ねこまど~猫と人がつなぐ、奇跡のカフェ~

naomikoryo

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66)それぞれの決意

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1
◆ 翌朝、ねこまど――。

 いつもと変わらない光景。

 穏やかに差し込む朝の陽射し、猫たちののんびりした伸び、微かに聞こえるゴロゴロ音。

 だけど――

 店の空気は、どこか少し違っていた。

 昨日まで、ねこまどの存続は“危機”にあった。

 でも今は――

(もう、大丈夫)

(ねこまどは、ここにあり続ける)

「……」

 峰子(みねこ)は、カウンターに手をついて、大きく息を吐いた。

「よし……今日も、頑張るか!」

「にゃ!(おおっ!)」

「にゃん!(やる気スイッチ入った!)」

「にゃぁ~!(今日はいい日だ!)」

 ねこまど、再スタート。

2
◆ 「借金問題、無事解決」

「しかし……母さんがあんなに交渉できるとは思わなかった」

「ね? うちのオーナー、すごいでしょ?」

「……いや、もう“オーナー”ってより、すげぇ社長みたいだったな」

「ふふ、まぁね」

 カウンター席で、優斗(ゆうと)が コーヒーを飲みながら、どこかスッキリした顔をしている。

「優斗さんも、これからどうするんです?」

 昭人(あきと)が、慎重に尋ねる。

「……ちゃんと働くよ」

「……」

「俺、今まで“どうにかなる”って思ってたんだよ。でも、そんなわけないよな」

「……」

「だから、ちゃんとやる」

「……そっか」

 優斗の表情には、これまでになかった 覚悟 が滲んでいた。

3
◆ 「ねこまど存続決定」

「で、昭人くんはどうするの?」

「え?」

 突然の問いかけに、昭人は コーヒーを吹きかけそうになった。

「えっ、俺?」

「うん。ほら、もう借金問題も解決したし、ねこまどのバイトもこれから安定するし……」

「……あ」

「もしかして、そろそろ卒業……?」

「……」

 その言葉に、昭人はふと 自分の今後のことを考えた。

4
 昭人はもともと、推し活のためにお金を稼ぐつもりでバイトを始めた。

 それが、気づけば 猫たちと仲良くなり、スタッフとも馴染み、ここが“当たり前の場所”になっていた。

(でも……俺は、どうしたいんだろう)

「……」

 無意識に、峰子の顔を見た。

 忙しく働きながらも、ふとした瞬間に見せる優しい表情。

 ちょっと猫っぽい気まぐれな態度。

 そして、誰よりも猫たちを大切に思っている、その姿。

(……)

(ここにいたい、って思ってるのか? 俺)

「……まだ、考え中です」

 昭人は そう答えながら、自分の気持ちが少しずつ変わり始めていることに気づいた。

5
 ◆「それぞれの未来に向けて」

「よし、じゃあ今日はみんなで特別メニューを作るわよ!」

「えっ!? 特別メニュー!?」

「にゃ!(特別!?)」

「にゃん!(なんか美味しい予感!)」

「にゃぁ~!(期待しかない!)」

「ねこまど存続記念として、何か新しいことを始めようと思うの!」

「へぇ……なんか、いいですね」

「だろ?」

 ねこまどは、新たな一歩を踏み出す。

 そして――

(俺は……ここにいたいのかもしれない)

 昭人は、まだ答えの出ない自分の気持ちを、そっと胸の中で握りしめた。
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