推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第40話:「私、選ばれたんですか!!!!!!??」

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推し(桐生隼人)の 元カノ・遠藤朱音 が 「隼人、私のところに戻ってきて」 なんて爆弾発言をしたせいで、一時はどうなることかと思ったけれど――。

 

 隼人の返答は、まさかの 「俺の『今』には、お前は関係ない」 という冷酷な拒絶だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――いや、それ、もう勝ち確では?????????????????

■ 「私、選ばれたんですか!?!?!?」
 私は、隼人の言葉を反芻しながら、心臓の音が爆発しそうになっていた。

 

「えっ、えっ、えええええ!!!!!」

「……うるせぇ」

「いやいやいやいや!!!!」

「……」

「ちょっと待ってください!!!!」

「……なんだよ」

「つまり!!!! 私、選ばれたんですか!!!!?」

「……」

「えっ、えっ、だって!!! 朱音さんをバッサリ切って、私とルームシェアを続けるってことですよね!?!?」

「……そうだな」

「そうですよね!?!?!?」

「……」

「えっ、じゃあ、つまり!!!!」

「……」

「私、勝ったってことですよね!?!?!?!?!?!?」

「……」

「なぁ」

「は、はい!!!!」

「お前、俺のこと好きなのになんでそんなに『ゲームで推しを攻略成功した』みたいな反応してんの?」

「ぶふっ!!!!!!!!」

■ 「俺が選んだって、そういうことか?」
 私は、隼人の一言に 思わずむせかける。

 

 いや、だって!!!! こんなの!!!!

 

 まさかの 「元カノ VS 現ルームメイト」バトル で、元カノを退けて選ばれるなんて!!!!

 

 まるで少女漫画のヒロインみたいな展開では!?!?!?!?!?!?

 

「えっ、えっ、えええええ!!!!」

「……お前、もう少し落ち着け」

「いやいやいや!!!!!」

「……」

「えっ、じゃあ、桐生さん的にはどういうつもりなんですか!!??」

「どういうつもりって?」

「えっ、私を選んだってことですよね!?!?!?!」

「……まぁな」

「ええええええ!!!!!!!」

「……お前、ほんと騒がしいな」

「そりゃ騒ぎますよ!!!!!!!」

「……」

「えっ、えっ、じゃあ、もう、これって――」

「……」

「私たち、付き合うってことですか!?!?!?」

「……」

「…………さぁな」

「さぁなじゃない!!!!!!!!!!!!!!」

■ 推し、煮え切らなさすぎる
「いや、待ってください!!!!」

「……なんだよ」

「もうこれ!!!! ほぼほぼカップル確定じゃないですか!!!!!!!」

「……お前の中では、そういうことになるのか?」

「なります!!!!!!」

「……そうか」

「えっ、なんでそんなに落ち着いてるんですか!?!?!?」

「……」

「私、今!!!!! 『推しに選ばれたヒロイン』みたいな状態ですよね!?!?!?」

「ぶっ」

「笑わないでください!!!!!!!!!」

「いや、お前が面白すぎるだけだ」

「いやいやいや!!!!!!!」

「……」

「で、桐生さんはどう思ってるんですか!!?」

「……」

「私のこと!!!!」

「……」

「桐生さんは!!!!」

「……さぁな」

「だから、さぁなじゃない!!!!!!!!!!!!」

■ 「俺の答えは、もう少し待て」
 隼人は、私の怒涛の勢いを さらっと受け流しながら、ポケットに手を突っ込んだ。

 

「……俺の答えは、もう少し待て」

「えっ」

「今すぐに決められることじゃねぇし」

「えっ」

「俺が、お前をどう思ってるのか――」

「……」

「もう少し、考えさせろ」

「……」

「……それでもいいか?」

「……」

「…………はい」

 

 私は、ほんの少しだけ胸がチクリと痛むのを感じながら、静かに頷いた。

■ 推しの「答え」が出るまで
 

 隼人の「気になってる」という言葉。

 

 それが 「恋愛感情としての気になる」なのか、それとも「ルームメイトとしての気になる」なのか。

 

 私には、まだ分からない。

 

 

 でも――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隼人の『今』には、私がいる。

 

 それだけは、確かだから。
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