深木志麻

戸笠耕一

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第四章

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 タイトル 胸中の病魔
 樫原実歩作
1 深木志麻の死について
 
 深木志麻の死をどう思うか。
 結論から言う。
 特にない。それが私の答え。
 でもそれだけじゃ人は納得をしない。結論から言えば、自分にとって大事な人じゃないから。私にそんな人がいるかは置いておいて。とにかく人間は病気であれ、何であれ死ぬわけだから。致死率百パーセントだ。
 元も子もないと思う人はそれで結構。放課後に渋谷のサーティワンの抹茶アイスをペロペロ舐めながら、この小説の書き方を悩んでいた。
 志麻が死ぬならこっそり死ぬんじゃなくて、堂々と拳銃で頭を打ち抜いて死ぬぐらいやってほしい。
 故人の死に方を論ずるのは珍しい。
 前置きはさておき本題の死因について述べさせてもらう。
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