ねこまど~猫と人がつなぐ、奇跡のカフェ~

naomikoryo

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48)みんなで守る、ねこまど

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1
「にゃぁぁぁ~~!!(大変だぁぁぁ!!)」

 ねこまど・非常事態宣言発令。

 カフェの隅で、ボス(茶トラ♂)、ミルク(白猫♀)、もなか(三毛猫♀)が 慌ただしく動き回っていた。

「にゃん!(このままだと、俺たちの家がなくなる!)」

「にゃぁ~!(どうにかしないと!!)」

「にゃ……(でも、どうすれば……)」

 猫たちは困惑していた。

(俺たちだけでどうにかなる問題じゃない……)

(でも、店長は一人で抱え込もうとしてるし……)

(誰か、人間の助けが必要だ……!!)

 そして――

 ボスが 決意の表情 を浮かべた。

「にゃ!(よし、あいつに話すしかない!)」

「にゃん!(あいつって……まさか……?)」

「にゃぁ!(あの生意気なバイトだ!!)」

 そして、彼らは 一斉に昭人(あきと)の足元へと駆け寄った。

2
「……え、何? なんかめっちゃ集まってくるんだけど?」

 昭人は カウンターで雑用をしていたが、急に足元で猫たちがそわそわし始めた。

「にゃ!(話がある!!)」

「にゃにゃ!(こっち来い!)」

「え、なに? なんでみんな揃って俺をガン見してんの?」

 ボスが じっと昭人を見つめた。

「……にゃぁ。(いいか、よく聞け)」

 そして――

 猫語で事情を説明し始めた。

「……」

 数分後。

「……はぁぁぁ!?!?!?」

 昭人、大絶叫。

3
「ねこまどが閉店の危機!?!?!?」

 控え室に駆け込んだ昭人は、バイト仲間の 橘真緒(たちばな まお) と 水野琴葉(みずの ことは) に、慌てて伝えた。

「ちょっ……何その爆弾発言!?」

「え、え、え!? どういうこと!?」

「いや、俺もさっき知ったばっかなんだけど……」

 昭人は 猫たちから聞いた情報を伝える。

「店長、たぶん一人で何とかしようとしてるけど、俺らも協力しねぇとマジでヤバい!!」

「……そっか、店長……いつもそうだもんね」

「うん、絶対“私が何とかしなきゃ”って抱え込んでる」

「……」

 真緒と琴葉は、顔を見合わせる。

 そして――

「……店長に、ちゃんと話を聞こう」

「うん、これは私たちの問題でもあるもんね!」

 「ねこまど」を守るために、動き出す時だった。

4
「……」

 その頃、峰子は カウンターの奥でパソコンを開き、何やら調べていた。

(資金調達……銀行融資……)

(他に、何か方法は……)

 必死に考えていた、その時――

「店長!!!」

「……えっ?」

 突然、昭人・真緒・琴葉が 勢いよくカウンターの前に立った。

「ちょ、な、なに!? なんでそんな勢いなの!?」

「俺ら、聞きましたよ」

「お店、閉店しちゃうかもしれないって……」

「……!」

 峰子は 一瞬、動きを止めた。

(なんで……)

(私、まだ誰にも話してないのに……)

「……」

 すると――

 カウンターの奥から、猫たちがぞろぞろと姿を現した。

「……にゃぁ。(バレたか)」

「……お前らぁぁぁぁぁ!!!!!」

 密告犯・猫たち。

5
「ちょ、ちょっと待ってよ! なんで知ってるの!?!」

「そりゃもう、猫たちから……」

「猫から情報が流れるって何!?」

「いや、もうそこはいいんで、大事なのは“俺たちも協力する”ってことっすよ!!」

「……え?」

「これは店長一人の問題じゃないんで!!!」

「そうです! 私たちもこの店が大好きです!」

「猫たちだって、自分たちの居場所を守りたいって思ってる!」

「だから、店長、一人で抱え込まないで!!」

「……」

 峰子は、ゆっくりと 昭人たちの顔を見る。

(こんなにも……)

(こんなにも、みんなこの店のことを大事に思ってくれてたんだ……)

 胸が、じんわりと 温かくなる。

6
「……でも」

 峰子は、少し 不安そうに目を伏せた。

「お金の問題って、そんな簡単に解決できることじゃないのよ」

「それでも!!」

 昭人が、ぐっと 拳を握りしめる。

「何もしないで終わらせるのは、嫌なんで!!」

「……!」

 真緒と琴葉も 力強く頷いた。

「うん、だからまずは、一緒に考えよう?」

「きっと何か方法があるはず!」

 その言葉に――

 ついに、峰子の頑なだった心がほぐれた。

「……そうね」

 彼女は ふっと笑う。

「みんなで、考えましょう」
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