名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第23話:勉強って、みんなでやれば楽しいよね!

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~名探偵、学力ピンチの少女を救う?~
青葉ヶ丘高校・生徒会室。
昼休みのざわめきが廊下を満たすなか、生徒会室のドアがコンコンと小さく鳴った。

「失礼しますっ……!」
とても小さな声。入ってきたのは、見覚えのない1年生の女の子だった。

髪をお団子に結い、制服の襟が少し曲がっている。どこかあどけないが、必死な表情。

「ここって……“困ったことは何でも相談していい”って聞いたんですけど……」
「(勝手にそう言われてる!?)」
と、早紀が即座にツッコむ。

だが、少女――**中嶋りな(なかじま・りな)**はおかまいなしに一礼し、まっすぐ言った。

「私、テストで赤点取りそうなんです!助けてください!」

「……というわけで、どうする?」

「却下でしょ」
早紀は即断。

「生徒会の仕事じゃないし、個別指導って何よ。教師でもないのに」

「ていうか、マコトお前も“教えるの苦手側”じゃん」と佐伯。

「そんなことないぞ!」とマコトがズイッと立ち上がる。

「勉強って、みんなでやれば楽しいよね!?
 事件を解くのと同じだよ!ヒントを集めて、仮説を立てて、答えを導き出す……完全にミステリーじゃん!」

「論点がねじ曲がってる!!」

しかし、そこに美穂が乗った。

「え~面白そうじゃんそれ!てか、ギャルって教え方うまい説あるよ?
 数学とか“ギャル変換”すれば楽勝でしょ?」

蓮は静かにうなずいた。

「試験前のこの時期、学校全体で“少しでも勉強に向かう空気”ができるのは悪くない」

「……待って、なんでそっちに傾いてんのよ!?」

「でさ、どうせやるならさ――みんなで配信しない?」

マコトが爆弾を落とした。

■名探偵、暴走する
「ちょ、ちょっと待って!?何言ってんの!?配信って何よ!?」

「だってさ、1人だけに教えるのズルいでしょ?
 だったらみんなに教えようよ!**放課後ライブ補習!**テスト前限定の“生徒会チャンネル”!」

「ええええ!?公共電波使って!?」

「YouTubeは校内専用チャンネルあるし!顧問の樋口先生に聞いてみたら『面白いじゃん』って即OK出たし!」

「通っちゃったの!?先生なにしてんの!!?」

こうして、生徒会補習ライブ配信プロジェクトが発足。

メンバー 担当教科 教室 コメント
早紀 国語(現代文+文法) 1年A組教室 教師の講義に近いガチ解説
美穂 数学(1年の範囲限定) 被服室 ギャル式解説で人気爆発
蓮 英語(文法+単語暗記法) 図書室 講義スタイルだがわかりやすいと評判
詩織 現代社会 生徒会室 “公務員試験対策か?”と噂される緻密さ
佐伯 理科(生物・化学中心) 理科室 スライド+実験道具でプレゼン風配信
綾小路 古典と道徳的な何か 音楽室 謎の演出とBGM付きで一部熱狂的ファンが出現
マコト 推理力の鍛え方(仮) 出演なし 本人がいないため“謎枠”として逆に話題に

■一方そのころ、マコトは
図書館・窓際席。
今日もマコトは机に積んだ文庫を崩しながら読みふけっていた。

『XYZの悲劇』
『名探偵に花束を』
『なぜ彼女は校庭で殺されていたのか』

ノートにはびっしりと犯人の動機パターン分類図。

「うーん……“毒入り紅茶”はいつの時代も鉄板だよなぁ……」

その背後――

バンッ!!

「アンタァァァァァ!!!」
怒声とともに登場したのは、当然の如く早紀。

「なんであんたの枠だけ再生数ゼロなの!?
 っていうかそもそも配信始まってすらいないの!?
 “録画で見るからいいや”って何その逃げ台詞!!」

「いや、推理小説は最高の勉強素材だよ?“知識の積み重ねは一生モノ”って綾小路も――」

「出せや!!成績出してから言えや!!」

こうして生徒会補習プロジェクトは、意外な盛り上がりと不穏な伏線を残しながらスタートした。

配信は盛況。
1年生たちは「生徒会って神!」と大盛り上がり。
そしてマコトはというと――
後日、大変なことになる。

◆つづく◆
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