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第三章『争乱篇』
第七十四話『絶え間なく降る愛の詩(前編)』 破
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八月二十九日土曜日、朝。
航は鏡の前で自分の姿を隅々までチェックしていた。
出会ってから十五年、幼い頃から共に過ごしてきて何を今更気取ることがあるのかと思われるかも知れないが、やはり恋人同士に関係が進んだからには良いところを見せたいという思いがある。
それに、こういうところも含めて初デートの醍醐味を味わいたいというのが魅琴の願いだったし、航もそれに乗ったのだ。
(あまりいい加減な格好で行って、期待を裏切りたくはないよな)
おそらく、魅琴も同じ様にお洒落を頑張ってくるだろう。
唯でさえ絶世の美女と言って差し支えない彼女が隣に立つのだから、見窄らしい姿は見せたくない。
また、こうやって悩むこと自体がデートの楽しみの一部なのだろう。
ずっと自宅に戻っていなかった為、服装はどうしてもありものになってしまうが、それでも現状で考えられる一番のコーディネートに頭を捻る。
幸いなことに、服装の手入れは家事の一部として中学時代に散々修行させられた為、どれを選んでも下ろしたての様に皺一つ無く、さまになる。
逆にそれが選択肢を増やし、悩みの種になってしまうのだが。
また、髪や顔の手入れにも手を凝らす。
この辺りは近頃余裕が無かっただけあって、髪型を作るのも眉を整えるのも随分と久し振りだ。
その分、元々端正だった顔が段違いに見違える。
屹度、魅琴も驚くだろう。
「良し、バッチリ!」
納得がいった航は時計に目を遣り、待ち合わせの時間まで余裕があることに胸を撫で下ろした。
そして次に、荷物をチェックする。
「事前に魅琴から送られてきた持ち物は全部入れたよな……」
今回のデート、一日目と二日目でそれぞれ予定を航と魅琴が考えている。
魅琴が準備物として連絡してきたのは、二日目に必要な持ち物だろう。
「これを持って来いってことは……そういうことだよな……」
航は固唾を呑んで指定されたものを鞄の中に入れた。
そしてもう一つ、選挙の入場券も。
「忘れたらマジで幻滅されそうだからな。確実に入れておかないと……」
昨日入場券を持ってくるように連絡するつもりだったと言っていたし、おそらく二日目に魅琴が考えているプランの中には衆議院選挙の投票も織り込まれているのだろう。
そこで「投票所の入場券を忘れた」などと言っては興醒めされてしまうかも知れない。
(国を守る為に命を棄てて戦おうとするような奴だもんな。そりゃ国の政治に参加する意識も高いだろうよ)
逆に航はこのような経験でも無ければあまり深く考えず、選挙もすっぽかしていただろう。
実際、一年前の参議院選挙で航は投票していなかった。
(去年投票しなかったことは墓まで持って行こう。これからは毎回必ず投票しないとな……)
航は鞄を閉めた。
以上、全ての持ち物を確認し、準備を整えた航は、余裕を持って自宅を出発した。
⦿⦿⦿
最寄り駅に到着した航は、周囲を見渡して魅琴の姿を探す。
そこに広がる光景は何ということのない、航が皇國へ拉致される以前と変わらない週末の日常だった。
駅の改札を出入りする者達、誰かを待っている者達、仕事に向かう者達、遠くへ出掛けようという者達――何れからも、戦時中の悲壮な非日常感は見られない。
つい半月程前まで航が命懸けで戦っていたことなど、まるで嘘の様な平穏さだった。
(まだ来てなさそうだな……)
こういう場合、「待った?」「今来たところ」と声を掛け合う定番、というよりは古典的な遣り取りがあるが、なんとなく先に来ていた方が相手を待たせない分気が利いているイメージがある。
