推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第24話:「気にするなと言われても、無理なんですが!!!!」

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推し(桐生隼人)の 元カノ(遠藤 朱音) に遭遇してしまった昨日。

 
 その余裕たっぷりの態度と、隼人に対する 「昔から知ってる感」 に、私は完全に 敗北を悟った。

 
 そして何よりも許せないのが――

  

 隼人が、まったく動揺していなかったこと。

 
■ 「気にするな」と言われても無理です!!!!
「……お前は、気にするな」

「無理!!!!!!!!」

「うるせぇ」

「無理に決まってるじゃないですか!!!!!!!!」

「なんでだよ」

「いやいやいやいや!!!!」

「落ち着け」

「落ち着けるわけないでしょう!!!!!」

「なんでだよ」

「だって!!!!! 桐生さん、めちゃくちゃ落ち着いてたじゃないですか!!!」

「……まぁな」

「……」

「……」

「……いや、なんでそんなに冷静なんですか!?!?!?!?!?」

「そりゃ、もう終わった話だからな」

「でも!!!」

「もう関係ねぇよ」

「……」

「それより、飯作るぞ」

「えっ」

「お前、腹減ってんだろ」

「……」

「……」

「……ちょっと待ってください」

「なんだよ」

「なんでそんなにスルーするんですか!!!!!??」

「もう終わった話だって言ってんだろ」

「いやいやいや!!!!!」

「……」

「……あのですね、普通、元カノと再会したら、もうちょっとこう……!?」

「こう?」

「なんていうか、こう!!!!」

「抽象的すぎる」

「なんかないんですか!?!!??」

「別に」

「うわあああああああ!!!!!!!!」

■ 推しの心の中、読めなさすぎ問題
 私は 混乱していた。

 
 元カノの余裕たっぷりな態度。

 隼人の 「どうでもいい」感が強すぎる反応。

 
 

 いやいやいやいや!!!!!!
 

 こんなの、余計に気になってしまうんですが!!!!!!!


「……桐生さんって、ほんとに未練ないんですか?」

「ねぇよ」

「本当に?」

「だから、ないって言ってんだろ」

「……」

「……お前、さっきからしつこい」

「だ、だって!!!!」

「お前に関係ないだろ」

「……」
 

 関係ない。
 

 その言葉に、私は なぜか心がチクリと痛んだ。

■ モヤモヤが止まらないオタク、暴走する
 

 私は、ソファにドカッと座り込む。

 
「……」

「……」

「……」

「……」

「うわあああああああ!!!!!!!!!」

「うるせぇ!!!!」

「なんでそんなに余裕なんですか!!!!!?」

「さっきから何回も同じこと聞くな」

「いや、むしろ何回も聞きたくなるんですよ!!!!」

「めんどくせぇ……」

「だって!!!! 元カノが突然現れたら、普通は動揺するじゃないですか!!!」

「しねぇよ」

「嘘だ!!!!」

「嘘じゃねぇ」

「じゃあ、桐生さんにとって朱音さんってどんな人だったんですか!!??」

「……」

「……」

「……なんでお前に話さなきゃなんねぇんだよ」

「気になるから!!!!!」

「知らねぇよ」

「うわああああ!!!!!」

 
 私は 頭を抱えてソファで転がる。

■ もしかして、これって……
 私は、もんもんと考え続ける。

 
 隼人が、元カノに対して なんの感情も持ってないとは思えない。

 
 少なくとも、私は あの雰囲気を見て、すごく動揺した。

 
 だけど、隼人は 全然気にしていないように見える。

 
 ……もしかして。

 
 

 「俺はもう気にしてない」っていうのは本当で、気にしてるのは私だけ……?

  

 私、なんでこんなに気にしてるんだろう。

■ 推し × 元カノ、考えたくないのに考えてしまう
 
 私は ベッドに寝転がって天井を見つめる。

 
 なんかもう、考えれば考えるほどモヤモヤしてきた。

 
 そもそも、私は隼人の恋愛事情に口出しできる立場じゃない。
 

 別に、彼女ってわけでもないし、ただのルームメイトだし、何かを期待しているわけでもない。

 
 でも、隼人が誰かと付き合っていた事実を知ってしまったことで、異様に気になるようになってしまった。

 
 

 今まで考えたこともなかったけど、もし、隼人に新しい彼女ができたら……?


 

 ……それ、めちゃくちゃ嫌なんだけど。

■ 推しの存在が大きすぎることに気づいてしまった
 私は、無理やり 「何も気にしてないフリ」 をすることに決めた。

 
 でも、隼人と顔を合わせるたびに、元カノのことを思い出してしまう。
 

 隼人にとってはもう終わったことなのかもしれないけど、私は なんとなく知ってしまった過去が気になって仕方がない。
 

 そして、それを気にしている自分が、何よりも厄介だと思った。


 

 これって、もしかして――。

 

 私、推しのこと、好きになりかけてない???????
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