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8.女子高生、異世界を観光する
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熊さん兵士と聖女様見学に行った私ですが…
「凄いですね!本当に透明人間になった気分です!」
「だから言ったろ、多分大丈夫ってな。」
オルコット家の使用人と思われる人々が働いている間をぬけます。
熊さんはなんだか遠巻きにされているようです。不思議です。
「俺がなんで悪目立ちしてるのか?とか、考えてただろ?俺は城からの使いだからな。それに獣魔法を使うし…」
「なるほど。私は自宅に軟禁されていた感じなんですかね?」
「そうだぜ。自宅の場所も覚えてねぇのか?やべぇな。」
「やべぇです。」
豪華な装飾の部屋を通り、気の遠くなるような廊下を歩きます。
と、突然、熊さんが立ち止まりました。
「へぶしっ」
鼻をしたたかにうちます。
「熊さん…急に立ち止まらないで下さい…!」
「しっ。フミル・オルコット公爵だ!」
その視線の先で眉間にシワを寄せた厳しそうなおじ様が老執事と話していました。
カレンのお父様…でしょうか?
黒髪にちらほらと白髪が混じっています。赤い瞳はカレンに似て美しいです。
「カレンは、相変わらず私の胃を痛めるのが上手だな。皆にも、迷惑がかかったね。」
そうオルコット公爵が言った時、その声が水のように頭に染みました。なんだか昔のことを思い出しまします。
私の頭に手をのせる、大きな手。
優しかった父のことを。
もう、天国にいらっしゃいますけどね。
「………」
「どうした?嬢ちゃん?」
しばらくぼうっとしていたようです。
オルコット公爵はもういなくなっていました。
「いえ、なんでもないんです。」
…今は、昔のことを思い出している場合ではありません。今の私は本田 夏蓮ではなく、カレン・オルコット。追放直前の悪役令嬢なのです。
「まぁ、いいけどな。ほら行くぞ。」
熊さんが、使用人用の扉を開けます。眩しくて目をほそめました。
私の目に飛び込んできたのは光溢れる異世界。
ネット小説で、何百何千と描写されてきた、剣と魔法溢れる西洋風の町並み。
そして、天高くそびえ立つ城。
「これが…プロメリア王国。」
「ああ、そうだ!精霊と聖女に祝福されし、魔法大国。飯もうまけりゃ、戦いも強い、くそったれな王国さ!」
熊さんが何故か憎々しげに紹介します。
私が読んでいたネット小説、「転生聖女、プリンス達に溺愛される」の描写と瓜二つの景色です。
閑静な町並みを歩くこと30分ほど。お城の門につきました。
早いですね。オルコット家、王城から徒歩30分。優良物件です。
「でも、堅牢なお城ですね。どうやって入るんです?」
そう言っている間に熊さんは通行証のようなものを出して城内に入っていきました。
そして、ウインク。
「言ったろ?俺は城からの使いだって」
「ウインクって似合うのは、ふじこちゃんくらいですよね。」
「?何の話だ?」
何でもないです。
それにしても、さすがに王城。公爵家だけでも目が痛くなるほど豪華だったのに、さらに金ピカです。
そんな廊下をするすると熊さんは進みます。
アーチ型のテラスに出た時に、熊さんは城の奥の光輝く尖塔をゆびさしました。
「あれが聖女サマのいるプロメリア聖中央教会だ。」
「長い名前ですね。」
「聖女や聖人はこの国の要だからな。何百年かに一度、異世界から降臨して、強力な個有魔法を使うんだ。」
「異世界から来た人は強い魔法を使う人が多い…ってことですか?」
「あぁ、基本的にそうだな。たまにこっち出身でも強い魔法を使える奴がいるが、そういうのは魔女や悪魔って呼ばれたりするな。」
悪魔…魔女…
青い鳥が綺麗な声で鳴いています。
「それっておかしいです。出身地が違うだけで魔女と聖女って。」
すると、熊さんが目を丸くしたように見えました。
だけれどそれも一瞬でさっきまでののほほんとした笑顔にすぐに戻ります。
「そういうもんさ。身近に強い奴がいたら、びびっちまうだろ。」
そういう…ものなのでしょうか?
