲンと口付けを交わす。
ギュッとつぶった瞳から涙が零れ落ちるとともに、アヤは吐き出される欲望の一つ目を感じ取っていた。ドクドクとスヲンの雄が力強く脈打って、薄い膜越しに白濁の液を最奥まで満たそうとしてくるのがよくわかる。熱いとスヲンは入れた時にそう言っていたが、スヲンも溶けそうなほど熱いと返したくなるほどの熱量だった。
「…っ…はぁ…はぁ…ァッ…」
全身が溶けたようにだるい。
ずるりと抜けたスヲンに大げさな反応をしたアヤの体はロイに支えられながらランディの上に乗せられていく。アヤにとっては前方に倒れる程度の力しか入っていなかったが、あまりの脱力ぶりに抱き上げたランディが少しだけ困ったような息を吐いていた。
「……おお」
ついでに感嘆の声が漏れるランディをアヤは見上げる。
そそり立つランディのものを無抵抗に下半身が受け入れるせいかもしれない。対面で抱き合う形に密着した身体をアヤはランディの肩に手を置いて支えていた。
「ふ…ッぁ…ンッく」
太く長いランディの雄は垂直に差し込む体勢になると重力が内臓を押し上げるようで苦しくなる。おへそ付近まで突き刺さっているんじゃないかと、心配になって顔を下げてみれば、うっすらとランディの形が皮膚の上からでも確認できる盛り上がりが見えた。
「うわぁ。エロいね、アヤ。膝立てて、ランディの埋まってるとこよく見せてよ」
「待っァ…ン、ァ…それ以上、深…ィッ」
スヲンがどいた場所へランディが半分抱き上げるように移動したあと、ロイが背後から膝を立たせようとしてくる。枕に背を預けたランディの上に足を立ててまたがると、さらに深く埋まろうとしてくる腰が悲鳴をあげながら逃げようとするのも無理はない。
「ヒッ…ァッ、ぁあァアっ」
逃げようにも、背後からロイに足を開脚した状態で固定され、ランディが立てた膝が背もたれに代わる。どこに訴えればいいのか彷徨っていた両手は、突如聞こえてきた機械の音にさえぎられて霧散していた。
「イクっ…いぐぅ…ぁ…ヤッぁあっ」
腰が勝手に前後に振れる。びしゃびしゃとおびただしい量の液体がランディと密着する部分から流れ出しているが、彼らはそれをまったく気にしないどころか、感心するように見つめている。
「アヤは本当にクリトリスが弱いな」
「押しつぶされてイっちゃうなんて、可愛いね、アヤ。最初から敏感だったけど、今じゃ乳首だけでもいけちゃう身体だし、どこまでも開発されて可哀想」
「あー…この眺め、最高」
息も絶え絶えに痙攣するアヤを見つめるランディが乾いた唇を舐めるような舌をみせる。いつもどこか余裕を見せる男が興奮の瞳と吐息を零す仕草に、アヤの内部がまた大きくうごめいた。
「たしかに…ッ…これは、ヤバい」
先ほど訴えていたスヲンの言葉がよく理解できると、ランディも苦悶の顔に笑みを浮かべる。
「アヤ、自分で自分の足持てるでしょ。そう、膝の裏に手をいれて……いい子」
頭頂部にキスを落とすロイの声に誘導されて、アヤは自分で身体を支えてランディの行為を受け入れる。拷問器具と呼ぶにふさわしいマッサージ機を陰核に押し当てられ、ゆさゆさと真下から突き上げてくる動きに翻弄されて、思考回路がうまく働いていないと言ってもいいかもしれない。
「絶対、自分から手を離しちゃダメだよ」
「…ンッ…ぁ…」
「返事は?」
「は…ッ…はぃ」
首を何度も縦に振って了解の意思を必死で伝える。
そうでもしないと、あまりの快楽の渦にすでに手を放してしまいそうだった。
「お利口な子猫ちゃんに、ご褒美をあげようね」
「ッ!?」
また視界が大きくぶれて、体が跳ねる。
「ロイ、片方俺に貸して」
「なに、スヲン。もういいの?」
「かなりヤバかったけどな」
「じゃあ、ランディのを借りたら?」
先ほど膣と尻穴から産み落とした卵形のローターを両方の乳首に押し当てられて気絶したアヤには今の状況が理解できない。
どこからともなく戻ってきたスヲンがランディの手からマッサージ器を受け取り、それをギュッと押し当ててくる。両手の自由を手に入れたランディは、ここぞとばかりにアヤの腰を掴んで、自身を深く突き上げていた。
「ああ…すっげ…ッ最高」
