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第四章 二人の女
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私は起きあがると、引き出しからあるものを取り出す。優里が住んでいた部屋にいるのは悪魔だ。油断はできない。トントンと叩く。
「起きろ、朝だぞ」
反応がない。
「起きろ!」
ドンドンと強めに扉を叩いた。
すやすやと寝ている悪魔がうめき声をあげて扉を開けた。うーんと寝返りを打っている。全ての行為が同じだった。
「我が家はやっぱり落ち着くね。ダーリン」
まだ演じている?
同じ声色。私の頭の中にいたニイナと同じ……
くそ。ふざけやがって!
「起きろ!」
私はレイナを突き飛ばし中に入る。
私は自室の引き出しから裏サイトで手に入れたスミスアンドウェッソンを取り出して突き付ける。何かがあった時の護身用だ。
「ふざけるな。お前のせいだ。昨日言ったようにお前の望んだ場所に行こう。ケリを付けよう」
「何を突然言い出す? 焦るな」
私は不本意ながらレイナを家に泊めている。この女がニイナを確保している以上仕方がない。勝手に野放しにして悪事を働かれるのも避けたかった。
「物騒なものをちらつかせるなよ。ここにいる奈々がどうなってもいいのかよ?」
「よくない。ニイナは解放してもらおう」
「あほか。こいつは私がレイナであると知ってしまった。お前の実家は人が寄り付かない。死体を隠すのには最適だ」
それだけの理由で殺す? 私は怒りが込み上げてきた。
「私の実家でそんな狼藉を許すと思うか?」
レイナは力強くうなずいた。
「私に従って復讐を成し遂げたやつがよく言うぜ。今回も言いなりだけどな」
「どういうことだ?」
私はレイナを見た。きっとわけがあって姉のふりをしている。あれほどまでに優しかったニイナが悪に慣れ果てている。
「夢の中でも喧嘩や葛藤はあった。それを乗り越えて現実に戻ってきたんだ! 奈々に戻ってくれ!」
アハハと高らかと笑っていた。
「全く。ここまでとは。改めて自己紹介をしようか。私の元の名前はレイナ、私には妹がいる。そいつがニイナだ」
「違う。お前じゃない」
「どうしてそう言い切れる?」
名の変名申し立て書に書かれた名前を思い出す。十年前の記憶が霞んで見える。夢の世界ではしっかりと枠に捉えていたのに。
「私は書類を見たとき、恥ずかしそうに隠していた……」
「睡眠薬を飲みすぎだな。物忘れがひどくなっているお前の記憶など当てになると思っているのか? 現実の話と夢の話をごっちゃにしていないか?」
「私は家裁に提出する書類を書いているところを見た。私の誕生日に新しい名前を教えてくれた」
「確かに見たのか? どちらの世界で見た? 夢か? 現実か?」
「どちらでもだ! 相違はない!」
「なぜ言い切れる。根拠はどこにある? そのときの様子を写真や映像に残しているのか?」
確かに。私は言い返せない。
私は漫然と見ただけだ。氏名、住所、本籍など。十年も前の話だ。
「記憶が正しいとは限らない。なぜなら人間は都合のいいものしか見ないからだ」
不都合な真実を棄却してしまうからだ。私の行動をカメラに残した。
「記憶は当てにならない」
「確かに言う通りだが、お前はかなり特殊な人間だ。撮りたい被写体を正確に認識できているとは言い難い。お前は何を証拠として残しているのか、真実を撮っているのか怪しい」
「何を言う。私は家族を殺した連中の末路を取っている。復讐はあと一人分を撮ればいい。お前の最期を撮って終わる」
「へッ、私の最期だと?」
にやけたその表情に私は耐え難い苛立ちを覚える。
「何がおかしい?」
「お前は何も分かっていない。何がための復讐で、原因は何かも分かっていない」
「御託はいい! ニイナを解放しろ!」
「お前は取引を知らないな。何でもかんでも答えを聞いてばかりだ。ボンボンだから仕方ない。お前に足りないのは現実世界での経験だ」
さも私のほうが多くを知っている素振りを見せる。その余裕はどこから来るんだ?