熊さんが切り替えるように手をパンっと叩きました。
「で、聖女サマに会いに行くんだろ?この先は教会の管轄だから俺は行けない。ただの城の兵士だからな。」
「えっ…!?ではどのようにして…」
「こっからの案内は彼女に頼みな」
彼女…?
でも誰もいませんし…
すると、熊さんの指に綺麗な青い鳥が止まりました。
「かわいいです!!!」
鳥が首をこてんとかしげます。見たことのない鳥ですが、青くひかるような羽が美しいです。
こんな、綺麗な小鳥を手なずけているなんて熊さんってデ●ズニープリンセス?
「彼女が聖女様のもとまで案内してくれるから。ついていきな。ただし、」
「ただし?」
「俺の側を離れることになるから、保護色の効果は長くは続かない。長居しすぎないようにな。いてっ」
熊さんが小鳥につつかれながら話します。
「わかりました。小鳥さん、案内をよろしくお願いいたしますね。」
「チチチチ」
突撃!隣の聖女様。小鳥につられてれっつごーです。
小鳥につられて、ステンドグラス越しの光が差し込む教会を歩きます。
大理石らしき床に自分が映っていないことにホッとしました。
目の肥え具合がインフレしてきましたが、教会は王城よりも豪華に感じます。
普通王城のほうが豪華なイメージですが、この国は教会の力が強いことを小説で読んだ気がします。聖女の力でしょうか?
「チチッ」
青い小鳥さんが案内してくれたのは、薔薇が咲き乱れる、空中庭園でした。遠くから、楽しげな声が聞こえます。
棘に気をつけて、迷路のような薔薇の生け垣を抜けます。開けた場所に出ると、指先に青い小鳥さんが止まって、「向こう」と言うように首を傾けました。
そこには、
「……お茶会!?」
アリスの帽子屋もかくやというほどの、豪華なお茶会が開かれていました。
テーブルを囲んで1人のベールで顔を隠した少女と沢山の男性がお茶をしているのです。
男性の1人が、ベールの女性に声をかけます。
「聖女様。今日はお呼びいただき、ありがとうございます。」
彼は、髪に口づけをしました。は、破廉恥な!私は手で目を押さえながらも好奇心で薄目を開けます。
「チチチ」
小鳥が冷たい目で見てきます。だってしょうがないじゃないですか。少女小説のような展開をこの目で見れるんですよ!聖女様は甘えたような声を出しました。
「ふふ。ありがとう。」
「宝石のような菓子達ですね。でも、この場で一番美しいのは、聖女様。貴女です。」
「名前では、呼んでくれないの?」
「では、モエと。」
「きゃ!嬉しい!」
「ちょっと待った!モエは俺のものだろ!」
別の男性乱入です。
ワイワイと聞き取りづらくなりました。せっかく、艶々でふわふわなのに、見向きもされないお菓子に目を向けます。
色とりどりのお菓子は一口サイズで、色んな味が楽しめそうです。
異世界のお菓子はどのようなものかと思いましたが、マカロンのようなものやシュークリームのようなもの、ミニケーキのようなものなど、見慣れたものに近いものばかりです。
聖女様が作らせているのでしょうか?私も作りたいです。雇ってほしい。
閑話休題。聖女様を見にきたのでした。多分、ベールの女性が聖女様で確定でしょう。他には、男性しかいませんし。それにしても、男性は皆イケメン揃いですね。まるで逆ハーレム。ネット小説の「転生聖女、プリンス達に溺愛される」の主人公どうりです。
肝心の聖女様の顔はベールでみえません。
どうしましょう?
「チチチチ!」
突然小鳥が鳴き出しました。ちょっ、ちょっと!困ります!あ、でも、今の私は見えてないんでしたっけ?
