ねこまど~猫と人がつなぐ、奇跡のカフェ~

naomikoryo

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33)作戦開始!2人きり大作戦

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1
 翌日の昼下がり。

 猫カフェ「ねこまど」は、ちょうどお客さんの入れ替わりのタイミングで、一瞬だけ穏やかな空気が流れていた。

 そんな中――

「……さて、やりますか!」

 橘真緒(たちばな まお)が ニヤリと笑いながら 琴葉(ことは)に耳打ちする。

「作戦開始?」

「もちろん! まずは、店長と昭人くんを2人きりにさせなきゃね!」

「うん。でも、不自然じゃないようにしないと……」

「そこが腕の見せ所よ!」

 2人は カウンターの奥でこそこそと作戦を練りながら、店内の様子をうかがう。

 ちょうど峰子(みねこ)が伝票整理をしていて、昭人(あきと)は猫たちの世話をしていた。

(今のところ、特に意識してる感じはないけど……)

(いや、店長がむしろ避けてる感じかな?)

 真緒は ニヤリと笑う。

(だったら、こっちがうまく仕向けてあげなきゃね!)

2
「じゃあまずは……私たち、ちょっと抜ける感じにしない?」

 琴葉が提案する。

「いいね! 2人が自然と2人きりになる状況を作る!」

「うん、でもどうやって?」

「ん~……」

 そこで、店内をふと見渡す。

 すると――

「にゃ!」

 ボス(茶トラ♂)が、ジッと2人を見つめていた。

「……ん?」

「もしかして、ボスも協力してくれるの?」

「にゃ。(任せろ)」

 そう言わんばかりに、ボスは のそのそと昭人の足元へ向かう。

 そして、昭人の足に 「にゃん!」とスリスリ。

「あ? なんだ、ボス?」

「にゃ。(お前はこっちだ)」

「?」

 昭人が 不思議そうにボスを撫でていると――

「よし、今のうちに!」

 真緒と琴葉は、そっと店の奥へと消えていった。

3
「……あれ?」

 伝票整理を終えた峰子が ふと顔を上げると、周りには昭人しかいなかった。

 真緒と琴葉の姿が見えない。

「2人は?」

「さっき、『ちょっと倉庫の整理してくる』って出ていきましたよ」

「……そう」

 なんとなく 落ち着かない気分 になる。

(いや、別にいいんだけど……)

(でも、なんか、2人きりって……)

 その時――

「店長」

「っ!」

 昭人が、まっすぐこちらを見ていた。

「さっきからちょっと様子おかしくないっすか?」

「えっ?」

「なんか……前より俺と目、合わせてくれなくなった気がするんですけど」

「……そ、そんなことないわよ!」

「ほんとに?」

「ほんとに!!」

 焦って声が大きくなる。

(やばいやばいやばい!! なんでこんなに意識しちゃうのよ!!)

4
 その様子を、店の奥からこっそり覗いていた2人。

「ねぇ、琴葉」

「うん?」

「これさ……めっちゃいい感じじゃない?」

「うん、店長、絶対意識してるね」

「しかも、昭人くんもなんか気にしてるっぽいよね?」

「うん、これは……」

 2人は 顔を見合わせ、にやりと笑う。

「作戦、成功じゃん!!」

「このままどんどん仕掛けていこっか!」

「もちろん!」

 こうして、2人は 「2人きりにさせる作戦」を継続することを決めたのだった。
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