「本当に撃ち殺すぞ!」
不敵な笑みを浮かべていた。全てを知っている顔つきだ。
「一つ当ててやろう。あんたの向けている銃に弾は入っていない。どうだ?」
私はどきりと胸に脈打つ。激情に駆られて撃ち殺してはならない。弾は抜いていた。
見透かしたような表情が私の気を散らす。だめだ、この勝負は負けだ。
「熱くなるなよ。冷静になれ。全身全霊でお前が二十年間、愛して続けた女は目の前にいる!」
ぐちゃぐちゃすぎる。私は何を追い求めていたのだろう?
「わけがわからない」
私は力なくへたり込んだ。これが現実だ。私には撃てない。
「無理するなよ。人にはそれぞれの性分がある。とにかくお前は想定外に弱い。パニック障害だな。私はお前に衝撃の真実を言うかどうか迷っている」
ぼそぼそと私の耳につぶやいた。
「言葉遊びはやめてくれ! 要件を言ってくれないか? 金か?」
「私に愛をくれよ。たった一つの私の望みはそれだ」
意味が分からなかった。
「自分で見つけてくれないか。俺に聞かないでくれ、求めないでくれ」
「お前だよ。私にはお前が必要だ。私に言ってくれ。優里に言った言葉を私に行ってくれ」
その瞳は狂気がかっていた。
愛を得たいだと? お前にそれを甘受できる資格があるというのか。
「無理だ。私は奈々が好きだ。お前の中に私が求める愛はない。他に代わりはいるだろ?」
「へッ。好きといっても二十年前の話だ。聞いてみるか。お前の奈々に」
引きずるようにして、部屋から瓜二つの妹を連れてくる。
「ちょっと! レイ姉、どういう――」
ドンと骨に当たる音がした。奈々はよろけて倒れた。
「教えろ。正夢のヘタレがお前を好きだ。お前はどうだ?」
「よせ。答えなくていい!」
奈々はみぞおちを押さえていた。床に零れ落ちた銃をレイナは拾って突き向けていた。
「覚えていない。二十年も前だし、私には彼氏がいるから。それよりどういうことなの?」
「悲しいことだが、お前は私の身辺調査で何をしているのか知ってしまった。依頼人である正夢の伯父に報告されると私は正夢と結婚できない。だからお前には永遠に黙っていてもらう。許してくれ」
苦しい声がすると同時に、哄笑がけたたましく響いた。
「現実は厳しい。やはり夢見心地のお前からすれば、現実は実に過酷だとわかるだろ?」
「やめてくれ!」
「懇願か。さっきからお前は支離滅裂だ。望み通り、お前の実家に戻ろう」
「忘れろ。遊び相手ならいくらでもいる。私はあんたと違ってヘタレじゃない。ただ愛ってやつを知りたくなった。復讐ごっこしてわかった。愛を私にくれ。子どもも欲しい」
「遊びをしているつもりはない。ふざけるな」
「大真面目さ。私の愛に応えてくれ。お前の復讐のために時間を割いた。お前もいい思いも出来た。なら見返りをくれ」
「俺をたびたび誘うのはそういう理由か」
私は挑発的行動を受けていた。当初はわからなかったが、今聞いて理解はできた。誘惑を受けても愛は受け取れない。
「俺にどうしてこだわる?」
「あんたが知っていることだろ?」
レイナとの過去。私は人生からの存在を消そうとしていた。わけは一つだ。幼少時代に付き合っていた。別れた。理由は性格の不一致だ。
トントンと足を叩く音。それはイライラしているときのレイナの癖。
「正夢は私が嫌いなのか?」
言葉に困った。
「妹が好きなのか?」
「そうじゃない……」
私は詰め寄るその顔を避けるようにして後にした。
振られたことへの恨み?
でも二十年前だぞ?
今さら幼少期の付き合いを掘り起こそうとする?
「恥ずかしくて言えないか?」
私が言いあぐねていたとき時、勝ち誇った表情をしていた。
「時間を与えてやるよ。考える時間が必要だろう」
「頼む。無理だ……」
「ここで言わなくていい。ニイナの前で言え。お前の実家があった場所が素晴らしい」
私は言葉を失う。それだけは絶対に言えない。私の気持ち以上に受け入れがたい。
「青白い顔をするな。あいつの命に比べたら愛を叫ぶなんて大した話じゃないだろ?」
私に二十年という歳月をかけて復讐をしかけていた。最も屈辱的な方法で確実に心に影響を及ぼす方法だ。
(終章 正夢へと続く)
記録二十四
日付:二〇二三年八月七日
時刻:午前十一時
場所:東京都墨田区横網二丁目キャリオール五〇三号室のダイニング
「起きろ、朝だぞ」
反応がない。
「起きろ!」
ドンドンと強めに扉を叩いた。
すやすやと寝ている悪魔がうめき声をあげて扉を開けた。うーんと寝返りを打っている。全ての行為が同じだった。
「我が家はやっぱり落ち着くね。ダーリン」
まだ演じている?
