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番外編⑭社会人編・第11話「妊婦柚葉、大福が食べたい。深夜1時の晴翔の暴走」
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その夜、私は突然、“大福が食べたすぎて泣きそう”になっていた。
(やばい……なんだこの欲求……)
時刻は深夜1時。
すでに布団に入って1時間が経過していた。
なのに、頭の中には、つやっつやの粒あんと、ふわふわの求肥がリアルすぎるグラフィックで浮かび続けている。
「……あああああ。」
ついに声が漏れた。
隣で寝ていた晴翔がもぞっと動いて、眠そうな声でつぶやいた。
「んー……どうした……?
夢に俺が出てきた……?」
「うん……夢に“大福が出てきた”」
「……俺じゃないの?」
「大福だった。しかも“あんこ”のやつ。」
「……ぐはっ……敗北感がすごい……」
晴翔は寝ぼけながらも枕を抱えてもだえていたが、
私の視線がどんどん“本気の食欲”になっていることに気づいたのか、
急に上体を起こした。
「……それって、食べたい感じ?」
「うん……めっちゃ食べたい……」
「ちょ、大福って……今、夜中の1時だよ!?
どこの和菓子屋も閉まってる時間だよ!?」
「知ってるけど……でも、あのつぶあんが、今この世で一番欲しいもの……」
その言葉を聞いた瞬間。
晴翔の目の奥が――キラリと光った気がした。
「わかった。」
「……え?」
「任せて。俺が大福、取ってくる。」
「いやいやいや、ちょっと待って?どこに!?」
しかし、すでに彼はジャージに着替え、
財布とスマホと謎のサッカーボール(※?)を持って、家を飛び出していった。
「待って待って!どこ行くの!?ほんとにどこ行くの!!??」
返ってきた言葉は、
「この街に、俺の妻が“大福を欲している”ことを知らない大福はない!!」
「それ全部間違ってるよ!!」
***
そこから30分後――
私はリビングでお湯を沸かしながら、
(きっとコンビニの“モチモチ大福”を買ってくるだろう)と思っていた。
だが。
玄関の扉が開いた音とともに入ってきた晴翔の手には――
なんと、本格的な和菓子屋の包装紙が!!
「ただいま!!ゲットォォォ!!!!」
「ちょ、え!?えっ!?どこで!?」
「知ってる!?“夜間営業の和菓子屋”って、あるんだよこの街に!!
知らなかった!!びっくりした!!」
「え、まって、どこにそんな奇跡が!?」
「実家の近く!!
なんか昔から朝が早いからって、夜通し仕込んでて、常連なら深夜に売ってくれるって!!
そんで俺、『妻が大福の神に取り憑かれてて…』って言ったら、
“分かる、それはすぐ祓わんとアカン”って!」
「いや誰だその店主!?」
晴翔は包みを開けながら、やけに誇らしげだった。
「見て!求肥ふわふわの“特製あんこ大福”!!
しかも!柚葉さんの分だけ“あんこ多め”にしてくれた!!」
「なにそれ……泣く……」
私は半泣きになりながら、
お茶とともに、柔らかくて甘い大福を一口。
「……美味しい……めっちゃ美味しい……」
「やった……任務完了……」
晴翔は私の隣で、力尽きたように座り込んでいた。
「ありがとう、晴翔。」
「うん……でも、俺、思ったよ。」
「何を?」
「あんこって、愛だね。」
「……あんこに言わせて、それ。」
私はふふっと笑って、大福の最後の一口を噛みしめた。
あんこの甘さと、求肥の柔らかさと、
そして――
この人が深夜に30分走り回って探してくれた、その気持ちごと味わいながら。
たぶん、これが“家族になる”ってことなんだろうな。
一緒に笑って、困って、でも全力で支え合って、
日常の中の“おかしな愛情”で満たしていく。
お腹の中のちっちゃいやつ。
あなたのパパ、今夜も全力でバカです。
でも、きっと最高のパパになるよ。
(……そのうち、“あんこで生きてる系男子”になるかもしれないけど。)
(やばい……なんだこの欲求……)
時刻は深夜1時。
すでに布団に入って1時間が経過していた。
なのに、頭の中には、つやっつやの粒あんと、ふわふわの求肥がリアルすぎるグラフィックで浮かび続けている。
「……あああああ。」
ついに声が漏れた。
隣で寝ていた晴翔がもぞっと動いて、眠そうな声でつぶやいた。
「んー……どうした……?
