面白ミステリー『名探偵マコトの事件簿2』

naomikoryo

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第74話『先生の恋と、渋すぎる彼の秘密』

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朝の電車。
ぎゅうぎゅうの車内。空気は重い。大人たちの疲れた顔。

だが、その中でただ一人――目がハートになってる女がいた。

増渕先生:「今日もネクタイが素敵ぃぃぃ……♡」

 
彼女の視線の先には、スーツ姿の男。
清潔感のあるグレーのスーツに、シンプルなコーヒーの紙カップ。
どこか本を読んでいそうで、実際は読んでいない。
 

その名も――

“朝のカフェラテ紳士”(※先生命名)

 
そして――その男の後方、壁の影には、
マコト・早紀・美穂の3人が、ギチギチに寄り添って立っていた。

 
マコト(小声):「あの人か……たしかにちょっとカッコいいな」
早紀(冷静):「“雰囲気ダンディー”って感じ。言葉選ばずに言えば“おじ専ホイホイ”」
美穂(真剣):「……でも、ちょっと違和感あるね」
 

マコト:「違和感?」

 
美穂:「さっきから、ホームに着くたびに窓越しに外を見てる。
時計を何度も見てるし、スマホで何かの画面、こまめに更新してる」

 
マコト:「まさか……恋人待ち……!?」

 
早紀:「それ、乙女心に致命傷じゃない?」

 
そして、最寄り駅のひとつ前で――
 

「……!」

 
朝のカフェラテ紳士、突然の下車。
 

増渕先生:「えっ!? えええっ!?今日はここで降りるの!?どうして!?なにが!?えっ!?!?」
 

電車に残された先生、明らかに挙動不審モード突入。

 
マコト:「先生……目が泳いでる……!」
 

美穂:「これはまずい。乙女心、地殻変動レベルで揺れてる。」

◆【放課後:先生、心ここにあらず】

その日の職員室。

先生は授業後にもかかわらず、
プリントを裏返してパタパタさせたり、マグカップを持ったまま固まったりしていた。
 

増渕先生:「……降りたのよ……今日は降りちゃったの……
駅間違えたのかな?それとも、私の気のせいで違う人だったのかな……」

 
マコト(こっそり聞き耳):「……ダメだ、めちゃくちゃ不安定になってる……」

 
早紀:「恋してる人って、こうも脆くなるのね……逆に勉強になるわ……」

◆【その夜:マコトたちの作戦会議】

美穂の家・リビング(お菓子あり)

美穂:「とにかく、あの“カフェラテ紳士”のことを調べなきゃ、
増渕先生、メンタルごと蒸発するかもしれない」
 

マコト:「オレらが調べるって、どこまでできるんだよ。大人だし、情報もないし……」
 

早紀:「でも、先生が“また会いたい”って思ってるなら、
私たちは“もう一度その場を作る”くらいは、できるかも。」
 

美穂:「ふふっ、やる気出てきたわねぇ、探偵さん♡」

 
マコト:「よし、じゃあまずは――朝の駅、再調査だ!!」

 
そして、翌朝――
マコトたちは、再び始発級の早さで駅へ向かう。

だがその時、3人は目撃してしまう。

 
“カフェラテ紳士”が、別の女性と待ち合わせしていたことを――
 

マコト:「……あれって……まさか……彼女……?」

 
早紀:「それとも……妻?」
 

美穂:「いや、違う。……なんか、雰囲気が違う……」
 

そう、そこから始まる“朝のカフェラテ紳士”の正体――
それは予想を超えた、切なさと温かさを秘めたものだった――
 

(つづく)
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