面白ミステリー『名探偵マコトの事件簿2』

naomikoryo

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第75話『男の正体、そして先生の涙』

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朝の駅前、いつものカフェ前。
カフェラテ紳士は、女性と並んでベンチに座っていた。

けれど――その雰囲気は、恋人というには何かが違う。

 
マコト:「……あれって、ホントに彼女?」

 
早紀:「手もつないでないし……むしろ、お父さんと娘って感じじゃない?」

 
美穂(じーっと観察):「年齢差がけっこうある。
しかもあの子……何かの資料みたいな冊子を渡してる」

 
マコト:「まさか……進学相談……?」

 
その時、2人の近くを通った男性が、
思わず口にした言葉が、耳に届いた。

 
通行人:「あれ、●●予備校の先生じゃね?」

 
マコト・早紀・美穂:「…………!」

 
マコト:「先生!? あの人、予備校の先生なのか!!」

 
美穂:「つまり、“電車で読んでたのは教材”……」
「“スマホでチェックしてたのは模試の管理画面”……!」

 
早紀:「朝の電車内で毎日スケジュール確認して、
教え子と駅前で面談……まさに、誠実すぎる教育者だったってわけね……」

 
マコト:「……やっべ。先生、これ聞いたら泣くかも……」

◆【職員室:その日の放課後】

増渕先生、朝からソワソワしていたくせに、
今日はずっと無言で、プリントに穴があきそうなほど見つめていた。

 
マコト:「……先生……」

 
増渕先生:「……うふふ。今日は、会えなかったの」

 
マコト:「そ、そうなんすか……」

 
増渕先生:「ふふ……ちょっと寂しいけど……
やっぱり“恋”って、すごいわよね。
朝の空が少しキラキラして見えるのよ……」

 
早紀(こっそり):「うわ……逆に泣ける……」

 
その後も、先生は何も知らずに微笑み、帰っていった。

◆【そして数日後――マコト、覚悟を決める】

マコト:「……オレ、やっぱちゃんと伝えるわ。先生に、“あの人のこと”。」

 
早紀:「本気?」

 
マコト:「うん。だって先生、本気で恋してる顔してたからさ。
本気に対して、ちゃんと向き合わなきゃ、探偵じゃないよな。」

 
美穂:「……じゃあ、行こっか。
“最後のカフェラテ探偵会議”、開くよ」
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