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第六章
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「次はあなたの番ね。白樺真木さん」
真木は呼ばれる前から席を立ちステージに上がっていた。さっさと終わらせたい。自分は何も関係ない。深木志麻の未発表作なんてどうでもいい。
ただ自分は参加させられただけ。それらしい小説を書いたから、それらしく読むだけでいい。
部屋の灯りが消えて朗読が始まる。
タイトル 白雷と黒影
白樺真木作
1 深木志麻の死について
深木さんの死についてどう思う?
うーん、特になんともって言ったら、怒られそうだけど、他に言い換えようがないかなあ。だってあんなに好き勝手やって死にましたから、本人も本望でしょう。
でも深木さんが死んで口うるさい藤垣が出しゃばるようになって空気が変わってしまいました。そこが気がかりです。
「真木ちゃん、いつまでスマホいじっているの?」
「なに? だめなの?」
「ここは文芸を志す場だよ。休憩所じゃないから。ほら、原稿遅れているし、プロだったら失格だよ」
「私、家じゃないと書かないし、プロじゃないから」
「そんなの甘えだよ」
志麻さんが亡くなって面倒なのは馬面の藤垣がよりリーダー風を出してきます。
「うるせえよ」
深木志麻がいたら雷が落ちたような声で断ち切れるのに。
「うだうだ言ってないで、手前のやることやれよ。文芸はアウトプットしてこそ意味がある。やりたくないなら好きにしろ。どこで何をしようと勝手。俺の思考を妨げるな」
とか言いそう。
「がみがみ言わなくても」
松崎先輩がうまく中和してくれて済んでいましたが。
「だめです。皆で深木先輩がいなくなった後を盛り立てて行くんです。しっかりしないと。これは真木ちゃんのためでもあるんです」
なにこいつ?
志麻さんがいなくなって居心地の悪い場所になっています。愚痴ばかりでは悪いので本題に入ります。
真木は呼ばれる前から席を立ちステージに上がっていた。さっさと終わらせたい。自分は何も関係ない。深木志麻の未発表作なんてどうでもいい。
ただ自分は参加させられただけ。それらしい小説を書いたから、それらしく読むだけでいい。
部屋の灯りが消えて朗読が始まる。
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1 深木志麻の死について
深木さんの死についてどう思う?
うーん、特になんともって言ったら、怒られそうだけど、他に言い換えようがないかなあ。だってあんなに好き勝手やって死にましたから、本人も本望でしょう。
でも深木さんが死んで口うるさい藤垣が出しゃばるようになって空気が変わってしまいました。そこが気がかりです。
「真木ちゃん、いつまでスマホいじっているの?」
「なに? だめなの?」
「ここは文芸を志す場だよ。休憩所じゃないから。ほら、原稿遅れているし、プロだったら失格だよ」
「私、家じゃないと書かないし、プロじゃないから」
「そんなの甘えだよ」
志麻さんが亡くなって面倒なのは馬面の藤垣がよりリーダー風を出してきます。
「うるせえよ」
深木志麻がいたら雷が落ちたような声で断ち切れるのに。
「うだうだ言ってないで、手前のやることやれよ。文芸はアウトプットしてこそ意味がある。やりたくないなら好きにしろ。どこで何をしようと勝手。俺の思考を妨げるな」
とか言いそう。
「がみがみ言わなくても」
松崎先輩がうまく中和してくれて済んでいましたが。
「だめです。皆で深木先輩がいなくなった後を盛り立てて行くんです。しっかりしないと。これは真木ちゃんのためでもあるんです」
なにこいつ?
志麻さんがいなくなって居心地の悪い場所になっています。愚痴ばかりでは悪いので本題に入ります。
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