名探偵マコトの事件簿3

naomikoryo

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第38話:間違いだらけの答案と、ひとつだけの正解(4/4・最終話)

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~「伝わらない」と思っても、それでも書いた~
放課後の生徒会室。
ホワイトボードには、事件の発端となった“答案の裏の走り書き”がすべて貼り出されていた。

その一枚一枚が、まるで誰かの心の断片のように見える。

「テストの点数に、こんな感情を乗せるやつがいるなんて、正直予想外だったわ……」
早紀が小さく笑いながら呟いた。

「けど、思春期って、言えない気持ちを“偶然”に託したがるもんじゃん?」
美穂がポテチをつまみつつ補足。

「しかも、伝えようとする勇気が“テストの裏”ってところが、なんか泣けるよな」
佐伯が目を細めて言う。

「まったくだ」
とマコトも頷いた。

「間違いだらけの答案でも、そこに書いた“想い”が正解なら、それでいいんだよ」

■事件記録ファイル No.005:『テストの裏に書かれた“メモの連鎖”』
項目 内容
発端 1年生の数名が、テスト答案の裏に不可解なメモを発見
展開 メモは連続しており、“ある生徒への呼びかけ”になっていた
真相 書いたのは1年C組・村田優斗。メッセージは川嶋紬へ向けたものだった
動機 「偶然同じ点数だったこと」をきっかけに芽生えた想いを、“誰にも言わずに”伝えたかった
解決 川嶋本人にメッセージは届き、感謝のメッセージが掲示板にて返された

■綾小路命名・事件タイトル
『恋と点数の分母はひとつ。答案裏の片想い』

■生徒会コメント欄(抜粋)
・ 蓮
一見すると“いたずら”でも、その裏に意志があるなら、それは立派な表現だ。
点数では測れないことも、きちんと拾うべきだと思う。

・ 早紀
間違えてもいい。でも、その裏に“誰かを思う気持ち”があったら、正解でしょ。
人の答案まで好きになれるなら、大したもんよ。

・ 美穂
いつか「好き」って言えたらいいねって思うけど、今はこのままでも青春だよね。
#答案ラブレター爆誕

・ 佐伯
「点数でつながる」とかマジで笑ったけど、
その“偶然の中の必然”に名前をつけてやるのが、生徒会かもな。

・ 綾小路
言葉は短く、しかし文脈は深く。
この事件は、詩的だった。まさに、答案上のラブソング。

・ 詩織
答案の裏面は、心の表面。これはもう、立派な感情の提出物ね。

・ 会長・マコト
答案用紙の裏側には、答えじゃなく“問い”が書かれていた。
でも、それにちゃんと“返事”があったから――それだけで、事件は解決なんだと思う。

■結び
その後、生徒会内では「答案裏の私的使用は原則禁止。ただし文学的価値を認めた場合は除外」と
**“なんともふわっとした内規”**がひっそり制定されたとかされなかったとか。

●事件完了
→ファイル棚D-3「感情系・文系案件」に記録
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