異世界王道BL

西条ネア

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ありきたり過ぎて何も言えない

2話 神の愛し子

その日も鍛錬場でセネスに相手をしてもらっていた。

俺と対等にやり合えるのがセネスしかいないのが残念だ。


こんな俺たちでも国家騎士団の団長とセネスが副団長をしている。


俺はセネスより魔法が少し、ほんの少し劣っている。

逆に俺はセネスより体術に長けている。


その試合も両者一歩も譲らないいい戦いだった。

もう少しで決着がつきそうな時、突然魔法塔から尋常じゃないくらいの魔力が流れ出てきた。

きっとまだ一部にしか過ぎないだろうその魔力は俺たちを圧倒した。


こんなに強い魔力を感じたからには何か大変なことが起こったんだと隊を引き連れて魔法塔に向かう。


魔法塔に辿り着くとそこには国王や大臣たちなど普段はあまり公の場所には顔を出さない人たちの姿がたくさんあった。


大臣の一人に何があったのか聞いてみると創造神アヴィと名乗る膨大な魔力を携えた人物が突如魔法塔に現れたらしい。

一人の美少年を腕の中に抱えて。


この魔力から察するに創造神アヴィというのはあながちうそではないらしい。

俺やセネスも武者震いがとまらねえ。


一体どうしたものかと、そのほかのヤジに紛れて見守っていると突如アヴィ様がお言葉と発せられた。


「我は創造神アヴィなり!よく聞くがいい、我が子ども!この子は世界で唯一我の加護を授かりし神子なり。もしこの子に何か愚行を行った場合には我が直々に制裁を下す!、、、おいそこの二人。」


突然アヴィ様はお話になられているのをやめたかと思うと俺たちの方を向いて言葉を止めた。



俺たちのこと、、、か?



隣のセネスの気配にも困惑が感じられる。

どうしたらよいのか分からず、困惑していると突然俺たちの足元に強力な魔方陣が出現した。


「んなッ?!」


俺たちは成すすべなく転移させられた。



そこは何もない空間だった。

いや、神としての威厳と脅威に満ちた異質な空間だった。


「お前たちにこの子を託す。先ほども述べたようにこの子は我の加護を授かった世界でただ一つの神子だ。もしものことが起こった場合、分かっているだろうな?、、、とはいったもののこの子のしたいようにさせてやってくれ。以前の世界では不憫にもこの子にだけ自由がなかった。だから甘えるということを、愛情というものを知らんのだ。」


己の腕の中にいる美少年のことを思いやるアヴィ様の気持ちはこの空間には不づり会いなほどやさしいものだった。


「この子は違う世界からの申し子だ。この世界では体に負担がかかる。考えられないほどの。我が力を使って支えてはいるがそれでも厳しいことのほうが多いだろう。あと、この子についてはなしておかねばならんことがある。___」



そう言ってアヴィ様から語られたこの子の悲しい過去は想像をはるかにこえた。


この子は施設に預けられてから、いじめにあったらしい。

はじめは男子からの無視など小さなことからだった。

まだ助けてくれる子や、この世界で言う子を成すほうのジョセイと呼ばれる子たちも助けてくれていたらしい。

だが、所詮は子ども。

大きな勢力である神子様をいじめる側に加担していったらしい。

助けてくれていたたった一人の男の子を覗いて全員が敵だったらしい。

やがてその男の子が引き取られ、誰も手を差し伸べてくれる味方がいなくなった神子様はそれでも耐えた。

大人はというと全面無視だったらしい。


神子様お一人だけずぶ濡れでも、痣をたくさん作っていても見て見ぬふり。中には加担して食事の量を減らすや輩もいたらしい。

そんな食事でも暴力にでも屈指ない神子様についに魔の手が迫った。

寝ているときにジョセイに性的な乱暴をされたのだ。

流石に耐え切れず施設職員に部屋に行ったらしい。

だがそこで今度はジョセイ職員に襲われたのだった。

俺とセネスは怒りでもう何も言えなかった。

そのような環境に置かれても文句を言わず必死に生き、唯一求めた助けも裏切られた神子様のお気持ちは計り知れない。


その後、男子たちにも集団でこっちは性的にさらに暴力もあったらしい。


だがそのような状況に置かれていたからか、何も反抗せず恨まず、感情もそのほとんどが消え失せ他人の身勝手な自殺に巻き込まれてお亡くなりになったらしい。


その自殺未遂を犯した男性には酷なことを言うかもしれないが、これまで神子様が耐えてきたものに比べれば屁でもないと思う。



アヴィ様のお話を聞き終わるころには俺たちの意思は固まっていた。

このお方を世界で一番愛すると。


その返事を聞いて安堵したアヴィ様のお顔は正真正銘子を思う親の顔だった。





そして色々な準備をし、神子様がお眠りになられること4日目の今日、初めて神子様の声を聞いた。

少し無機質だが優しさのあるいいお声だった。


はじめは驚かせてしまい、怯えさせてしまったが無事に自己紹介をおえ、この国について伝えていくうちに神子様の顔色があまりすぐれないことに気付く。

念のためを思って、横になってもらったが目が覚めたばっかりなのもあるのか疲れているらしい。


神子様の過去についてはざっくりと聞きました、と言っておいた。

あまり他人に詮索されるのは誰も好まないだろう。


だが俺は神子様に、レイにならぜんぶしってもらいたいと思う。

きっとセネスもそうだろう。

俺たちは意外と好みが合うし長年の付き合いである俺に隠し通せることなんてない。

まあ、俺もなんだがな。。。


その証拠に今も眠ったレイの顔をじっと、、、いやあれは頬が緩みまくっているな。

本当に些細な変化だが。。

だが尻尾はとてつもなく正直でちぎれんばかりに振っている。


まあ、それくらいレイは庇護欲や独占欲を掻き立てる。

守ってやりたいと思うし、その可愛い顔をぐちゃぐちゃにしながら俺をねだる姿も見たい。


セネスもそうだろう。絶対に。



その証拠にほら、俺らのズボンを見てみろよ。

想像しただけで自身のモノがはちきれんばかりにビンビンに勃ってるぜ?

セネスなんか今トイレに走っていったぞ?



おいおいどーすんだよレイの護衛。

俺も今すぐイかなきゃヤバいんだけど。。。。



*****

「んっ、、、」
目を覚ますとやはり、豪華な天蓋が視界に入った。
急にあんなことを言われてもやはり、今までの習慣が染みついている。

コンコン
「失礼するぞ。」

そう言って入ってきたのはセネスさんだった。
急な訪問に急いで起き上がろうとするが阻止される。

「いや、寝たままで大丈夫だ。」
「すみません。」

「できれば、敬語も外してくれ。昨日も言った通りレイは俺たちからしたら雲の上の存在なんだ。」

優しい声で言ってくれる。
セネスさんは表情に出ないけどとてもやさしいことがじんわりと伝わってくる。

「はい。。ありが、、とう//ッ」

「ところで、朝食は取れそうか?」
セネスさんの後ろに台を押してきたらしい執事さんの姿が。

「大丈夫です。ありがとう。」
「クス変な口調だな。」

ううぅ~
恥ずかしくて顔を布団に埋めていると、セネスさんが中に入ってくる。
「??どうしたの???」
「ん?ああ。いや、レイに食べさせてやろうと思ってな。」
「いやいやいや、、、大丈夫ですよ!」