聞いたことのない声でランディが呟いている。
「アヤ、こっち向け」
「ッ~~~~ぁ、おかしく…な…ゥッ」
「ああ…ッ…綺麗だ」
しまりのない顔で乱れる姿を「キレイ」だと表現する感性の持ち主はそう多くはないことくらい知っている。それでも真顔で、心からそう思っているのだと感じさせてくる声で伝えられて嬉しくなるくらいには狂っている。
いや、狂わされた。
聞いたことのない自分の声。逃げ出したくなるくらいつらいのに、それ以上に欲しいと求める貪欲で卑猥な身体。
従順に、素直に、彼らから与えられるすべてを受け入れ続けていると、何が正常で異常かわからなくなってくる。
「イクッぁランディ…いッいぐ…ぁ…ぁ」
涙をこぼしてすすり泣く姿のどこが綺麗だと言えるのか。
常人にはもはや理解できない。
ランディは全身を震わせて絶頂を堪能するアヤを突き上げながら、その熱い思いを噴水のように放出させていた。
「…っ、はぁ…はぁ…ァ…はぁ」
機械の音が止み。ギュッとランディに抱きしめられても、アヤは自分の膝裏をそれぞれ持ち続けていた。
ランディのキスが半開きの口内を蹂躙するように貪ってくるが、それに応える舌の力も残っていない。飲み込みきれない唾液がランディとの間に糸を引いて零れ落ちても、アヤはじっとされるがまま落ち着かない心臓の音を聞いていた。
「……ッ」
ランディが抜けるだけでイキそうになる。
麻痺した感覚が絶頂への沸点を壊してしまったに違いない。縛られてもいないのに、アヤは自分で足を開いて開脚した状態のまま、ランディが退いて開いた場所に転がされる。
背中にあたる枕にはランディの熱が、まだ残っていた。
「手、離さないで偉いね」
汗だくの身体に張り付いた髪を取り払ってくれるロイの手が微笑みを向けてくる。
「ひっ…ぅ…ンッ」
自分で開脚した足に手を重ねる形で身体を乗せてきたロイをアヤは見つめ続ける。
スヲンもランディも今まで見たことがない声や顔をしていた。たぶん、ロイもそうなると期待したからかもしれない。
「ぅ、わ…ッ…なにこれ、溶ける」
「ぁ…ッ~~、ン…あ…」
「ちょ…アヤ…中だけ動かさないで」
そうリクエストされても、どう返していいかわからない。
体は勝手に反応して、ぐちぃと聞いたことのない音を立てて埋まるロイの要望と真逆の行動を見せたがる。
「もう、手を放していいよ」
ロイの許可が下りたので遠慮なくアヤは自分の足から手を離した。
「ヒッゥ、ぁあっ」
抱きしめるように腰をついたロイのせいで、足の先までピンと体が突っ張って、声が震えてしまう。
「ああ、すごいよ。アヤ、突くたびイってる」
「ア、ぁ…にゃ…な…ふぁ」
一体どういうことか、理解できないのに体だけが異常なほど高まっている。
ロイの言う通り、腰を突き上げられるだけで安易に達してしまう沸点にも驚いたが、それ以上に終わりの見えない快楽の世界に混乱する。
「イっイク~~~~ッだ、めぇ…ロイ…ァあ」
「身体おかしくなっちゃったね」
「にゃ…ッぐ…いぐ…ぅ…ぁ」
「うんうん。もっともっと壊してあげる」
「やだヤッ~~~~…ぁ…ぁー…ぅー」
ロイの腕の中でどうにもならない絶頂の連続に涙がこぼれていく。
ぐすぐすと制御できない現実に泣くことしかできないアヤを抱きしめながらロイは始終「可愛い」を口にしていた。
「ぬぁ…ッ…今の、なに!?」
「つま先がずっと空中を蹴っていたんでな」
「ランディの仕業か……もう、出そうになったじゃん」
アヤの足裏をいたずらに指先で線を描いたランディが、切羽詰まったロイを面白そうに見つめている。
「ちょ…スヲン、それやったら多分アヤ…ッ」
ロイがさらに深く抱きしめてきたと思った瞬間、アヤはロイが腰を突き動かす下方に卵形のローターが再び仕込まれた状況を悟った。
「ヤァッ、ぁーー…あぁぁ…ァ」
「アヤ、ロイも強制的にいかせてやれ」
「スヲンやめてよ、アヤ…ちょ、まじでキッツ…」
スヲンが形さえ見えなくなるほど深く埋め込んだ卵形のローターの振動をONにし、その穴の上からマッサージ器の振動を加えてくる。ロイは思わず抜きそうになった腰をなんとかとどめることに成功し、アヤを抱きしめながら深い息を吐いて情欲を落ち着かせているようだった。