それに、万が一長々と待たせてしまったとしたら、どうにも相手に対して後れを取ったような気がする、仮に遅れていなくとも。
「まあ、魅琴のことだから遅れてくることはないだろう。ここは悠々と待たせてもらうとするか」
「残念でした」
航が軽い勝利感を味わおうとしたのも束の間、すぐに背後から聞き慣れた声がその思惑を打ち砕いた。
「なんだ、先に来ていたのか」
「ええ」
航は背後の魅琴がどのような言葉を待っているのか理解していた。
少し勝った気分でいた分、その言葉は敗北宣言にも似ている。
(もしかして、この為に隠れていたな……)
流石は圧倒的強者の暗殺に生涯を懸けた女、気配を消すなどお手の物といったところか。
本来ならばどちらが先に来ていたか程度の話に勝ち負けも何も無い筈なのだが、航は早く来られたことに安心して勝利感を得てしまった。
その僅かな感情の動きを見越した上で、何もかも手玉に取られていたという訳だ。
しかし、悔しいが仕方が無い。
「もしかして、待った?」
「ううん、今来たところよ」
航は敗北感を覚えたが、寧ろそれは先程の勝利感よりも心地良く思えた。
なんと鮮やかに、爽やかに自分から勝利を掻っ攫っていくのだろう。
此方の手の内、思惑を見透かした見事なやり口が溜まらなく愛おしい。
そして何より、振り向いた航が見せ付けられた魅琴の美が勝者に相応しく輝きを放っていた。
長く艶やかな黒髪に能く似合う、シックな黒。
それでいて、夏らしい爽やかさも感じられる。
色彩の対比によって映える透き通る様な白い肌、目を奪われる様な美しく整った顔立ち――喩えるなら、風に香る梔子の花といったところであろうか。
長年彼女を見てきた航がずっと気後れを感じてきた傾国の麗しさが此処へ来て際立っていた。
「す、凄いな……」
「何よ、そんなに引かなくて良いじゃない」
「ごめんごめん。あまりにも君が奇麗だからさ……。いや、普段からそれはそうなんだけど、なんかこう、麻痺していた感覚をはっきりと呼び起こされて再認識させられるというか……」
「ふふ、ありがとう。兎に角一生懸命最大限に褒めようとしてくれているのは伝わるわ。頑張った甲斐があったといったところね」
航の胸が高鳴った。
今日の魅琴が特別魅力的なのは、予想していたとおりだが、初デートの為に彼女もお洒落を頑張ったから。
それはつまり……。
「頑張ったって、僕の為に?」
「ふふふ、貴方はどうなの? それが答えじゃないかしら?」
魅琴は笑顔の花を咲かせた。
彼女がこんな表情を見せたのは何年振りだろうか。
そういえば、今日はよく声に出して笑っている。
「なんだか、機嫌良さそうだね」
「当たり前じゃない」
何当然のことを――そうとでも言いたげに魅琴は航の手を取った。
考えてもみれば、二人はずっと両思いだった。
だがただ臆病さ故に想いを告げられなかった航とは異なり、魅琴は自らの宿命から航との未来を諦めざるを得なかったのだ。
それが思わず叶えられた感動は航とは比べものにならないだろう。
「ねえ、早く行きましょう。今日は貴方が沢山楽しませてくれるんでしょ?」
「魅琴……」
自分とのデートをそれ程までに楽しみにしてきてくれた――航はそんな彼女の手の感触が唯々愛おしくて堪らず、万感の思いを込めて掴み返す。
もう決して、差し出されたその手を握ることに躊躇ったりはしない。
この期に及んで気後れしていては、折角運命に恵まれた歓びに輝いている彼女を悲しみに曇らせてしまうかも知れない。
それだけは決してさせない――自分が彼女を守れるとしたら、そういうところだろう。
「ああ、行こうか」
航と魅琴は確りと互いの手を握って歩き出した。
隣にずっと思い焦がれていた相手を感じ、胸が心地良く高鳴っている。
