名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第11話:スケッチブックに描かれた嘘(1/4)

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~初依頼!名探偵、生徒会としての初仕事~
「失礼しますっ!」

慌てて駆け込んできたのは、小柄でおさげ髪の1年生の女子生徒だった。
制服の袖は少し長め、胸元には青いリボン。肩に抱えるのは、分厚いスケッチブック。

その子は息を切らせながら、生徒会メンバーを見渡して――

「こ、こちらって、“相談ごと受け付けてる”って聞いて……!」

「はい、我ら探偵生徒会、お悩みも謎もトラブルも全部引き受けます!」

「ちょ、勝手に看板つくってない!?」

「大丈夫です!ちゃんと顧問も“まあいいんじゃない?”って言ってくれました!」

「ぬるい顧問だな……」

新入生は緊張した様子で、スケッチブックを抱きしめながら名乗った。

「1年A組の……日下部いろはと申します……」

「おっ、可憐系後輩キャラ来たね~!」と美穂がにやつく。

「で、どんな相談?」と早紀が本題に戻す。

「……あの、これ、見てください」

彼女がそっと差し出したのは、古びたスケッチブック。
表紙には小さく「K.K.」とサインがある。

パラ、とページをめくると、鉛筆で丁寧に描かれた風景画や人物画が並んでいた。
どれも、とても繊細でリアル。写実的なのに、どこか詩的な余白がある。

「う、上手すぎる……!」

「これ、いろはさんが描いたの?」

「いえ……違います。これは、私の――お兄ちゃんの作品です」

■「死んだはずの兄の絵が、“増えている”んです」
一同:「…………え?」

日下部いろはの話は、こうだった。

絵の主は、彼女の実兄・日下部 慧(けい)。美術コースの学生だったが、昨年交通事故で他界。

遺品として残ったのがこのスケッチブック。

彼の遺作として大切に保管していたが、ある日気づいた。

「描いた覚えのないページが、“増えていた”んです……」

最後のページの裏に、誰も知らない絵が一枚。
 そして、さらに最近もう1ページ、“別の絵”が増えていたという。

マコト:「こっわ!?ホラー!?心霊事件!?」

早紀:「落ち着け!この時点で“犯人:幽霊”って決めつけるな!」

美穂:「でもそれマジでヤバくない?亡くなった人の作品が“増える”とか……え、それってつまり……お兄さんが今も――」

「わあああああああああ!!!!」

■探偵生徒会、動き出す!
蓮が静かに手を挙げた。

「スケッチブック、調べてみていい?
 筆跡や紙質に変化があるかどうか……気になる」

「は、はい、どうぞ……」

蓮が白手袋(マイ常備)を取り出し、ページをめくる。
マコトも横から覗き込む。

「なるほど……最後の3ページ、“タッチが微妙に違う”。これは明らかに、別人の手によるもの……!」

「でもそれを、本人のスタイルに“似せて”描いてる……?」

「つまり、これは――**贋作(がんさく)**の可能性がある」

いろはが息を呑む。

「でも……なんでそんなことを……?」

マコトは、目を細めて言った。

「俺の勘が告げている……この事件、ただの悪戯じゃない。
 “誰かが、意図的に絵を残している”――その理由は、まだわからないけど」

早紀:「……にしても、そんな手間のかかること、誰が……?」

美穂:「しかも、お兄さんの絵にそっくりってことは、かなり近い関係者かも……?」

マコト:「そうだ。いろはさん」

「は、はい……」

「お兄さんの交友関係で、“同じ美術部”だった人や、“絵のスタイルを知っていた人”に心当たりはある?」

いろははしばらく考えたあと、こう言った。

「……1人だけ、います。“美術準備室”に、今も絵を描き続けている人が」

その名前を口にした瞬間――
生徒会室の空気が、少し冷たくなったように感じた。

「**橘 時雨(たちばな しぐれ)**先輩です。
お兄ちゃんと一番仲が良くて……事故のあとも、ずっと“兄の絵の続きを描いてる”って噂があって――」

◆つづく◆
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