13 / 58
第13話:「推しの手料理に胃袋をつかまれる」
しおりを挟む
推し(桐生隼人)に漫画を読ませるという最大の危機を全力で回避した翌日――。
私は また新たな問題 に直面していた。
それは――
桐生隼人の作るご飯が美味すぎる問題である。
■ 突然の飯テロ
昼過ぎ。
私は昨夜の 原稿仕上げ修羅場 により、完全に体力が尽きていた。
頭がぼーっとする。
お腹が空いてるのは分かるけど、動く気力がない。
「……コンビニ行くのも面倒だし、カップ麺で済ませるか……」
そう思って立ち上がろうとしたとき――
ふわぁぁぁぁん……
リビングのほうから めちゃくちゃ良い匂い が漂ってきた。
「……なにこれ、天国?」
私は思わず ふらふらとゾンビのように匂いのする方向へ進む。
そして、キッチンに入った瞬間――
「……は?」
目の前に広がっていたのは、推しが料理をしている光景 だった。
■ 推し、料理姿も破壊力がすごい
隼人はエプロンをつけ、フライパンを振っていた。
手際が良すぎる。
めちゃくちゃ様になっている。
なんなら、料理番組のワンシーンかと思うレベルで絵になっている。
「えっ、ちょ、えっ?」
「……なんだよ」
「えっ、えっ、なにしてるんですか?」
「料理」
「えっ」
「お前、昨日死にそうな顔で原稿描いてたし、どうせ今日は飯作る気力ないだろ」
「……!!!」
推しが私の体調を気にしてご飯を作ってくれている――!?
「ほら、もうすぐできるから座ってろ」
「え、ええええええええええ!!!!!!」
私は 言われるがままにダイニングの椅子に座る。
■ 推しの手料理、爆誕
しばらくして、目の前に並べられた料理を見て、私は言葉を失った。
「………………」
「えっ、すごすぎない?」
だって、目の前にあるのは――
照り焼きチキンのワンプレートランチ。
ご飯の横に添えられたキャベツの千切り。
焼き加減が絶妙なチキンの照り焼き。
ちょうど良い半熟具合の目玉焼き。
「お前、こんな顔するほどのことか?」
「いやいやいやいや!!!!!」
「とりあえず食えよ」
「えっ、えっ、ちょ、待って心の準備が……」
「冷めるぞ」
「は、はい!!!」
私は 震える手で箸を持ち、チキンを口に運ぶ。
……そして――
うっま。
「……え、なにこれ?」
「……ただの照り焼きチキンだけど」
「いや、普通にお店レベルで美味しいんですけど!?」
「当たり前だろ」
「えっ、なんでこんなに料理上手いんですか?」
「前も言ったけど、昔から自炊してたしな」
「えぇぇぇ……」
そういえば、スーパーで妙に食材にこだわっていたけど、こんなレベルで料理できるとは思わなかった。
私は感動しながら 照り焼きチキンを頬張る。
……はっ!!!!
気づいたら、もう半分以上食べ終わっていた。
これは……推しの料理に胃袋を掴まれた証拠なのでは!?
■ 胃袋を掴まれた結果
「……ごちそうさまでした!!!!」
「……お前、食うの早すぎだろ」
「美味しすぎて止まらなかったんです!!!!」
「……まぁ、ちゃんと食ってくれるならいいけどな」
「ありがとうございます!!!!!」
「大袈裟すぎ」
いや、そんなことない。
推しの料理を食べられるって、オタク的には 一生分の幸福ポイントを消費するレベルの出来事 である。
私は 満たされた気持ちでソファにゴロンと転がった。
「……幸せすぎて動きたくない……」
「は?」
「もう一生ここでゴロゴロしていたい……」
「……お前なぁ」
隼人が じっと私を見下ろす。
「……お前、もしこの先もずっと俺の料理食ってたら、料理できなくなるぞ?」
「えっ」
「俺が作るのが当たり前になったら、自分で作るの面倒くさくなるだろ」
「そ、それは……」
「まぁ、別にいいけどな」
「えっ」
「俺も料理するのは好きだし、作るのは別に苦じゃない」
「……!!!!」
なにその 胃袋掴みます宣言!?
推しに『別に作ってやってもいい』とか言われる世界線、存在していいの!?!?!?
私は 猛烈に悩んだ。
……このまま、料理できないフリしてたら、ずっと作ってくれるのでは???
いや、でも……それってオタク的に 「推しに甘えてしまっている」という罪悪感 が生まれるのでは???
どうする、私!?!?!?!?
