推しが同居人になりまして。

naomikoryo

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第54話:「いやいやいや!!!!!! これ、完全に勝ち確では!?!?!?!?!?」

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推し(桐生隼人)主演のドラマで、まさかの ヒロイン役をやることになった私。

◆ 家での練習の成果もあり、撮影は順調に進行!
◆ スタッフから「息ピッタリすぎる!」と絶賛される!
◆ 最終話のクライマックス、告白&キスシーンの撮影へ!!
◆ 推しの低音ボイスでの告白に限界オタク、心臓が破裂寸前!
◆ そして、ついにキスシーン……の前に気絶!!!!!!!!?!?!?


――いやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

オタクが推しとのキスシーン前に気絶とか、そんなの聞いてません!!!!!!!!!!!!!

■ 気がついたら、休憩室だった
「……ん……」

 ゆっくりと 目を開ける。

 
 柔らかいソファに横たわっていて、周囲は静かだった。

 
「……ここ、どこ……?」

「休憩室」

「……えっ?」

 
 その声に ハッとして横を見る。

 
――そこには、優しいまなざしの桐生隼人がいた。

■ 推しが、めちゃくちゃ近いんですが!?
「目、覚めたか」

「……えっ、えっ」

「お前、撮影中にぶっ倒れるとか、マジで何やってんだよ」

「ぶっ倒れ……? あっ!!!」

 
 そうだ、私は キスシーンの撮影前に限界を迎えて気を失ったんだった!!!!

 
「えっ、ちょっと待って、今何時!? 撮影は!?!?」

「今は休憩中」

「えっ、でも私!!!!」

「まぁ、このままじゃ撮影できねぇだろうし」

「えっ」

「それに……」

 
 隼人が 少し困ったように笑う。

 
「……あれを、オレの告白だと思われても困るからな」

「えっ」

■ そして――推しが、とんでもないことをする
 隼人は そっと私の上半身を抱き起こした。

「えっ、えっ、えっ」

「ほら、力抜け」

「いやいやいや!!!!!! 何を!!!!!」

 
 そして――

  

「好きだよ、柚」

 
 ――えっ???????????????????????????????

 

推し、今、私の名前を呼びながら「好きだよ」って言いましたよね!?!?!?!?!?!?!?!?!?

■ さらにキスされるという衝撃
 
 そして――

 
優しく、軽く、唇が触れる。

 
「!!!!!!!!!!!!」

 
――えっ、えっ、えええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

推しが!!!!!!!!!!!

私に!!!!!!!!!!!!!!!!!!

キス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

■ 勝ち確、スーパー!!!!!!!!
 

 私の頭の中が、完全に パニックを超えて宇宙旅行に突入する。

◆ 推しに「好きだよ」と言われる
◆ 推しに優しくキスされる
◆ 推しがめっちゃ優しく微笑む
◆ いや、こんなのもう勝ち確でしょ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 

「はい!!!!!! これきた!!!!!!!」

「???」

「勝ち確!!!!!!!!」

「え?」

「スーパー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「……」

「ぎゃああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「お、おい!?」

■ 限界オタク、暴走する
「いやいやいや!!!!!!!!!!」

「いやいやいや!!!!!!!!!!!」

「いやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 
 私は ベッド(休憩用ソファ)から飛び起きる!!!!!!!!

 
「はあああああああ!!!!!!!!!!!」

「ちょ、ちょっと落ち着け!!!!!」

「無理無理無理無理!!!!!!!!!!!」

「お前、何をそんなに騒いで――」

「えっ!?!?!?!?!? いや!!!!!!!!」

「お前、さっきから何が起こってるか分かってんのか!?」

「いや!!!!!! 分かってる!!!!!!!!!」

「分かってんのかよ!!!!」

「推しに!!!!!! 『好きだよ』って言われて!!!!!!! キスされたんですよ!!!!!!???????」

「だから、お前の勘違い防止のために――」

「こんなの、ガチ告白では!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ちげぇよ!!!!!!!!!!!」

■ そして、現実に戻る瞬間
 私は 「うわあああああ!!!!!!!」と喚きながら暴れまくったあと――突然、我に返る。

 
――はっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 

(えっ、えっ、待って)

(私、今、めっちゃ騒いだよね!?!?!?)

(というか、めちゃくちゃ飛び跳ねてたよね!?!?!?!?!?)

(推しの目の前で!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)

(えっ、待って、どうしよう、どうしよう)

(こんなにもオタク丸出しの姿を……)

(私は推しに見せてしまったのでは!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?)

■ 恐る恐る、推しを見ると――
 私は そろりそろりと隼人の方を見る。

 
 すると――

  

隼人は、めちゃくちゃ面白そうに笑っていた。

「ぶっ……」

「……」

「……」

「……」

「………………え?」

「お前、ほんとに面白ぇな」

「いやいやいや!!!!!!!!」

「いやいやいや!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
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