それでも刺激された限界は近いのだろう。
「アヤ、やばい…気持ちいい…っ」
ロイの声が抱き締める強さに比例して熱を帯びていく。
振動が腸壁ごしにロイを痛め付けているようだった。
「ッ!?」
ロイと密着する肌の合間をぬって、腰の付け根に強引に差し込まれたのはランディの腕。
「ランディ…っ…鬼畜」
耳元で熱を込めた声で囁くロイの言葉の意味を反芻しながら、アヤはその腕の中で体をのけぞらせていた。
悲鳴なのか、奇声なのか区別はつきにくい。
「……~~~くっ」
「どうだ?」
得意げなランディの声が、なぜかロイに問いかけている。
暴れるアヤを抱きしめ続けるロイは、それどころじゃないらしい。そうなることをわかっていながらランディは行動を起こし、それはスヲンも助長していた。
「……アヤが壊れた」
なんとか踏みとどまって、その言葉だけを吐き出したロイに、スヲンとランディは目配せして笑い合う。
密着した身体に無遠慮に手を差し込んで、剥き出しの陰核に取り付けられた牛皮の器具。アヤは、その刺激に耐え切れずに絶頂を飲み込んでいたが、密着したロイにも大きな刺激になったらしい。
「もう、無理」
そこからの記憶はアヤにはない。
ロイが無心で腰を打ち付ける音が全身を誘い、涙で歪んだ視界と、母音しか吐き出せなくなった声が掠れて、気を失うころには部屋中の酸素がなくなっていた。
ランディは左手で器用に陰核の包皮を上に持ち上げて固定させると、根元まで剥き出しになったそれを小さな何かで包み込んだ。
「それ、ちょっとヤバい」
スヲンが代わりに感想を告げてくれる。とはいえ、「ちょっと」ではなく「かなり」だということは、アヤ以外にはわからない話だろう。
牛皮に似た柔らかな物体が女性器にぴったりとはまり、密集した剛毛触手が振動して陰核を上下左右にしごいていく。とてもじゃないけど、正気を保っていられない。
「~~~~~ッ、ぁ……ぅ」
逃げることも許されないまま、数秒。その数秒で、アヤはスヲンを締め付けながら意識を飛ばしていた。
「やば…ッ…動いてないのに、動いてる」
「おお、スヲンがバグった」
「ロイ、まじでこれ…ッ…ランディ、ちょ。待って」
「無様に果てて、さっさと交代しろ」
にやりと口角をあげたランディに、スヲンはアヤを後方からギュッと抱きしめて腰を動かす。座ったまま揺れ動く感覚と何が自分の身体に起こっているのかわからない混乱で、アヤはぐらぐらと突き上げられていた。
「ぅ…ぁ…ッ~~~んっ」
込み上げてくる悦が視界を涙で歪めていく。
朧に映るロイとランディの顔を眺めながら、真下から抱き込むスヲンに感じて声にならない声がくぐもっていく。
「アヤ…っ…アヤ」
スヲンの声を探してアヤは顔を動かす。
「スヲ……ッん~~~~」
首をひねり、スヲンと口付けを交わす。
ギュッとつぶった瞳から涙が零れ落ちるとともに、アヤは吐き出される欲望の一つ目を感じ取っていた。ドクドクとスヲンの雄が力強く脈打って、薄い膜越しに白濁の液を最奥まで満たそうとしてくるのがよくわかる。熱いとスヲンは入れた時にそう言っていたが、スヲンも溶けそうなほど熱いと返したくなるほどの熱量だった。
「…っ…はぁ…はぁ…ァッ…」
全身が溶けたようにだるい。
ずるりと抜けたスヲンに大げさな反応をしたアヤの体はロイに支えられながらランディの上に乗せられていく。アヤにとっては前方に倒れる程度の力しか入っていなかったが、あまりの脱力ぶりに抱き上げたランディが少しだけ困ったような息を吐いていた。
「……おお」
ついでに感嘆の声が漏れるランディをアヤは見上げる。
そそり立つランディのものを無抵抗に下半身が受け入れるせいかもしれない。対面で抱き合う形に密着した身体をアヤはランディの肩に手を置いて支えていた。
「ふ…ッぁ…ンッく」
太く長いランディの雄は垂直に差し込む体勢になると重力が内臓を押し上げるようで苦しくなる。おへそ付近まで突き刺さっているんじゃないかと、心配になって顔を下げてみれば、うっすらとランディの形が皮膚の上からでも確認できる盛り上がりが見えた。
「うわぁ。エロいね、アヤ。膝立てて、ランディの埋まってるとこよく見せてよ」