聖女様がこちらを向き、一陣の風がベールを揺らしました。
「え!?」
私は思わず、声をあげます。
だって、聖女様の顔は……
「凄いですね!本当に透明人間になった気分です!」
「だから言ったろ、多分大丈夫ってな。」
オルコット家の使用人と思われる人々が働いている間をぬけます。
熊さんはなんだか遠巻きにされているようです。不思議です。
「俺がなんで悪目立ちしてるのか?とか、考えてただろ?俺は城からの使いだからな。それに獣魔法を使うし…」
「なるほど。私は自宅に軟禁されていた感じなんですかね?」
「そうだぜ。自宅の場所も覚えてねぇのか?やべぇな。」
「やべぇです。」
豪華な装飾の部屋を通り、気の遠くなるような廊下を歩きます。
と、突然、熊さんが立ち止まりました。
「へぶしっ」
鼻をしたたかにうちます。
「熊さん…急に立ち止まらないで下さい…!」
「しっ。フミル・オルコット公爵だ!」
その視線の先で眉間にシワを寄せた厳しそうなおじ様が老執事と話していました。
カレンのお父様…でしょうか?
黒髪にちらほらと白髪が混じっています。赤い瞳はカレンに似て美しいです。
「カレンは、相変わらず私の胃を痛めるのが上手だな。皆にも、迷惑がかかったね。」
そうオルコット公爵が言った時、その声が水のように頭に染みました。なんだか昔のことを思い出しまします。
私の頭に手をのせる、大きな手。
優しかった父のことを。
もう、天国にいらっしゃいますけどね。
「………」
「どうした?嬢ちゃん?」
しばらくぼうっとしていたようです。
オルコット公爵はもういなくなっていました。
「いえ、なんでもないんです。」
…今は、昔のことを思い出している場合ではありません。今の私は本田 夏蓮ではなく、カレン・オルコット。追放直前の悪役令嬢なのです。
「まぁ、いいけどな。ほら行くぞ。」
熊さんが、使用人用の扉を開けます。眩しくて目をほそめました。
私の目に飛び込んできたのは光溢れる異世界。
ネット小説で、何百何千と描写されてきた、剣と魔法溢れる西洋風の町並み。
そして、天高くそびえ立つ城。
「これが…プロメリア王国。」
「ああ、そうだ!精霊と聖女に祝福されし、魔法大国。飯もうまけりゃ、戦いも強い、くそったれな王国さ!」
熊さんが何故か憎々しげに紹介します。
私が読んでいたネット小説、「転生聖女、プリンス達に溺愛される」の描写と瓜二つの景色です。
閑静な町並みを歩くこと30分ほど。お城の門につきました。
早いですね。オルコット家、王城から徒歩30分。優良物件です。
「でも、堅牢なお城ですね。どうやって入るんです?」
そう言っている間に熊さんは通行証のようなものを出して城内に入っていきました。
そして、ウインク。
「言ったろ?俺は城からの使いだって」
「ウインクって似合うのは、ふじこちゃんくらいですよね。」
「?何の話だ?」
何でもないです。
それにしても、さすがに王城。公爵家だけでも目が痛くなるほど豪華だったのに、さらに金ピカです。
そんな廊下をするすると熊さんは進みます。
アーチ型のテラスに出た時に、熊さんは城の奥の光輝く尖塔をゆびさしました。
「あれが聖女サマのいるプロメリア聖中央教会だ。」
「長い名前ですね。」
「聖女や聖人はこの国の要だからな。何百年かに一度、異世界から降臨して、強力な個有魔法を使うんだ。」
「異世界から来た人は強い魔法を使う人が多い…ってことですか?」
「あぁ、基本的にそうだな。たまにこっち出身でも強い魔法を使える奴がいるが、そういうのは魔女や悪魔って呼ばれたりするな。」
悪魔…魔女…
青い鳥が綺麗な声で鳴いています。
「それっておかしいです。出身地が違うだけで魔女と聖女って。」
すると、熊さんが目を丸くしたように見えました。
だけれどそれも一瞬でさっきまでののほほんとした笑顔にすぐに戻ります。
「そういうもんさ。身近に強い奴がいたら、びびっちまうだろ。」
そういう…ものなのでしょうか?