その感情を共有しているという確信が途方も無く嬉しい。
航は屹度、この高揚感を生涯忘れないだろう。
一日目のデートプランは航の立案である。
二人は意気揚々と最初の目的地へ向かい、改札を潜り抜けた。
航は鏡の前で自分の姿を隅々までチェックしていた。
出会ってから十五年、幼い頃から共に過ごしてきて何を今更気取ることがあるのかと思われるかも知れないが、やはり恋人同士に関係が進んだからには良いところを見せたいという思いがある。
それに、こういうところも含めて初デートの醍醐味を味わいたいというのが魅琴の願いだったし、航もそれに乗ったのだ。
(あまりいい加減な格好で行って、期待を裏切りたくはないよな)
おそらく、魅琴も同じ様にお洒落を頑張ってくるだろう。
唯でさえ絶世の美女と言って差し支えない彼女が隣に立つのだから、見窄らしい姿は見せたくない。
また、こうやって悩むこと自体がデートの楽しみの一部なのだろう。
ずっと自宅に戻っていなかった為、服装はどうしてもありものになってしまうが、それでも現状で考えられる一番のコーディネートに頭を捻る。
幸いなことに、服装の手入れは家事の一部として中学時代に散々修行させられた為、どれを選んでも下ろしたての様に皺一つ無く、さまになる。
逆にそれが選択肢を増やし、悩みの種になってしまうのだが。
また、髪や顔の手入れにも手を凝らす。
この辺りは近頃余裕が無かっただけあって、髪型を作るのも眉を整えるのも随分と久し振りだ。
その分、元々端正だった顔が段違いに見違える。
屹度、魅琴も驚くだろう。
「良し、バッチリ!」
納得がいった航は時計に目を遣り、待ち合わせの時間まで余裕があることに胸を撫で下ろした。
そして次に、荷物をチェックする。
「事前に魅琴から送られてきた持ち物は全部入れたよな……」
今回のデート、一日目と二日目でそれぞれ予定を航と魅琴が考えている。
魅琴が準備物として連絡してきたのは、二日目に必要な持ち物だろう。
「これを持って来いってことは……そういうことだよな……」
航は固唾を呑んで指定されたものを鞄の中に入れた。
そしてもう一つ、選挙の入場券も。
「忘れたらマジで幻滅されそうだからな。確実に入れておかないと……」
昨日入場券を持ってくるように連絡するつもりだったと言っていたし、おそらく二日目に魅琴が考えているプランの中には衆議院選挙の投票も織り込まれているのだろう。
そこで「投票所の入場券を忘れた」などと言っては興醒めされてしまうかも知れない。
(国を守る為に命を棄てて戦おうとするような奴だもんな。そりゃ国の政治に参加する意識も高いだろうよ)
逆に航はこのような経験でも無ければあまり深く考えず、選挙もすっぽかしていただろう。
実際、一年前の参議院選挙で航は投票していなかった。
(去年投票しなかったことは墓まで持って行こう。これからは毎回必ず投票しないとな……)
航は鞄を閉めた。
以上、全ての持ち物を確認し、準備を整えた航は、余裕を持って自宅を出発した。
⦿⦿⦿
最寄り駅に到着した航は、周囲を見渡して魅琴の姿を探す。
そこに広がる光景は何ということのない、航が皇國へ拉致される以前と変わらない週末の日常だった。
駅の改札を出入りする者達、誰かを待っている者達、仕事に向かう者達、遠くへ出掛けようという者達――何れからも、戦時中の悲壮な非日常感は見られない。
つい半月程前まで航が命懸けで戦っていたことなど、まるで嘘の様な平穏さだった。
(まだ来てなさそうだな……)
こういう場合、「待った?」「今来たところ」と声を掛け合う定番、というよりは古典的な遣り取りがあるが、なんとなく先に来ていた方が相手を待たせない分気が利いているイメージがある。
それに、万が一長々と待たせてしまったとしたら、どうにも相手に対して後れを取ったような気がする、仮に遅れていなくとも。