「待っァ…ン、ァ…それ以上、深…ィッ」
スヲンがどいた場所へランディが半分抱き上げるように移動したあと、ロイが背後から膝を立たせようとしてくる。枕に背を預けたランディの上に足を立ててまたがると、さらに深く埋まろうとしてくる腰が悲鳴をあげながら逃げようとするのも無理はない。
「ヒッ…ァッ、ぁあァアっ」
逃げようにも、背後からロイに足を開脚した状態で固定され、ランディが立てた膝が背もたれに代わる。どこに訴えればいいのか彷徨っていた両手は、突如聞こえてきた機械の音にさえぎられて霧散していた。
「イクっ…いぐぅ…ぁ…ヤッぁあっ」
腰が勝手に前後に振れる。びしゃびしゃとおびただしい量の液体がランディと密着する部分から流れ出しているが、彼らはそれをまったく気にしないどころか、感心するように見つめている。
「アヤは本当にクリトリスが弱いな」
「押しつぶされてイっちゃうなんて、可愛いね、アヤ。最初から敏感だったけど、今じゃ乳首だけでもいけちゃう身体だし、どこまでも開発されて可哀想」
「あー…この眺め、最高」
息も絶え絶えに痙攣するアヤを見つめるランディが乾いた唇を舐めるような舌をみせる。いつもどこか余裕を見せる男が興奮の瞳と吐息を零す仕草に、アヤの内部がまた大きくうごめいた。
「たしかに…ッ…これは、ヤバい」
先ほど訴えていたスヲンの言葉がよく理解できると、ランディも苦悶の顔に笑みを浮かべる。
「アヤ、自分で自分の足持てるでしょ。そう、膝の裏に手をいれて……いい子」
頭頂部にキスを落とすロイの声に誘導されて、アヤは自分で身体を支えてランディの行為を受け入れる。拷問器具と呼ぶにふさわしいマッサージ機を陰核に押し当てられ、ゆさゆさと真下から突き上げてくる動きに翻弄されて、思考回路がうまく働いていないと言ってもいいかもしれない。
「絶対、自分から手を離しちゃダメだよ」
「…ンッ…ぁ…」
「返事は?」
「は…ッ…はぃ」
首を何度も縦に振って了解の意思を必死で伝える。
そうでもしないと、あまりの快楽の渦にすでに手を放してしまいそうだった。
「お利口な子猫ちゃんに、ご褒美をあげようね」
「ッ!?」
また視界が大きくぶれて、体が跳ねる。
「ロイ、片方俺に貸して」
「なに、スヲン。もういいの?」
「かなりヤバかったけどな」
「じゃあ、ランディのを借りたら?」
先ほど膣と尻穴から産み落とした卵形のローターを両方の乳首に押し当てられて気絶したアヤには今の状況が理解できない。
どこからともなく戻ってきたスヲンがランディの手からマッサージ器を受け取り、それをギュッと押し当ててくる。両手の自由を手に入れたランディは、ここぞとばかりにアヤの腰を掴んで、自身を深く突き上げていた。
「ああ…すっげ…ッ最高」
聞いたことのない声でランディが呟いている。
「アヤ、こっち向け」
「ッ~~~~ぁ、おかしく…な…ゥッ」
「ああ…ッ…綺麗だ」
しまりのない顔で乱れる姿を「キレイ」だと表現する感性の持ち主はそう多くはないことくらい知っている。それでも真顔で、心からそう思っているのだと感じさせてくる声で伝えられて嬉しくなるくらいには狂っている。
いや、狂わされた。
聞いたことのない自分の声。逃げ出したくなるくらいつらいのに、それ以上に欲しいと求める貪欲で卑猥な身体。
従順に、素直に、彼らから与えられるすべてを受け入れ続けていると、何が正常で異常かわからなくなってくる。
「イクッぁランディ…いッいぐ…ぁ…ぁ」
涙をこぼしてすすり泣く姿のどこが綺麗だと言えるのか。
常人にはもはや理解できない。
ランディは全身を震わせて絶頂を堪能するアヤを突き上げながら、その熱い思いを噴水のように放出させていた。
「…っ、はぁ…はぁ…ァ…はぁ」
機械の音が止み。ギュッとランディに抱きしめられても、アヤは自分の膝裏をそれぞれ持ち続けていた。
ランディのキスが半開きの口内を蹂躙するように貪ってくるが、それに応える舌の力も残っていない。飲み込みきれない唾液がランディとの間に糸を引いて零れ落ちても、アヤはじっとされるがまま落ち着かない心臓の音を聞いていた。
「……ッ」
