推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第53話:「推しとキスシーン!? いよいよ運命のラスト撮影!!」

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推し(桐生隼人)主演のドラマで、まさかのヒロイン役に抜擢されてしまった私。

◆ 家での練習を重ねたおかげで、撮影は驚くほど順調!
◆ スタッフから「本当に付き合ってるみたい!」と絶賛される!!
◆ いよいよ最終回の告白&キスシーンの撮影へ!!

 

――いやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

推しとキスシーン撮る世界線、そんなの聞いてません!!!!!!!!!!!!!!

■ 「いよいよラストシーンですね!」
「さて、次はいよいよラストシーンの撮影ですね」

「ひゃあああああ!!!!!!!!!!」

「柚先生、準備お願いします」

「いやいやいや!!!!!」

「桐生さんと、ついにキスシーンが……」

「ぎゃあああああ!!!!!!!!!!!!」

「……」

「お前、落ち着け」

「落ち着けるわけないでしょうが!!!!!!!!!!」

「……お前、練習してたときはもう少し冷静だっただろ」

「だって!!!!!!!!」

「今までは家の中だったじゃないですか!!!!!」

「……まぁな」

「それが!!!!!」

「カメラの前で!!!!!」

「撮影スタッフが見てる中で!!!!!」

「やるってなったら!!!!!!」

「そりゃ、気が狂うに決まってるでしょうが!!!!!!!!!」

「……ぶっ」

「今、笑いましたよね!?!?!?!?!?」

「いや、お前が面白すぎるだけだ」

「笑い事じゃないですよ!!!!!!」

■ 「お前、ちゃんとオシャレしてきたんだな」
 私の心臓は 限界を迎えていた。
 

 最終回のラストシーン、告白の場面は お洒落なレストランで撮影。
 

 衣装も特別に用意され、私は普段とは違う 綺麗めのワンピースを着ていた。

  

「……お前、ちゃんとオシャレしてきたんだな」

「えっ」

「……まぁ、いつもダボダボのスウェットばっか着てるお前が、こういうの着てると新鮮だな」

「えっ、えっ、えええええ!!!!!!?」

「……何赤くなってんだよ」

「いやいやいや!!!!!」

「普段の私を知ってる人にそんなこと言われたら照れるに決まってるじゃないですか!!!!!」

「……ふーん」

「ふーん、じゃない!!!!!!!!!!」

「……」

「……まぁ、悪くねぇな」

「ぎゃあああああ!!!!!!!!!!」

■ 撮影スタート! レストランでの告白シーン
 監督が カメラを回し始めた。

「じゃあ、本番いきまーす!」
 

「よーい……アクション!!」


 

――ここは、最終話のクライマックスシーン。

 
 お洒落なレストランで、主人公がずっと想いを寄せていた相手から ついに告白される場面。
 

 「……俺、お前のことが好きだ」

■ 推しの告白台詞、破壊力がすごい
 隼人が、まっすぐ 私(ヒロイン)を見つめている。

 
 低く、落ち着いた声で、ハッキリと告げる。
 

「……俺、お前のことが好きだ」

 
「……」
 

「……」
 

「……」
 

――いや、無理。

■ 限界オタク、心臓停止
(ちょ、待って)

(やばいやばいやばいやばい)

(なんでこんなに破壊力がすごいんですか!?!?!?!?)

(これ、演技って分かってるのに!!!!!!)

(なんで!!!!!! なんでこんなにドキドキするの!!!!!!!!!!)

(いや、無理無理無理無理!!!!!!!!!!!)

(これ、絶対顔に出てる!!!!!!!)

(隼人さん、普通にカッコよすぎるんですけど!!!!!!!!!!!)

■ そして、ついにキスシーン……
「……お前が、俺のことをどう思ってるかは分かってる」

「……」

「だから、言わせて」

「……」

 
「……俺と、付き合ってくれ」

 
「……」

「……」

「……」

「………………はい」

「カット――!!!」

 

――えっ、終わった???????????

■ 監督「いや、まだキスシーンがあるんだよ」
「えっ、えっ、えええええ!!!!!!!!」

「いや、待ってください!!!!!」

「告白で終わりじゃないんですか!!!!!!??」

「いや、君、原作者でしょ」

「原作通り、キスシーンまでやってもらわないとね」

「ぎゃあああああ!!!!!!!!!」

「おい、落ち着け」

「落ち着けるわけないでしょうが!!!!!!!!!!!」

「ほら、カメラ回すぞ――」

「えっ、えっ、えっ、待って!!!!!!」

■ ついにキスシーン、決行――
「じゃあ、次はキスシーンいきます」

「いやいやいや!!!!!!!!!」

「柚先生、大丈夫ですか?」

「大丈夫なわけないでしょう!!!!!!!!!!!」

「まぁ、お前、俺と練習してたし」

「いやいやいや!!!!!」

「そんなこと言われても!!!!!!」

「……」

「……」

「……」

「………………大丈夫だから、力抜けよ」

「ぎゃああああああ!!!!!!!!!」

■ そして――カメラが回る
「よーい、アクション!!」

――推しが、そっと私の頬に触れる。

 
私の心臓は、限界を迎えた。
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