熊さんが切り替えるように手をパンっと叩きました。
「で、聖女サマに会いに行くんだろ?この先は教会の管轄だから俺は行けない。ただの城の兵士だからな。」
「えっ…!?ではどのようにして…」
「こっからの案内は彼女に頼みな」
彼女…?
でも誰もいませんし…
すると、熊さんの指に綺麗な青い鳥が止まりました。
「かわいいです!!!」
鳥が首をこてんとかしげます。見たことのない鳥ですが、青くひかるような羽が美しいです。
こんな、綺麗な小鳥を手なずけているなんて熊さんってデ●ズニープリンセス?
「彼女が聖女様のもとまで案内してくれるから。ついていきな。ただし、」
「ただし?」
「俺の側を離れることになるから、保護色の効果は長くは続かない。長居しすぎないようにな。いてっ」
熊さんが小鳥につつかれながら話します。
「わかりました。小鳥さん、案内をよろしくお願いいたしますね。」
「チチチチ」
突撃!隣の聖女様。小鳥につられてれっつごーです。
小鳥につられて、ステンドグラス越しの光が差し込む教会を歩きます。
大理石らしき床に自分が映っていないことにホッとしました。
目の肥え具合がインフレしてきましたが、教会は王城よりも豪華に感じます。
普通王城のほうが豪華なイメージですが、この国は教会の力が強いことを小説で読んだ気がします。聖女の力でしょうか?
「チチッ」
青い小鳥さんが案内してくれたのは、薔薇が咲き乱れる、空中庭園でした。遠くから、楽しげな声が聞こえます。
棘に気をつけて、迷路のような薔薇の生け垣を抜けます。開けた場所に出ると、指先に青い小鳥さんが止まって、「向こう」と言うように首を傾けました。
そこには、
「……お茶会!?」
アリスの帽子屋もかくやというほどの、豪華なお茶会が開かれていました。
テーブルを囲んで1人のベールで顔を隠した少女と沢山の男性がお茶をしているのです。
男性の1人が、ベールの女性に声をかけます。
「聖女様。今日はお呼びいただき、ありがとうございます。」
彼は、髪に口づけをしました。は、破廉恥な!私は手で目を押さえながらも好奇心で薄目を開けます。
「チチチ」
小鳥が冷たい目で見てきます。だってしょうがないじゃないですか。少女小説のような展開をこの目で見れるんですよ!聖女様は甘えたような声を出しました。
「ふふ。ありがとう。」
「宝石のような菓子達ですね。でも、この場で一番美しいのは、聖女様。貴女です。」
「名前では、呼んでくれないの?」
「では、モエと。」
「きゃ!嬉しい!」
「ちょっと待った!モエは俺のものだろ!」
別の男性乱入です。
ワイワイと聞き取りづらくなりました。せっかく、艶々でふわふわなのに、見向きもされないお菓子に目を向けます。
色とりどりのお菓子は一口サイズで、色んな味が楽しめそうです。
異世界のお菓子はどのようなものかと思いましたが、マカロンのようなものやシュークリームのようなもの、ミニケーキのようなものなど、見慣れたものに近いものばかりです。
聖女様が作らせているのでしょうか?私も作りたいです。雇ってほしい。
閑話休題。聖女様を見にきたのでした。多分、ベールの女性が聖女様で確定でしょう。他には、男性しかいませんし。それにしても、男性は皆イケメン揃いですね。まるで逆ハーレム。ネット小説の「転生聖女、プリンス達に溺愛される」の主人公どうりです。
肝心の聖女様の顔はベールでみえません。
どうしましょう?
「チチチチ!」
突然小鳥が鳴き出しました。ちょっ、ちょっと!困ります!あ、でも、今の私は見えてないんでしたっけ?
聖女様がこちらを向き、一陣の風がベールを揺らしました。
「え!?」
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だって、聖女様の顔は……
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