悩みながら、私は 完全に隼人の料理に胃袋をつかまれたことを自覚したのだった――。
私は また新たな問題 に直面していた。
それは――
桐生隼人の作るご飯が美味すぎる問題である。
■ 突然の飯テロ
昼過ぎ。
私は昨夜の 原稿仕上げ修羅場 により、完全に体力が尽きていた。
頭がぼーっとする。
お腹が空いてるのは分かるけど、動く気力がない。
「……コンビニ行くのも面倒だし、カップ麺で済ませるか……」
そう思って立ち上がろうとしたとき――
ふわぁぁぁぁん……
リビングのほうから めちゃくちゃ良い匂い が漂ってきた。
「……なにこれ、天国?」
私は思わず ふらふらとゾンビのように匂いのする方向へ進む。
そして、キッチンに入った瞬間――
「……は?」
目の前に広がっていたのは、推しが料理をしている光景 だった。
■ 推し、料理姿も破壊力がすごい
隼人はエプロンをつけ、フライパンを振っていた。
手際が良すぎる。
めちゃくちゃ様になっている。
なんなら、料理番組のワンシーンかと思うレベルで絵になっている。
「えっ、ちょ、えっ?」
「……なんだよ」
「えっ、えっ、なにしてるんですか?」
「料理」
「えっ」
「お前、昨日死にそうな顔で原稿描いてたし、どうせ今日は飯作る気力ないだろ」
「……!!!」
推しが私の体調を気にしてご飯を作ってくれている――!?
「ほら、もうすぐできるから座ってろ」
「え、ええええええええええ!!!!!!」
私は 言われるがままにダイニングの椅子に座る。
■ 推しの手料理、爆誕
しばらくして、目の前に並べられた料理を見て、私は言葉を失った。
「………………」
「えっ、すごすぎない?」
だって、目の前にあるのは――
照り焼きチキンのワンプレートランチ。
ご飯の横に添えられたキャベツの千切り。
焼き加減が絶妙なチキンの照り焼き。
ちょうど良い半熟具合の目玉焼き。
「お前、こんな顔するほどのことか?」
「いやいやいやいや!!!!!」
「とりあえず食えよ」
「えっ、えっ、ちょ、待って心の準備が……」
「冷めるぞ」
「は、はい!!!」
私は 震える手で箸を持ち、チキンを口に運ぶ。
……そして――
うっま。
「……え、なにこれ?」
「……ただの照り焼きチキンだけど」
「いや、普通にお店レベルで美味しいんですけど!?」
「当たり前だろ」
「えっ、なんでこんなに料理上手いんですか?」
「前も言ったけど、昔から自炊してたしな」
「えぇぇぇ……」
そういえば、スーパーで妙に食材にこだわっていたけど、こんなレベルで料理できるとは思わなかった。
私は感動しながら 照り焼きチキンを頬張る。
……はっ!!!!
気づいたら、もう半分以上食べ終わっていた。
これは……推しの料理に胃袋を掴まれた証拠なのでは!?
■ 胃袋を掴まれた結果
「……ごちそうさまでした!!!!」
「……お前、食うの早すぎだろ」
「美味しすぎて止まらなかったんです!!!!」
「……まぁ、ちゃんと食ってくれるならいいけどな」
「ありがとうございます!!!!!」
「大袈裟すぎ」
いや、そんなことない。
推しの料理を食べられるって、オタク的には 一生分の幸福ポイントを消費するレベルの出来事 である。
私は 満たされた気持ちでソファにゴロンと転がった。
「……幸せすぎて動きたくない……」
「は?」
「もう一生ここでゴロゴロしていたい……」
「……お前なぁ」
隼人が じっと私を見下ろす。
「……お前、もしこの先もずっと俺の料理食ってたら、料理できなくなるぞ?」
「えっ」
「俺が作るのが当たり前になったら、自分で作るの面倒くさくなるだろ」
「そ、それは……」
「まぁ、別にいいけどな」
「えっ」
「俺も料理するのは好きだし、作るのは別に苦じゃない」
「……!!!!」
なにその 胃袋掴みます宣言!?
推しに『別に作ってやってもいい』とか言われる世界線、存在していいの!?!?!?
私は 猛烈に悩んだ。
……このまま、料理できないフリしてたら、ずっと作ってくれるのでは???
いや、でも……それってオタク的に 「推しに甘えてしまっている」という罪悪感 が生まれるのでは???
どうする、私!?!?!?!?
悩みながら、私は 完全に隼人の料理に胃袋をつかまれたことを自覚したのだった――。
0
あなたにおすすめの小説
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?
3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。
相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。
あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。
それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。
だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。
その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。
その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。
だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。
冷遇妃ライフを満喫するはずが、皇帝陛下の溺愛ルートに捕まりました!?
由香
恋愛
冷遇妃として後宮の片隅で静かに暮らすはずだった翠鈴。
皇帝に呼ばれない日々は、むしろ自由で快適——そう思っていたのに。
ある夜、突然現れた皇帝に顎を掴まれ、深く口づけられる。
「誰が、お前を愛していないと言った」
守るための“冷遇”だったと明かされ、逃げ道を塞がれ、甘く囲われ、何度も唇を奪われて——。
これは冷遇妃のはずだった少女が、気づけば皇帝の唯一へと捕獲されてしまう甘く濃密な溺愛物語。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる