愛され末っ子

西条ネア

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記憶がなくなる前の話

53話

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琉架サイド

遠足に行った日から2週間が過ぎた。

その間、僕は一度も幼稚園に行ってない泣


もう年中さん終わっちゃうよぉ~


「パパッ!きょうはようちえんいく!!」

朝ごはんの時間に珍しくパパに会えた。

ふふんo(`ω´ )o
今日はこのために早起きしたの!


「え?!急にどうしたの?琉架。」

「まだ5かいしかようちえんいってない!ねんちゅうさん、おわっちゃう!」

ぷりぷりしながら言ったら、クラクラしちゃうから大声はやめて、って言われた。

ふんっ!( *`ω´)
今日は僕、悪い子なの!
みんなが幼稚園行かせてくれるまで大声出すもん!

「るぅ、りとも行ってないよ?一緒だよ?」

「いってないのにりぃくんだけおべんきょうしてる!」

仲間外れ、やなの!!

ハァ、はぁっ

肩で息をしながらみんなに言う。
うぅ、涙出てきた。
でも今日は泣かないし大きな声出すのもやめないもん!

「るぅ、一回すーはーしよう?苦しくなっちゃうよ??」

「ッやぁぁぁあ!!!」

そっ、と肩に置かれたりぃくんの手をバッて離した。

ズキッ

りぃくん、ごめんね。。。
嫌いになったわけじゃないからね。

「ッ。。。」

りぃくんはそれから黙っちゃった。
そのままどこかを見つめて何か言ってる。
でも聞こえない。

悪いことしちゃった、、、。

謝りたいよ、、、。

でも今僕は幼稚園に行かせてもらえるまで怒るって決めたの!

でも嫌われちゃったらどうしよう、、、。

どうしたらいいの??
わかんない、。

「ぅぇっ。ヒュッグ ヒッグ ひゅっ」

息が出来なくなって、後ろに尻餅をつくと思ったら蘭が支えてくれてた。
遼は何かゴソゴソしてる。

「琉架!理斗!そこ退いて!遼!吸入器一応用意して!」

「はい。」

「琉架。、、、琉架!パパたちが意地悪しちゃったね。ごめんね。琉架が元気になったら一緒にお話ししよう?だから、ね?一回すーはーしよう?」

パパがこっちに近寄ってこようとしたから今の僕の精一杯で後ろにさがる。

「ッやぁヒュッは、、、ハッハッハヒュッ」

「ッ蘭っ!」

「琉架様、失礼します。」

首の後ろにとん、と何かが当たった。
その瞬間、もともと眠かったから僕はすぐに寝ちゃった。

最後に見たりぃくんの顔がすごく怖いはずなのにどこか泣きそうで。

ギュッてしてあげたいのに。

苦しくなって僕はそのまま気を失った。
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