「まあ、魅琴のことだから遅れてくることはないだろう。ここは悠々と待たせてもらうとするか」
「残念でした」
航が軽い勝利感を味わおうとしたのも束の間、すぐに背後から聞き慣れた声がその思惑を打ち砕いた。
「なんだ、先に来ていたのか」
「ええ」
航は背後の魅琴がどのような言葉を待っているのか理解していた。
少し勝った気分でいた分、その言葉は敗北宣言にも似ている。
(もしかして、この為に隠れていたな……)
流石は圧倒的強者の暗殺に生涯を懸けた女、気配を消すなどお手の物といったところか。
本来ならばどちらが先に来ていたか程度の話に勝ち負けも何も無い筈なのだが、航は早く来られたことに安心して勝利感を得てしまった。
その僅かな感情の動きを見越した上で、何もかも手玉に取られていたという訳だ。
しかし、悔しいが仕方が無い。
「もしかして、待った?」
「ううん、今来たところよ」
航は敗北感を覚えたが、寧ろそれは先程の勝利感よりも心地良く思えた。
なんと鮮やかに、爽やかに自分から勝利を掻っ攫っていくのだろう。
此方の手の内、思惑を見透かした見事なやり口が溜まらなく愛おしい。
そして何より、振り向いた航が見せ付けられた魅琴の美が勝者に相応しく輝きを放っていた。
長く艶やかな黒髪に能く似合う、シックな黒。
それでいて、夏らしい爽やかさも感じられる。
色彩の対比によって映える透き通る様な白い肌、目を奪われる様な美しく整った顔立ち――喩えるなら、風に香る梔子の花といったところであろうか。
長年彼女を見てきた航がずっと気後れを感じてきた傾国の麗しさが此処へ来て際立っていた。
「す、凄いな……」
「何よ、そんなに引かなくて良いじゃない」
「ごめんごめん。あまりにも君が奇麗だからさ……。いや、普段からそれはそうなんだけど、なんかこう、麻痺していた感覚をはっきりと呼び起こされて再認識させられるというか……」
「ふふ、ありがとう。兎に角一生懸命最大限に褒めようとしてくれているのは伝わるわ。頑張った甲斐があったといったところね」
航の胸が高鳴った。
今日の魅琴が特別魅力的なのは、予想していたとおりだが、初デートの為に彼女もお洒落を頑張ったから。
それはつまり……。
「頑張ったって、僕の為に?」
「ふふふ、貴方はどうなの? それが答えじゃないかしら?」
魅琴は笑顔の花を咲かせた。
彼女がこんな表情を見せたのは何年振りだろうか。
そういえば、今日はよく声に出して笑っている。
「なんだか、機嫌良さそうだね」
「当たり前じゃない」
何当然のことを――そうとでも言いたげに魅琴は航の手を取った。
考えてもみれば、二人はずっと両思いだった。
だがただ臆病さ故に想いを告げられなかった航とは異なり、魅琴は自らの宿命から航との未来を諦めざるを得なかったのだ。
それが思わず叶えられた感動は航とは比べものにならないだろう。
「ねえ、早く行きましょう。今日は貴方が沢山楽しませてくれるんでしょ?」
「魅琴……」
自分とのデートをそれ程までに楽しみにしてきてくれた――航はそんな彼女の手の感触が唯々愛おしくて堪らず、万感の思いを込めて掴み返す。
もう決して、差し出されたその手を握ることに躊躇ったりはしない。
この期に及んで気後れしていては、折角運命に恵まれた歓びに輝いている彼女を悲しみに曇らせてしまうかも知れない。
それだけは決してさせない――自分が彼女を守れるとしたら、そういうところだろう。
「ああ、行こうか」
航と魅琴は確りと互いの手を握って歩き出した。
隣にずっと思い焦がれていた相手を感じ、胸が心地良く高鳴っている。
その感情を共有しているという確信が途方も無く嬉しい。
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