同じ声色。私の頭の中にいたニイナと同じ……
くそ。ふざけやがって!
「起きろ!」
私はレイナを突き飛ばし中に入る。
私は自室の引き出しから裏サイトで手に入れたスミスアンドウェッソンを取り出して突き付ける。何かがあった時の護身用だ。
「ふざけるな。お前のせいだ。昨日言ったようにお前の望んだ場所に行こう。ケリを付けよう」
「何を突然言い出す? 焦るな」
私は不本意ながらレイナを家に泊めている。この女がニイナを確保している以上仕方がない。勝手に野放しにして悪事を働かれるのも避けたかった。
「物騒なものをちらつかせるなよ。ここにいる奈々がどうなってもいいのかよ?」
「よくない。ニイナは解放してもらおう」
「あほか。こいつは私がレイナであると知ってしまった。お前の実家は人が寄り付かない。死体を隠すのには最適だ」
それだけの理由で殺す? 私は怒りが込み上げてきた。
「私の実家でそんな狼藉を許すと思うか?」
レイナは力強くうなずいた。
「私に従って復讐を成し遂げたやつがよく言うぜ。今回も言いなりだけどな」
「どういうことだ?」
私はレイナを見た。きっとわけがあって姉のふりをしている。あれほどまでに優しかったニイナが悪に慣れ果てている。
「夢の中でも喧嘩や葛藤はあった。それを乗り越えて現実に戻ってきたんだ! 奈々に戻ってくれ!」
アハハと高らかと笑っていた。
「全く。ここまでとは。改めて自己紹介をしようか。私の元の名前はレイナ、私には妹がいる。そいつがニイナだ」
「違う。お前じゃない」
「どうしてそう言い切れる?」
名の変名申し立て書に書かれた名前を思い出す。十年前の記憶が霞んで見える。夢の世界ではしっかりと枠に捉えていたのに。
「私は書類を見たとき、恥ずかしそうに隠していた……」
「睡眠薬を飲みすぎだな。物忘れがひどくなっているお前の記憶など当てになると思っているのか? 現実の話と夢の話をごっちゃにしていないか?」
「私は家裁に提出する書類を書いているところを見た。私の誕生日に新しい名前を教えてくれた」
「確かに見たのか? どちらの世界で見た? 夢か? 現実か?」
「どちらでもだ! 相違はない!」
「なぜ言い切れる。根拠はどこにある? そのときの様子を写真や映像に残しているのか?」
確かに。私は言い返せない。
私は漫然と見ただけだ。氏名、住所、本籍など。十年も前の話だ。
「記憶が正しいとは限らない。なぜなら人間は都合のいいものしか見ないからだ」
不都合な真実を棄却してしまうからだ。私の行動をカメラに残した。
「記憶は当てにならない」
「確かに言う通りだが、お前はかなり特殊な人間だ。撮りたい被写体を正確に認識できているとは言い難い。お前は何を証拠として残しているのか、真実を撮っているのか怪しい」
「何を言う。私は家族を殺した連中の末路を取っている。復讐はあと一人分を撮ればいい。お前の最期を撮って終わる」
「へッ、私の最期だと?」
にやけたその表情に私は耐え難い苛立ちを覚える。
「何がおかしい?」
「お前は何も分かっていない。何がための復讐で、原因は何かも分かっていない」
「御託はいい! ニイナを解放しろ!」
「お前は取引を知らないな。何でもかんでも答えを聞いてばかりだ。ボンボンだから仕方ない。お前に足りないのは現実世界での経験だ」
さも私のほうが多くを知っている素振りを見せる。その余裕はどこから来るんだ?
