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第7話「元ヤンは引き寄せる?危険な男との遭遇」
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「なんか今日、やたら風が騒がしくね?」
朝、目覚めた瞬間にそう感じた私は、テレビの天気予報を見ながらコーヒーを啜っていた。
天気は晴れ、気温はやや高め。
だが――空気が妙にざわついていた。女の勘が鳴っている。「今日はヤバいぞ」と。
「ま、気のせいっしょ」
その“勘”を、私は5秒で無視した。
なぜなら今日は、“新プロフで初マッチングした男”と初デートだったからである。
相手の名前は早乙女 祐真(さおとめ ゆうま)。
年齢34歳、職業:自営業(Web制作)
趣味:バス釣りと映画鑑賞。
プロフィール文には「恋愛はフィーリング。嘘をつく人が嫌いです」とあった。
メッセージの文面も丁寧で、ちょっと変わった絵文字の使い方が気になったが、まあ許容範囲。
「ひかりさんの“素直で明るい感じ”が素敵で、やり取りが楽しみでした」
優しげな笑顔の写真に、若干“ナル”臭は漂っていたものの、これまでの地雷男と比べれば全然マシ。
むしろ“まとも感”がにじみ出ていた。
「今回は……いけるかも」
そう思っていた自分を、3時間後に全力で殴りたくなるなんて、この時はまだ知らなかった。
待ち合わせは中目黒のカフェ。
席に座って5分後、祐真が現れた。
「あ、ひかりさん? わぁ、写真よりもっとキレイですね」
絵文字が口から出てきたみたいな人だった。
細身の体に、やたらブランド感の強いアイテム。
ピアスとネックレスがやたらキラッキラ。香水も主張が激しい。
第一印象:微妙にうるさい。
「今日はお会いできて本当に嬉しいですっ」
「ど、どうも……こちらこそ……」
第一声からすでに“盛り上がり100%”なのに、私の感情はまだウォームアップ中。温度差がすごい。
「いや~やっぱひかりさん、オーラありますよね!“俺の女”って感じ!」
「……え?」
開始10分でその発言。
え、今なんつった?
「ほら、わかるんすよ俺。人を見る目あるってよく言われるし、第一印象でビビッと来るタイプ」
「そ、そうなんですね~」
完全に警戒モードに入る私。
「でも、見た目だけで判断されるのってイヤでしょ? 俺、中身見てますから。マジで。外見で付き合っても続かないっすもんね~」
いやお前、開口一番“キレイですね”って5回言ったやん。
しかし、真の地雷はここからだった。
「てかさ、俺、元カノにストーカーされてて。」
「は……?」
「いや、もう終わってるんだけどさ、あいつマジで病んでて。俺のことSNSで匂わせてくるし、俺が他の女といるとメンヘラ全開になるし」
「……」
初対面の相手に、前の女の愚痴を20分。
「俺、人を信じるの苦手なんすよ。でも、ひかりさんは……信じられるっていうか……守ってほしいっていうか……」
うわあ。
うわああああ。
きたきたきたーーー!!!
こういう奴、絶対「束縛やべぇ」か「メンタルの沼」かどっちかだ!!!
その後も祐真のトークはノンストップ。
・過去の恋人にどんな酷いことをされたか
・自分がどれだけ心が繊細か
・LINEの返事が遅いと病むから即レス希望
・もし付き合ったら「服装は露出控えめがいいな」
・「元ヤンって聞いたけど、怒ると怖いの?」
その瞬間――プチッと、何かが切れた。
「怒ると怖いよ。昔だったら、今のあんた、すでに殴られてるわ」
「え、え?」
「初対面で元カノの話する男、信用できんし。束縛くさいし、地雷臭がすごいし、正直もうキモい。はい、以上。帰るわ」
「ちょ、え、まって、俺マジでひかりさんのこと――」
「マジで、ブロックな」
立ち上がって店を出るとき、心の中で爆笑していた。
「なんかスッキリしたわ。」
帰り道、川原に即報告。
「地雷だった。最強クラス。まさかのストーカーメンヘラ男。元カノの話で20分、こっちの話5秒」
「それはすごい。逆にいい経験したね」
「元ヤンモードでブッた斬ってやったわ」
「惚れそう」
「やめろ気持ち悪い」
その夜。ベッドに転がりながら、ひかりは考えた。
自分を出すって、勇気がいる。でも、出したおかげで“本当にダメな相手”も即見抜ける。
きっといつか、これで出会える。
“変わった自分”じゃなく、“素のまま”で笑える相手に。
「……けどマジで、今日の奴は二度と会いたくねーな……」
そう呟いて、電気を消した。
夜風が、少しだけ、優しかった。
朝、目覚めた瞬間にそう感じた私は、テレビの天気予報を見ながらコーヒーを啜っていた。
天気は晴れ、気温はやや高め。
だが――空気が妙にざわついていた。女の勘が鳴っている。「今日はヤバいぞ」と。
「ま、気のせいっしょ」
その“勘”を、私は5秒で無視した。
なぜなら今日は、“新プロフで初マッチングした男”と初デートだったからである。
相手の名前は早乙女 祐真(さおとめ ゆうま)。
年齢34歳、職業:自営業(Web制作)
趣味:バス釣りと映画鑑賞。
プロフィール文には「恋愛はフィーリング。嘘をつく人が嫌いです」とあった。
メッセージの文面も丁寧で、ちょっと変わった絵文字の使い方が気になったが、まあ許容範囲。
「ひかりさんの“素直で明るい感じ”が素敵で、やり取りが楽しみでした」
優しげな笑顔の写真に、若干“ナル”臭は漂っていたものの、これまでの地雷男と比べれば全然マシ。
むしろ“まとも感”がにじみ出ていた。
「今回は……いけるかも」
そう思っていた自分を、3時間後に全力で殴りたくなるなんて、この時はまだ知らなかった。
待ち合わせは中目黒のカフェ。
席に座って5分後、祐真が現れた。
「あ、ひかりさん? わぁ、写真よりもっとキレイですね」
絵文字が口から出てきたみたいな人だった。
細身の体に、やたらブランド感の強いアイテム。
ピアスとネックレスがやたらキラッキラ。香水も主張が激しい。
第一印象:微妙にうるさい。
「今日はお会いできて本当に嬉しいですっ」
「ど、どうも……こちらこそ……」
第一声からすでに“盛り上がり100%”なのに、私の感情はまだウォームアップ中。温度差がすごい。
「いや~やっぱひかりさん、オーラありますよね!“俺の女”って感じ!」
「……え?」
開始10分でその発言。
え、今なんつった?
「ほら、わかるんすよ俺。人を見る目あるってよく言われるし、第一印象でビビッと来るタイプ」
「そ、そうなんですね~」
完全に警戒モードに入る私。
「でも、見た目だけで判断されるのってイヤでしょ? 俺、中身見てますから。マジで。外見で付き合っても続かないっすもんね~」
いやお前、開口一番“キレイですね”って5回言ったやん。
しかし、真の地雷はここからだった。
「てかさ、俺、元カノにストーカーされてて。」
「は……?」
「いや、もう終わってるんだけどさ、あいつマジで病んでて。俺のことSNSで匂わせてくるし、俺が他の女といるとメンヘラ全開になるし」
「……」
初対面の相手に、前の女の愚痴を20分。
「俺、人を信じるの苦手なんすよ。でも、ひかりさんは……信じられるっていうか……守ってほしいっていうか……」
うわあ。
うわああああ。
きたきたきたーーー!!!
こういう奴、絶対「束縛やべぇ」か「メンタルの沼」かどっちかだ!!!
その後も祐真のトークはノンストップ。
・過去の恋人にどんな酷いことをされたか
・自分がどれだけ心が繊細か
・LINEの返事が遅いと病むから即レス希望
・もし付き合ったら「服装は露出控えめがいいな」
・「元ヤンって聞いたけど、怒ると怖いの?」
その瞬間――プチッと、何かが切れた。
「怒ると怖いよ。昔だったら、今のあんた、すでに殴られてるわ」
「え、え?」
「初対面で元カノの話する男、信用できんし。束縛くさいし、地雷臭がすごいし、正直もうキモい。はい、以上。帰るわ」
「ちょ、え、まって、俺マジでひかりさんのこと――」
「マジで、ブロックな」
立ち上がって店を出るとき、心の中で爆笑していた。
「なんかスッキリしたわ。」
帰り道、川原に即報告。
「地雷だった。最強クラス。まさかのストーカーメンヘラ男。元カノの話で20分、こっちの話5秒」
「それはすごい。逆にいい経験したね」
「元ヤンモードでブッた斬ってやったわ」
「惚れそう」
「やめろ気持ち悪い」
その夜。ベッドに転がりながら、ひかりは考えた。
自分を出すって、勇気がいる。でも、出したおかげで“本当にダメな相手”も即見抜ける。
きっといつか、これで出会える。
“変わった自分”じゃなく、“素のまま”で笑える相手に。
「……けどマジで、今日の奴は二度と会いたくねーな……」
そう呟いて、電気を消した。
夜風が、少しだけ、優しかった。
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