ランディが抜けるだけでイキそうになる。
麻痺した感覚が絶頂への沸点を壊してしまったに違いない。縛られてもいないのに、アヤは自分で足を開いて開脚した状態のまま、ランディが退いて開いた場所に転がされる。
背中にあたる枕にはランディの熱が、まだ残っていた。
「手、離さないで偉いね」
汗だくの身体に張り付いた髪を取り払ってくれるロイの手が微笑みを向けてくる。
「ひっ…ぅ…ンッ」
自分で開脚した足に手を重ねる形で身体を乗せてきたロイをアヤは見つめ続ける。
スヲンもランディも今まで見たことがない声や顔をしていた。たぶん、ロイもそうなると期待したからかもしれない。
「ぅ、わ…ッ…なにこれ、溶ける」
「ぁ…ッ~~、ン…あ…」
「ちょ…アヤ…中だけ動かさないで」
そうリクエストされても、どう返していいかわからない。
体は勝手に反応して、ぐちぃと聞いたことのない音を立てて埋まるロイの要望と真逆の行動を見せたがる。
「もう、手を放していいよ」
ロイの許可が下りたので遠慮なくアヤは自分の足から手を離した。
「ヒッゥ、ぁあっ」
抱きしめるように腰をついたロイのせいで、足の先までピンと体が突っ張って、声が震えてしまう。
「ああ、すごいよ。アヤ、突くたびイってる」
「ア、ぁ…にゃ…な…ふぁ」
一体どういうことか、理解できないのに体だけが異常なほど高まっている。
ロイの言う通り、腰を突き上げられるだけで安易に達してしまう沸点にも驚いたが、それ以上に終わりの見えない快楽の世界に混乱する。
「イっイク~~~~ッだ、めぇ…ロイ…ァあ」
「身体おかしくなっちゃったね」
「にゃ…ッぐ…いぐ…ぅ…ぁ」
「うんうん。もっともっと壊してあげる」
「やだヤッ~~~~…ぁ…ぁー…ぅー」
ロイの腕の中でどうにもならない絶頂の連続に涙がこぼれていく。
ぐすぐすと制御できない現実に泣くことしかできないアヤを抱きしめながらロイは始終「可愛い」を口にしていた。
「ぬぁ…ッ…今の、なに!?」
「つま先がずっと空中を蹴っていたんでな」
「ランディの仕業か……もう、出そうになったじゃん」
アヤの足裏をいたずらに指先で線を描いたランディが、切羽詰まったロイを面白そうに見つめている。
「ちょ…スヲン、それやったら多分アヤ…ッ」
ロイがさらに深く抱きしめてきたと思った瞬間、アヤはロイが腰を突き動かす下方に卵形のローターが再び仕込まれた状況を悟った。
「ヤァッ、ぁーー…あぁぁ…ァ」
「アヤ、ロイも強制的にいかせてやれ」
「スヲンやめてよ、アヤ…ちょ、まじでキッツ…」
スヲンが形さえ見えなくなるほど深く埋め込んだ卵形のローターの振動をONにし、その穴の上からマッサージ器の振動を加えてくる。ロイは思わず抜きそうになった腰をなんとかとどめることに成功し、アヤを抱きしめながら深い息を吐いて情欲を落ち着かせているようだった。
それでも刺激された限界は近いのだろう。
「アヤ、やばい…気持ちいい…っ」
ロイの声が抱き締める強さに比例して熱を帯びていく。
振動が腸壁ごしにロイを痛め付けているようだった。
「ッ!?」
ロイと密着する肌の合間をぬって、腰の付け根に強引に差し込まれたのはランディの腕。
「ランディ…っ…鬼畜」
耳元で熱を込めた声で囁くロイの言葉の意味を反芻しながら、アヤはその腕の中で体をのけぞらせていた。
悲鳴なのか、奇声なのか区別はつきにくい。
「……~~~くっ」
「どうだ?」
得意げなランディの声が、なぜかロイに問いかけている。
暴れるアヤを抱きしめ続けるロイは、それどころじゃないらしい。そうなることをわかっていながらランディは行動を起こし、それはスヲンも助長していた。
「……アヤが壊れた」
なんとか踏みとどまって、その言葉だけを吐き出したロイに、スヲンとランディは目配せして笑い合う。
密着した身体に無遠慮に手を差し込んで、剥き出しの陰核に取り付けられた牛皮の器具。アヤは、その刺激に耐え切れずに絶頂を飲み込んでいたが、密着したロイにも大きな刺激になったらしい。
「もう、無理」
そこからの記憶はアヤにはない。
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