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第56話:誤解を拡散させたのは誰か(4/5)
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~ウワサは一瞬、信頼は一生~
翌日の朝――
加賀見るなは、少し迷いながらも登校してきた。
昇降口のざわめきはまだ続いている。
誰かがるなをチラッと見て、誰かがそらす。
言葉に出さなくても、“何かを知ってるふり”の空気が刺さる。
彼女の足は、昇降口で止まってしまった。
そこへ、現れたのは篠原友翔。
今日は、やけに姿勢がいい。
スカートを履いた女子の後ろに立つのを避け、
まるで“無害”を演出してるかのような挙動だ。
「るな、ちょっと話していい?」
るなは無言で頷いた。
■中庭、沈黙のあとに
人気のない中庭のベンチ。
沈黙が数秒、いや数十秒流れたあと、篠原が頭を下げる。
「ごめん。
ほんとに……俺が勝手に勘違いして、
お前がスマホでなんか撮ってるの見て、
“面白そう”って、SNSにネタっぽく書いた。
……結果、全部お前に飛んでって、苦しめた」
るなは、すぐには何も言わなかった。
でも、ほんの少しだけ顔を上げて、ぽつりと返す。
「……私、花を撮ってただけ。
それを“盗撮”だって言われて、
何が起きたのか分からなくて、こわかった」
「……ほんと、ごめん」
「でも……謝ってくれて、ありがとう」
二人の距離が少しだけ縮まったとき、
生徒会室では、マコトが生徒会メンバーを集めていた。
■緊急アナウンス準備会議
「このままじゃ“なんか事件あったらしい”って空気だけが残る。
それって、るなちゃんにとっても、学校にとっても最悪」
そう語るマコトに、綾小路が頷く。
「じゃあ、俺が全校放送用の原稿を書く。
言い方、めちゃくちゃ慎重にしなきゃだけど――
“デマの危険性”をしっかり伝えたい」
詩織「SNSって、“事実”より“面白さ”が先に走ると、もう止まらないもんね」
蓮「正義感っぽく見せて、実はただの好奇心とか……怖ぇ世界だな」
佐伯「でもそれを止める方法が、“誰かの声”だってのは、今回よくわかったよ」
早紀「マコト、あなた、ちゃんと怒ってよかったと思う」
美穂「うん、ちょっと引くくらいの説教だったけど、
あれで“なにがダメだったのか”本気で伝わったっぽい」
マコトは、照れくさそうに鼻をこする。
「名探偵って、真相だけじゃなくて、そのあとどうするかも考えなきゃなって」
■放課後、全校へのアナウンス
その日の放課後――
放送室から、静かな声が流れた。
それは綾小路による、冷静かつ端的なアナウンスだった。
「本日、生徒会より、校内でのSNS使用に関する注意喚起を行います。
最近、根拠のない投稿が拡散され、
それによって一部の生徒が傷つくという事態がありました。
生徒会は、事実確認を行い、誤解であることを確認しています。
噂や曖昧な情報を、“面白いから”という理由で広めないよう、
一人ひとりの意識をお願いします」
そのあと、生徒会のメンバーによる啓発ポスターが掲示された。
タイトルはこうだ。
「言葉は画鋲。刺さったら、抜いても跡が残る」
一週間後、校内の空気は落ち着きを取り戻した。
るなも、少しずつ、クラスに戻り始めていた。
◆つづく◆
翌日の朝――
加賀見るなは、少し迷いながらも登校してきた。
昇降口のざわめきはまだ続いている。
誰かがるなをチラッと見て、誰かがそらす。
言葉に出さなくても、“何かを知ってるふり”の空気が刺さる。
彼女の足は、昇降口で止まってしまった。
そこへ、現れたのは篠原友翔。
今日は、やけに姿勢がいい。
スカートを履いた女子の後ろに立つのを避け、
まるで“無害”を演出してるかのような挙動だ。
「るな、ちょっと話していい?」
るなは無言で頷いた。
■中庭、沈黙のあとに
人気のない中庭のベンチ。
沈黙が数秒、いや数十秒流れたあと、篠原が頭を下げる。
「ごめん。
ほんとに……俺が勝手に勘違いして、
お前がスマホでなんか撮ってるの見て、
“面白そう”って、SNSにネタっぽく書いた。
……結果、全部お前に飛んでって、苦しめた」
るなは、すぐには何も言わなかった。
でも、ほんの少しだけ顔を上げて、ぽつりと返す。
「……私、花を撮ってただけ。
それを“盗撮”だって言われて、
何が起きたのか分からなくて、こわかった」
「……ほんと、ごめん」
「でも……謝ってくれて、ありがとう」
二人の距離が少しだけ縮まったとき、
生徒会室では、マコトが生徒会メンバーを集めていた。
■緊急アナウンス準備会議
「このままじゃ“なんか事件あったらしい”って空気だけが残る。
それって、るなちゃんにとっても、学校にとっても最悪」
そう語るマコトに、綾小路が頷く。
「じゃあ、俺が全校放送用の原稿を書く。
言い方、めちゃくちゃ慎重にしなきゃだけど――
“デマの危険性”をしっかり伝えたい」
詩織「SNSって、“事実”より“面白さ”が先に走ると、もう止まらないもんね」
蓮「正義感っぽく見せて、実はただの好奇心とか……怖ぇ世界だな」
佐伯「でもそれを止める方法が、“誰かの声”だってのは、今回よくわかったよ」
早紀「マコト、あなた、ちゃんと怒ってよかったと思う」
美穂「うん、ちょっと引くくらいの説教だったけど、
あれで“なにがダメだったのか”本気で伝わったっぽい」
マコトは、照れくさそうに鼻をこする。
「名探偵って、真相だけじゃなくて、そのあとどうするかも考えなきゃなって」
■放課後、全校へのアナウンス
その日の放課後――
放送室から、静かな声が流れた。
それは綾小路による、冷静かつ端的なアナウンスだった。
「本日、生徒会より、校内でのSNS使用に関する注意喚起を行います。
最近、根拠のない投稿が拡散され、
それによって一部の生徒が傷つくという事態がありました。
生徒会は、事実確認を行い、誤解であることを確認しています。
噂や曖昧な情報を、“面白いから”という理由で広めないよう、
一人ひとりの意識をお願いします」
そのあと、生徒会のメンバーによる啓発ポスターが掲示された。
タイトルはこうだ。
「言葉は画鋲。刺さったら、抜いても跡が残る」
一週間後、校内の空気は落ち着きを取り戻した。
るなも、少しずつ、クラスに戻り始めていた。
◆つづく◆
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