「本当に撃ち殺すぞ!」
不敵な笑みを浮かべていた。全てを知っている顔つきだ。
「一つ当ててやろう。あんたの向けている銃に弾は入っていない。どうだ?」
私はどきりと胸に脈打つ。激情に駆られて撃ち殺してはならない。弾は抜いていた。
見透かしたような表情が私の気を散らす。だめだ、この勝負は負けだ。
「熱くなるなよ。冷静になれ。全身全霊でお前が二十年間、愛して続けた女は目の前にいる!」
ぐちゃぐちゃすぎる。私は何を追い求めていたのだろう?
「わけがわからない」
私は力なくへたり込んだ。これが現実だ。私には撃てない。
「無理するなよ。人にはそれぞれの性分がある。とにかくお前は想定外に弱い。パニック障害だな。私はお前に衝撃の真実を言うかどうか迷っている」
ぼそぼそと私の耳につぶやいた。
「言葉遊びはやめてくれ! 要件を言ってくれないか? 金か?」
「私に愛をくれよ。たった一つの私の望みはそれだ」
意味が分からなかった。
「自分で見つけてくれないか。俺に聞かないでくれ、求めないでくれ」
「お前だよ。私にはお前が必要だ。私に言ってくれ。優里に言った言葉を私に行ってくれ」
その瞳は狂気がかっていた。
愛を得たいだと? お前にそれを甘受できる資格があるというのか。
「無理だ。私は奈々が好きだ。お前の中に私が求める愛はない。他に代わりはいるだろ?」
「へッ。好きといっても二十年前の話だ。聞いてみるか。お前の奈々に」
引きずるようにして、部屋から瓜二つの妹を連れてくる。
「ちょっと! レイ姉、どういう――」
ドンと骨に当たる音がした。奈々はよろけて倒れた。
「教えろ。正夢のヘタレがお前を好きだ。お前はどうだ?」
「よせ。答えなくていい!」
奈々はみぞおちを押さえていた。床に零れ落ちた銃をレイナは拾って突き向けていた。
「覚えていない。二十年も前だし、私には彼氏がいるから。それよりどういうことなの?」
「悲しいことだが、お前は私の身辺調査で何をしているのか知ってしまった。依頼人である正夢の伯父に報告されると私は正夢と結婚できない。だからお前には永遠に黙っていてもらう。許してくれ」
苦しい声がすると同時に、哄笑がけたたましく響いた。
「現実は厳しい。やはり夢見心地のお前からすれば、現実は実に過酷だとわかるだろ?」
「やめてくれ!」
「懇願か。さっきからお前は支離滅裂だ。望み通り、お前の実家に戻ろう」
「忘れろ。遊び相手ならいくらでもいる。私はあんたと違ってヘタレじゃない。ただ愛ってやつを知りたくなった。復讐ごっこしてわかった。愛を私にくれ。子どもも欲しい」
「遊びをしているつもりはない。ふざけるな」
「大真面目さ。私の愛に応えてくれ。お前の復讐のために時間を割いた。お前もいい思いも出来た。なら見返りをくれ」
「俺をたびたび誘うのはそういう理由か」
私は挑発的行動を受けていた。当初はわからなかったが、今聞いて理解はできた。誘惑を受けても愛は受け取れない。
「俺にどうしてこだわる?」
「あんたが知っていることだろ?」
レイナとの過去。私は人生からの存在を消そうとしていた。わけは一つだ。幼少時代に付き合っていた。別れた。理由は性格の不一致だ。
トントンと足を叩く音。それはイライラしているときのレイナの癖。
「正夢は私が嫌いなのか?」
言葉に困った。
「妹が好きなのか?」
「そうじゃない……」
私は詰め寄るその顔を避けるようにして後にした。
振られたことへの恨み?
でも二十年前だぞ?
今さら幼少期の付き合いを掘り起こそうとする?
「恥ずかしくて言えないか?」
私が言いあぐねていたとき時、勝ち誇った表情をしていた。
「時間を与えてやるよ。考える時間が必要だろう」
「頼む。無理だ……」
「ここで言わなくていい。ニイナの前で言え。お前の実家があった場所が素晴らしい」
私は言葉を失う。それだけは絶対に言えない。私の気持ち以上に受け入れがたい。
「青白い顔をするな。あいつの命に比べたら愛を叫ぶなんて大した話じゃないだろ?」
私に二十年という歳月をかけて復讐をしかけていた。最も屈辱的な方法で確実に心に影響を及ぼす方法だ。
(終章 正夢へと続く)
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