瑞樹と桜子2:新婚隣人の仕事対決

naomikoryo

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第6章:仕事とプライベート、どっちを優先する?

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「さて、次のテーマは“仕事とプライベート、どっちを優先するか”よ!」

 瑞希が腕を組みながら、自信満々に宣言する。

「桜子、これはもう絶対に譲れないわよ! 私はね、仕事優先派だから!」

「……ほう?」

 桜子はカップを手に取りながら、ニヤリと笑う。

「じゃあ、私はプライベート優先派として話すわね」

「おお、いいねいいね! ここにきて、ついに意見が分かれたか!」

 二人はテーブル越しに視線を交わし、静かな戦いのゴングが鳴る。

★瑞希の“仕事優先”理論
「いい? 私はね、結婚したからって仕事をセーブするつもりは全くなかったのよ!」

 瑞希は堂々と胸を張った。

「だって、私はこれまでキャリアのために必死で努力してきたのよ? 
 それを結婚したからって“家庭に入ります~”なんてできるわけがない!」

「……まぁ、それは瑞希らしいわね」

「でしょ? だから結婚前に翔太にも言ったの。“私、仕事は今まで通りバリバリやるからね!”って」

「で、旦那さんはなんて?」

「“うん、いいんじゃない?”って言ってたわ」

「ほう……」

 桜子はカップを置きながら、じっと瑞希を見つめた。

「で、それ、実際に結婚してからもスムーズにいってるの?」

 ピタッ。

 一瞬、瑞希の動きが止まった。

「……えっ?」

「だから、結婚前に“仕事優先でいく!”って宣言したけど、実際に結婚生活を送ってみて、問題は起こらなかった?」

「……」

 瑞希の目が泳ぐ。

 桜子はニヤリと笑った。

「ふふふ、瑞希、なんかあるわね?」

「……いや、まぁ、ちょっとした問題はあったわよ? ちょっとだけね?」

「ちょっと?」

「……けっこう?」

「ほら、やっぱり」

 桜子が勝ち誇ったように腕を組むと、瑞希は大きなため息をついた。

「……だってさぁ! 私、仕事が忙しすぎて、最初の半年くらい、ほぼ家のことできなかったのよ!」

「え、それは具体的にどれくらい?」

「えっと……朝7時に出て、夜11時に帰る感じ?」

「……新婚生活、楽しめてる?」

「うっ……」

「で、旦那さんは?」

「……最初は“いいよ、無理しないで”って言ってくれてたんだけど、ある日ついに言われたのよ」

 瑞希は咳払いをして、旦那・翔太の口調を真似た。

「“瑞希、俺たち、一緒に住んでるよね?”って」

「……!!!」

「その時、私、ハッとしたのよ! “あれ、私、結婚したのに一人暮らしと変わらない生活してない?”って」

「うん、それ気づくの遅いわね」

「そうなのよ! だから、それからは仕事だけじゃなくて、ちゃんと家庭の時間も作ろうって思ったの!」

「へぇ、それで?」

「……まぁ、今も仕事が忙しいのは変わらないんだけど……
 休日はなるべく一緒に過ごすようにしたわ!」

「なるほどね。でも、結局のところ、まだ仕事優先なわけね?」

「……まぁ、そうね! でも、前よりはバランス考えてるつもりよ!」

「うん、それならいいと思う」

 桜子は微笑みながら頷いた。

「さて、次は私の“プライベート優先”理論ね」

★桜子の“プライベート優先”理論
「私はね、結婚したら“無理に仕事を頑張りすぎるのはやめよう”って決めてたのよ」

「おお、真逆の考えね!」

「うん。だって、結婚生活って仕事とはまた違う“新しい生活”じゃない? 
 だったら、そこにしっかり向き合う時間も必要かなって思ったの」

「ほうほう」

「だから、私は在宅ワークに切り替えたし、夫との時間をなるべく大事にするようにしてるの」

「へぇ、いいじゃん」

「……でもね」

「でも?」

「最近、夫が私にこう言うのよ」

 桜子は少しムッとした表情で言った。

「“桜子、最近ちょっとのんびりしすぎじゃない?”って」

「……えぇぇ!? 何それ!」

「私だってちゃんと仕事してるのに! 
 なんか、“家にいる時間が長いから、もっと家事も完璧にできるでしょ?”みたいな空気を出されるのよ!」

「うわぁ、それは腹立つね」

「でしょ!? だから最近、私もちょっとイライラしてるのよ!」

「なるほどね……結局、“仕事優先”でも“プライベート優先”でも、それぞれに問題はあるってことね」

「そういうこと!」

 二人は顔を見合わせ、ため息をついた。

「仕事に全振りしたら夫が寂しがるし、プライベート優先にしたら“もっと働け”みたいな空気が出るし……
 結局、正解って何なの?」

「ほんとそれ!」

 瑞希と桜子は、同時にカップを手に取り、ゴクリと飲む。

 ——結局のところ、仕事とプライベートのバランスって、めちゃくちゃ難しい。

「でもさ、こうして話してみると、お互いバランスを取る努力はしてるんだよね」

「うん、たしかに」

「だから、どっちが正しいとかじゃなくて、自分に合ったやり方を見つけるしかないのかもね」

「そうね……でも、こういう話ができる相手がいるだけでも、だいぶ気が楽になるわ」

「それな!!」

 二人は笑いながら、カップを掲げて軽くぶつけた。

「さて、次は**“私の仕事での最高の瞬間”**について話そうか!」

「おお、それは絶対楽しいやつ!」

 こうして、新婚隣人たちの“仕事バトル”は、ますます盛り上がっていくのだった——。
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