夢に俺が出てきた……?」
「うん……夢に“大福が出てきた”」
「……俺じゃないの?」
「大福だった。しかも“あんこ”のやつ。」
「……ぐはっ……敗北感がすごい……」
晴翔は寝ぼけながらも枕を抱えてもだえていたが、
私の視線がどんどん“本気の食欲”になっていることに気づいたのか、
急に上体を起こした。
「……それって、食べたい感じ?」
「うん……めっちゃ食べたい……」
「ちょ、大福って……今、夜中の1時だよ!?
どこの和菓子屋も閉まってる時間だよ!?」
「知ってるけど……でも、あのつぶあんが、今この世で一番欲しいもの……」
その言葉を聞いた瞬間。
晴翔の目の奥が――キラリと光った気がした。
「わかった。」
「……え?」
「任せて。俺が大福、取ってくる。」
「いやいやいや、ちょっと待って?どこに!?」
しかし、すでに彼はジャージに着替え、
財布とスマホと謎のサッカーボール(※?)を持って、家を飛び出していった。
「待って待って!どこ行くの!?ほんとにどこ行くの!!??」
返ってきた言葉は、
「この街に、俺の妻が“大福を欲している”ことを知らない大福はない!!」
「それ全部間違ってるよ!!」
***
そこから30分後――
私はリビングでお湯を沸かしながら、
(きっとコンビニの“モチモチ大福”を買ってくるだろう)と思っていた。
だが。
玄関の扉が開いた音とともに入ってきた晴翔の手には――
なんと、本格的な和菓子屋の包装紙が!!
「ただいま!!ゲットォォォ!!!!」
「ちょ、え!?えっ!?どこで!?」
「知ってる!?“夜間営業の和菓子屋”って、あるんだよこの街に!!
知らなかった!!びっくりした!!」
「え、まって、どこにそんな奇跡が!?」
「実家の近く!!
なんか昔から朝が早いからって、夜通し仕込んでて、常連なら深夜に売ってくれるって!!
そんで俺、『妻が大福の神に取り憑かれてて…』って言ったら、
“分かる、それはすぐ祓わんとアカン”って!」
「いや誰だその店主!?」
晴翔は包みを開けながら、やけに誇らしげだった。
「見て!求肥ふわふわの“特製あんこ大福”!!
しかも!柚葉さんの分だけ“あんこ多め”にしてくれた!!」
「なにそれ……泣く……」
私は半泣きになりながら、
お茶とともに、柔らかくて甘い大福を一口。
「……美味しい……めっちゃ美味しい……」
「やった……任務完了……」
晴翔は私の隣で、力尽きたように座り込んでいた。
「ありがとう、晴翔。」
「うん……でも、俺、思ったよ。」
「何を?」
「あんこって、愛だね。」
「……あんこに言わせて、それ。」
私はふふっと笑って、大福の最後の一口を噛みしめた。
あんこの甘さと、求肥の柔らかさと、
そして――
この人が深夜に30分走り回って探してくれた、その気持ちごと味わいながら。
たぶん、これが“家族になる”ってことなんだろうな。
一緒に笑って、困って、でも全力で支え合って、
日常の中の“おかしな愛情”で満たしていく。
お腹の中のちっちゃいやつ。
あなたのパパ、今夜も全力でバカです。
でも、きっと最高のパパになるよ。
(……そのうち、“あんこで生きてる系男子”になるかもしれないけど。)
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