衝撃的発言に驚いてセネスさんの顔をマジマジと見つめる。
改めてみると整った顔をしてるよねぇ。ルイズさんも。
昨日の一瞬だけだったけどよく覚えている。

そういえば
「ルイズさんはいらっしゃらないんですね。」
「ッレイはルイズが好みなのか、、、?」

セネスさんの声がワントーンくらい下がった気がする。
「ぇっ!いえそういうわけでは!」

否定しつつ、セネスさんがボクを抱き起してセネスさんの股の間に座らされる。

「本当か、、?」
「えっええ。。」

身長が大きいセネスさんはボクを上から覗き込んでくる。

「んっ、、、ふぁ////ッんぅ、、、っ」

そのまま濃厚なキスをされた。
上からのキスなのでセネスさんの唾液がのどに流れていく。
口からこぼれたどちらのモノかわからない唾液が顎を伝って鎖骨に落ちたのを感じた。

「んっ、、セネっ、、、さ、、、ッ」
何分そうしていただろう。
セネスさんに解放されたときには冷めているはずの紅茶?が再び入れなおしてあった。
執事さんに見られた、、、ッ!

「すまない。少しがっついてしまった。怖くはなかったか、、、?」
セネスさんが反省しているような顔をしながら聞いてくる。
そういえば全然怖くなかった。
セネスさんだったからなのかな?

「全然平気でした。セネスさんだったからなのでしょうか?」
でもセネスさんやルイズさん以外を想像するとやはり怖い。
段々震えてきた。

「大丈夫か?レイ。、、、、レイ?」

「ぁ、、、はぃ。」

少し思い出しているとセネスさんが心配そうな顔をしていた。
「無理はしないでくれ。、、、食べれるか?」
「はい。」

セネスさんに少しずつ食べさせてもらう。
でも一向に減る気配がない。
この世界の人たちは身長が大きいから食べる量が多いのかも知れない。
現に前の世界で食べていた量の3,4倍近くが用意されている。
しかもお肉がほとんどで目の前の量の10分の一くらい食べたところで完全に食の手が止まった。

ボクが元々小食なのもあるかもしれないけど、この量は無理だ。

「もういいのか?体調がすぐれないのか?」
セネスさんが心配そうに聞いてくる。
こんなに心配をかけてしまって申し訳ない。。。

「おーいレイ!飯食ったかぁ~?」
ルイズさんが部屋にやってきた。

「ルイズさん、、おはよ、、、おはよう////」
やっぱりため口は恥ずかしい。

「ああ、おはよう。」
そう言ってルイズさんがボクの頭を撫でてくれる。

「ルイズ。レイに触り過ぎだ。」
セネスさんが少し強い口調でいう。
やっぱりさっきのことが関係しているのだろうか。
思い出していると恥ずかしくなった来た。

「いいじゃねぇか、セネス。お前だってそんなに密着して。俺だってレイとくっつきてぇ。」
「お前が日ごろから仕事を詰め込むから悪いんだ。」

なんだか創造できてしまう。。。

そういえばアヴィが今のボクの身体にどんなことを仕掛けたのかまだわかっていない。
昨日のルイズさんたちにボクのこの身体はこの世界では貧弱らしい。

これは必要な設定だったのか、、、?

「改めて、レイ。俺やセネスと婚姻を結んではくれないか?いきなりなのは承知している。でも俺たちには例が必要なんだ。すでにアヴィ様から許可は頂いている。どうだろうか?」

本当に急ですね、、、。
しかもアヴィが仕組んだこと間違いなしです。
まあ、この二人ならあまり怖くないですし、優しくしてくださってますし。
逆にこんなボクでよければ状態なんですが。。。

「二人とも、なんてできるのですか?」
「ああ。身籠る確率はあまり高くないから、一妻多夫が認められている。どうだろうか、、、?」

セネスさんもハラハラしながら聞いてきているのが分かる。

「こちらこそ、こんなボクでよければ。」

そう返事をした途端、後ろからセネスさんに抱きしめられルイズさんに手の甲にキスを落とされた。


アヴィは何が望みなんでしょうか。
陽気に笑っているアヴィが想像できてしまってどうしようもない。
でも、折角授かったこの命、精一杯謳歌したいと思います。

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